1日に発足する石破茂内閣では、村上誠一郎元行政改革担当相(72)=衆院愛媛2区、12期=が総務相に起用された。村上氏の入閣は実に19年ぶり。村上氏は石破氏と並ぶ安倍政権時代の「党内野党」の代表格で、2022年に銃撃されて死亡した安倍晋三元首相を「国賊」と難じたことが報じられるなど、安倍氏と極めて折り合いが悪かったことで知られる。旧安倍派からは、重要ポストへの抜てきに反発も出ている。(デジタル編集部)
◆株価乱高下や円安は「アベノミクスの負の遺産」
村上氏は午後4時20分ごろ、首相秘書官から官邸への呼び込みの電話を受けた。
村上氏は報道陣の取材に、裏金問題や旧統一教会問題を挙げて「前任者のいろんな負の遺産がある。これをどう解消しながらやっていくかというのは非常に難しいなと心配している」と述べ、株価の乱高下や円安についても「残念ながらアベノミクス(安倍政権の経済政策)の負の遺産だと思う」と指摘した。その上で、「総務相は非常に守備範囲が広い。新たな課題もあり、勉強する必要があるので、当面はそれに集中しようと思う」と意気込んだ。
19年ぶりの入閣となったことについては「納得いく人の下で働きたいので、あえてポストを求めなかった」としつつ、「支持者が『よく筋を通して頑張ってくれた。嬉しかった』と言ってくれた時は、私もじーんときた」と涙ぐんだ。
「国賊」発言で党の処分を受けたことに関しては、「(安倍氏の)遺族の方には謝罪した」と説明。「(国葬の是非を巡り)ずっと正論を言い続けたつもりだ。ただ、人間社会だから感情が伴う。これからは融和的にやっていく」と話した。
旧安倍派の若手は、村上氏の入閣について「安倍元首相がいた時代なら、ありえなかった。天下が『リベラル』に取られ、時代が完全に変わってしまった」と嘆息。「党内融和とはほど遠い人事だ」と懸念した。
◆特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認に反対
村上氏は2022年9月、報道機関の取材に、安倍氏の国葬について「最初から反対だし、出るつもりもない」との考えを示した際、安倍氏を「国賊」と表現。村上氏自身は「発言を覚えていない」と釈明したが、自民党は村上氏を1年間の党役職停止処分に。安倍派を中心に、村上氏に対する厳しい声が上がった。
村上氏と安倍...
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