東大阪 死体遺棄事件 大阪市内でも遺体の一部見つかる
大阪・東大阪市の山の中で男性の遺体を遺棄したとして28歳の容疑者が逮捕された事件で、現場からおよそ14キロ離れた大阪・中央区のマンションの敷地内でも切断された遺体の一部が見つかっていたことが分かりました。
警察は容疑者の事件当日の行動を詳しく調べるとともに、男性の死亡についても事情を知っているとみて捜査しています。
先月(1月)25日、東大阪市山手町の山の中で頭部や手足などが切断された男性の遺体が見つかり、警察は大阪・中央区の無職、大木滉斗容疑者(28)を遺体を遺棄した疑いで逮捕しました。
調べに対し、容疑を認めているということです。
警察によりますと、亡くなった男性は国土交通省の職員で、容疑者と同じマンションに住む神岡孝充さん(52)と確認されました。
死因は窒息死とみられるということです。
遺体は山の中の空き家とその周辺で見つかりましたが、現場からおよそ14キロ離れた大阪・中央区のマンションの敷地内でも切断された遺体の一部が見つかっていたことが警察への取材で分かりました。
容疑者の供述に基づいて3日に捜索した結果、新たに見つかったということです。
山の中で遺体が遺棄されたのは去年12月28日の夜とみられるということで、警察は容疑者の当日の行動を詳しく調べるとともに、男性の死亡についても事情を知っているとみて捜査しています。
【遺体発見現場の防犯カメラには】
遺体の一部が新たに見つかった、大阪・中央区の現場近くに設置された防犯カメラの映像では、3日の正午すぎ、十数人の捜査員が現場のマンション付近に集まっている様子が確認できます。
この後、捜査員が脚立を使ってフェンスをよじ登り、マンションの敷地内に入ろうとする様子も写っていました。
警察によりますと、このマンションは現在は誰も住んでおらず、遺体の一部は3日の午後1時ごろに敷地内で見つかったということです。
【防犯カメラに「金髪」の容疑者か】
NHKは、容疑者とみられる人物が大阪市内の路上を歩いている様子を捉えた防犯カメラの映像を2か所で入手しました。
1か所めは容疑者の自宅マンションから200メートル余り離れた、大阪・中央区高津に設置された防犯カメラの映像です。
去年12月28日の午後6時20分ごろ、長い金髪姿の容疑者とみられる人物がキャリーバッグを引いて1人で路上を歩く様子が確認できます。
警察によりますと、この時は金髪のカツラをかぶって変装していた疑いがあるということです。
2か所めは、この場所からさらに600メートルほど離れた大阪・天王寺区生玉町に設置された防犯カメラです。
午後6時40分ごろ、キャリーバッグを引いた容疑者とみられる人物が写っています。
この時は黒っぽい帽子をかぶっていました。
警察は容疑者がこの後、電車に乗って近鉄奈良線の額田駅へ向かい、東大阪市の山の中で遺体を遺棄したとみて調べています。
【被害者の男性は】
警察などによりますと、神岡孝充さん(52)は大阪・泉佐野市にある国土交通省・航空保安大学校の職員です。
航空管制官などを養成する国内で唯一の教育訓練機関で、神岡さんは3年前の2022年から会計課長を務めていました。
警察によりますと、職場に最後に出勤したのは去年12月26日で、翌日はテレワークを行い、28日から冬休みに入っていました。
海外にいる妻に会いに行く予定だったということです。
しかし、29日になって「突然夫と連絡が取れなくなった」と妻から通報があり、警察が行方を捜していました。
自宅マンションの部屋には、荷物が残されたままだったということです。
航空保安大学校の同僚は取材に対し、「真面目なうえ、部下とのコミュニケーションを大切にする職員でした。これまでにトラブルなどは聞いたことがなく、悩み事の相談を受けたこともないので、なぜ行方が分からなくなったのか心配していました。亡くなったことが信じられず、元気に帰ってきてほしかったです。容疑者との関係は分かりませんが、背景をしっかり捜査してもらうとともに、私たちもご家族をフォローしていきたい」と話していました。
【被害者知る男性「社交的な人」】
神岡さんを子どものころから知る男性は「小さいころは相撲と将棋が好きでよく遊んでいました。少年野球にも打ち込んでいて、誰とでも仲よくできる活発で社交的な人でした。30代半ばにみんなで集まった時は一緒に居酒屋やカラオケに行き、ただただ酒を飲んで歌ったという楽しい思い出が残っています。神岡さんは『体が小さい分、自分は頭で勝負したい』と話していて、努力して大学に進学したと聞きました。真面目でいい人がこのような事件に巻き込まれ、本当に残念でなりません」と話していました。
【事件の経緯】
事件が発覚したのは、先月(1月)25日の朝でした。
大阪・東大阪市山手町の山の中にある空き家で、行方不明者の捜索を行っていた警察官が頭部や手足などが切断された男性の遺体の一部を見つけました。
現場にはキャリーバッグも放置されていたということです。
さらに、周辺の捜索で、半径30メートルの範囲内の数か所で遺体の一部が見つかり、警察は男性が事件に巻き込まれたとみて死体遺棄などの疑いで捜査を始めました。
この中で、現場近くの防犯カメラに去年12月28日、1人でキャリーバッグを引いて山を登る不審な人物が写っていたことが分かりました。
この人物の足取りを調べるため、警察が防犯カメラの映像をたどったところ、現場からおよそ700メートル離れた近鉄奈良線の額田駅で電車を降りていたことや、大阪・中央区のマンションに出入りしていたことなどが分かったということです。
その後の聞き込み捜査などの結果、マンションに住む大木容疑者の関与が浮上しましたが、容疑者は先月中旬から行方が分からなくなっていました。
このため警察が行方を捜査していたところ、今月2日の夕方になって容疑者が自宅からおよそ160キロ離れた和歌山県白浜町の観光名所、「三段壁」にいるのが見つかります。
地元の住民から「長時間うろうろしている人がいる」と通報があり、警察官が駆けつけたということです。
警察が任意で事情を聴いたところ、男性の遺体を遺棄したことを認めたため、3日、逮捕しました。
そして5日、亡くなった男性は容疑者と同じ大阪・中央区のマンションに住む神岡さんと確認されました。
2人はそれぞれ別の階に住んでいて、これまでに接点やトラブルなどは確認されていないということで、警察が事件の詳しいいきさつを調べています。