ゲーム実況YouTuberもハッキング攻撃のターゲットに
ゲーマーもハッキング攻撃と無縁ではない。最近では、ゲーム用PCに欠かせないグラフィックボードのドライバに脆弱性が見つかったり、70歳の女性が知らない間に高額なゲームの定額サービスに加入されていたというニュースもあった。YouTubeユーザーも同じだ。ソフトウェアのインストール手順を教えるチュートリアル動画を装って視聴者を悪意のあるリンクに誘導する詐欺や、YouTuberクリエーターを狙ってパスワードを盗もうとするサイバー犯罪の手口が報じられたばかりだ。 たが、この2つを組み合わせたらどうなるだろう? サイバー犯罪者たちにとって、YouTubeとゲーマーの組み合わせは魅力的な興味の対象となる。コンピューターセキュリティ対策企業のMcAfee(マカフィー)は、『Call of Duty(コール オブ デューティ)』『Fortnite(フォートナイト)』『Minecraft(マインクラフト)』『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』『Roblox(ロブロックス)』をプレイする全ゲーマーに向けて、重大な警告を発した。この件に関して知っておくべきことをまとめた。 ■YouTubeを利用するゲーマーへの重大な警告・知っておくべきこと 誰もがお気に入りのゲームを持っており、プレイ中には一番になりたいと思っている。中には他のプレイヤーよりも優位に立つための手段を探そうとするゲーマーがいてもまったく不思議なことではない。それがたとえ「チート」と呼ばれるゲームのプログラムを改ざんするような何らかの不正行為であっても。
詐欺を見抜く経験が不足している若いゲーマーが標的に
この、どんな手段を使っても他者より上手くやりたいという探究心が、その目的のためにYouTubeを利用するすべてのゲーマーに向けて新たに発せられた重大な警告の根本にある。マカフィーラボのセキュリティ研究員たちはゲーマー、特に若いゲーマーが、ゲームの改ざんツールや海賊版ソフトウェア、暗号通貨ツールに偽装したマルウェア(ユーザーに不利益をもたらす悪意のあるプログラム)を無自覚にダウンロードしていると警告している。 「中でも『マインクラフト』や『ロブロックス』『フォートナイト』『エーペックスレジェンズ』コール オブ デューティ』のような人気ゲームは、このような詐欺から標的にされています」とマカフィーで主幹を務めるブルーク・シーペルはいう。「他のプレイヤーより優位に立つために、ゲームの中で壁を透視したり、キャラクターの動きを高速化したり、特別なアイテムを使えるようにしたりといったチートの手段を探すゲーマーたちが、悪意のあるリンクに誘導されるのです」 子どもや10代の若者は、特にエイムボット(人間では不可能な速さで自動的に照準を合わせる不正ソフトウェア)やアンチバンツール(不正を行ったプレイヤーがゲームから締め出されるのを回避するツール)に誘惑されると、オンライン詐欺を見抜く経験が不足していることが多いため、ハッカーたちから格好の標的として見られていると、シーペルは警告する。「詐欺師たちは、この好奇心と熱意を利用して、若いゲーマーをより簡単に騙し、彼らのデバイスを感染させるのです」とシーペルは述べている。