第364話 イブたちは慣れない海中探索に苦戦している様だ。
イブたちは慣れない海中探索に苦戦している様だ。
今だ海底ダンジョンの発見には至っていない。
定時連絡の際にウルドが申し訳なさそうにしていたが、正直俺的には見つからなくても別に構わないので気楽にやってほしい。
エカリテの方だが、話の真偽を確かめる為に、巨大ジャガーノートやゴブリンたちが居ると推測されている場所に派遣した調査団は全滅。
またその調査団がゴブリンと戦闘した所為かは分からないが、ゴブリンたちが移動を開始し、このままでは人種の生活圏に巨大モンスターが侵入するのも時間の問題らしい。
調査の為に派遣された一団は、エカリテの中でもそれなりの精鋭で、それを全滅させたモンスターが自分たちの生活圏に近づいてきている事に、漸く危機感を覚えたのか、エカリテ側は今になってアーキセルに応援を要請してきたそうだ。
見返りとしては貿易の拡大。
オーヘイムに請求する賠償額のうち5割をアーキセルに渡す。
以上である。
アーキセル王国の国王は結構寛大な人だと、俺は勝手に思っているわけだけど、流石に馬鹿にされ過ぎて頭に来たみたいで、これを断ったとサリーから聞いた。
今は再度交渉中なんだと。
エカリテのお偉いさんたちは基本的に森の外にある首都に住んでいるので、まだ危機感が足りないのだろうとは、ヌゼの意見だ。
だからまだ交渉の余地があると考えているのでは無いかと言っていた。
それで被害が出るのが、交渉とは関係の無い森に住む民なのだがから酷い話しである。
俺の予想では、どうせ暫くしたらエカリテ側は自分たちではどうあっても対処出来ないと考え、再度アーキセルに応戦を要請する事になると思うのだが、俺以外の殆どの人間は同じ考えの様で、そう考えた人間のうちの1人が俺の下を訪ねて来ていた。
第3王子だ。
「アーバン殿に頼みがあるのだ」
「何でしょうか?」
真剣な面持ちの第3王子だが、相手は所詮ただ巨大化したジャガーノート、何をそんなに意気込む必要があるのだろうか?
「私を男にしてくれっ!」
「はい?」
まさか第3王子はそっちの趣味の人なのか?
俺は女性が好きだし結婚もしてます。他を当たって下さい。
「カドゥレーン侵攻の際に痛感した。私は弱い。ガステア殿の助けなくば生きては帰って来れなかっただろう」
「そのような事は……」
有るのでここで言葉を止める。
「気遣いは無用だ。事実だからな。だから私はもっと強くなりたいのだ。どうか私に特訓をつけてくれないだろうか?」
「ああ、そういう事でしたか」
強くなる事を男になるってのはちょっと違う気がすると思うのは、俺がコーネリアのような強い女性を知っているからかな?
「エカリテ側の信頼を勝ち取るために、王族である私が動く事になる可能性は高い。その際に他国に私の無様を晒すわけにはゆかん」
えぇ…王太子自ら?
あるかなぁ、その可能性。
「それに……負けたくないではなく、勝ちたいと思え。貴殿の教えだろう?」
俺、そんな事言ったかな?
楽しければそれで良いじゃん、ってのが俺のモットーなんだけど。
別の誰かの言葉と勘違いしてない?
まぁ、いま暇だから別に付き合うけど。
「分かりました。私で宜しければ殿下の特訓にお付き合い致しましょう」
「感謝する!」
と安請け合いしたが、特訓って何をすれば良いのだろうか?
俺は剣術の指導などを受けた事はあるが、人に指導した事など無い。
誰かの言葉だが、一流の選手が一流のコーチになれるとは限らない、
多分俺はコーチとか向いて無い人間だと思う。
という事で、人に、もといライオンに任せる事にした。
訓練室にヨルレア・フェーレに登場した第3王子とメシュエルを放り込み、訓練室に時間経過が遅くなる魔法陣を組み込んだ。魔力はメシュエルさんから強制徴収される。強制といってもちゃんと許可は貰っている。仕組み的な話の事だ。
訓練室の中の時間の流れは、なkでの1日が外では1時間となっている。
外で12時間経過すると強制的に退室させられ、その際に12日分王子の時間が戻るようにしている。記憶は巻き戻らないので特訓は無駄にならない。
あくまで第3王子の訓練なので、ヨルレアにはエボのサポートは付けない。
エボは一旦こっちで預かった。
[アーバン様、お願いが、御座います]
お前さんもかい。
「何?」
[カボたちの、戦闘データを、私にも、共有して、欲しいのです]
全てのカボはデータを共有できるようにしている。
ただ、エボだけは別だ。
エボのAIは進化を続けているが、何百機といるカボと比べると、その成長速度は
遅い。
「つまりエボも強くなりたいと?」
[はい]
う~ん、サポートという側面で見れば今のエボで十分だと思う。
エボは補助要員でメインはあくまで第3王子なのだ。
これ以上強くしてもなぁ…
エボが直接戦うのはちょっと俺の好みとは違うんだよな。
そういえば、前に第3王子がドラゴンにやられて気絶した時、エボがヨルレアを動かしたことがあったな。
何か暴走気味でいきなり切り札のヨルレア・フェーレをぶっ放していたけど。
暴走?
あれ? 何か心に来るものがあるような?
第3王子が意識を失った時にだけ作動するエボ・モード。
魔石の残量を全て使い切る出力強化の限界版。
いいじゃない。
現在、出力強化は3段階目までしか作っていない。
これは搭乗型ではなく装着型を装着した際に、俺が違和感なくゴーレムを動かせるレベルが3段階目だから、これ以上出力を上げる必要性を感じてなかったら作って無かったというだけで、4段階目を作る事は可能だ。
ただ、他の機体ならいざ知らず、ミスリル製のヨルレアが4段階目の出力強化を使うには20万ほどの魔力が必要になる。
極彩色の羽があるとはいえ、一度使ってしまえば魔力の回復には時間が掛かってしまうし、維持し続ければ消費魔力はえぐい事になる。
また、第3王子の実力も問題だ。
正直今の王子では4段階目の性能についていけないとおもう。
機体に振り回されるのがオチだ。
というか、キー君との戦闘の映像を見るに、ぶっちゃけ3段階目で既に大分怪しかった。
まぁ、そこはメシュエルとの特訓で腕を磨いて貰うとして、4段階目はエボ専用で良いかもしれない。
第3王子にはいつか4段階目を自由自在に扱えるほどのパイロットになる事を目標にしてもらおう。
ついでにヨルレア自体も強化改造したいな。
改造案は後で本人と話し合って決めよう。
次の更新予定
2025年2月7日 15:00
魔道具師志望ですがゴーレム以外興味はありません 大前野 誠也 @karisettei
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