2025年2月3日
東京地裁でのHPVワクチン薬害裁判傍聴記録【後半】
前半だけでも普通の人にはHPVワクチン薬害弁護団の実態は十分に理解できたと思うが、ここから先はさらに凄い。誰も想像できないハチャメチャが押し寄せてくる。
心して読んでほしい。
原(引き続いて矢吹弁護士)
HPVワクチン接種で、自己抗体を産生しないと言い切れますか?
角
トリゴエ先生は分子相同性によってそれが生じ得ると主張しています。
それ以外には、ろくな対照実験はありません。
なので、ないと言えます
原
NMDA型の抗体が、静岡てんかんセンターを受診したHANS(HPVワクチン関連免疫異常症候群)の34名、73%の方から検出されました。
これも意味がないと考えていますか?
角
高橋論文(静岡てんかん・神経医療センターてんかん科高橋幸利)では、先ほどもお伝えしたように不適切な方法で実験が行われています。
国際的にはELISA法ではなく、ダルマン法(?聞き取れず)が適切な方法です。
なので、意味がない、もしくは分からないとしか言いようがありません。
原
端的にお答えください。
角
高橋先生の論文では、不明です。
原
次はヒトの免疫寛容に関してです。
これは簡単には破られない。
よろしいですか?
角
はい。
原
トリゴエ先生は、免疫寛容や分子相同性があっても、ヒトの免疫寛容は簡単には破綻しないと主張していますか?
角
それはよくわかりません。
トリゴエ先生は、免疫の教科書に記載がない事を連ねて主張しているだけです。
原
自然なHPV感染でもHPVワクチン接種でも、過剰な免疫反応が生じる可能性はありますか?
角
それは調べたデータがないから分からない。
性交渉などの自然なHPV感染の直後に、そのデータを収集することは現実的ではない。
原
では、可能性はゼロではありませんね。
角
ゼロではないかもしれません。
原(初めに対応していた、小柄な女性弁護士に交代)
HPVワクチンであるサーバリックスにはアジュバントは含まれていますか?
角
はい。
原
アジュバント効果を検証すると、抗体価からはサーバリックスに添付されたASO4の成績は良好ですか?
角
はい。結果からは良いワクチンと言えます。
原
ガーダシルでは別のアジュバントが使用されていますが、マウス実験などを含めて良いワクチンだと言えますか?
角
はい。従来のアジュバントよりも良い結果です。
原
データからは、極めて強い免疫反応が生じているかと思いますがどうでしょうか?
角
単純にそう判断は出来ない。
原
改めて確認しますが、教科書的には自己免疫疾患の中には、ワクチンで発症するような疾患も含まれますよね?
角
それは麻疹ワクチン接種後の、SSPE(亜急性硬化性全脳炎)のことではないでしょうか?
原
分子相同性やエピトープを考慮すると、何らかの原因で自己免疫が活性化することはあり得るのでは?
角
あり得ます。
原
高橋先生(静岡てんかん・神経医療センターてんかん科高橋幸利)によると、HANS(HPVワクチン関連免疫異常症候群)の患者では髄液中のIgGが高値。
つまり炎症があるのでは?
角
高橋先生がその後に投稿した論文では有意差はなかった。
高橋先生がその結果をアップデートして、ご自身でその結果を否定しています。
原
中山先生の論文です。
これはサーバリックスを接種したマウスでは、強い炎症を起こしたことが報告されています。
サーバリックスは炎症を起こしますか?
角
接種部位には炎症を起こします。
ただしこの調査では、接種した腕の反対の腕も調べています。
そこには炎症所見はありませんでした。
HANS(HPVワクチン関連免疫異常症候群)のような全身性の炎症であれば、反対の腕にも炎症所見はあるはずです。
原
ふーーーん(大きな声で)
で、末梢で自己抗体を産生するならば、BBBを通過する可能性もあるのでは?
角
脳特異的な自己抗体を産生していれば、それは生じ得る。
ただし、原告が主張するHANS(HPVワクチン関連免疫異常症候群)にはその根拠はない。
原
絶対に生じない、と断言できますか?
角
断言は出来ない。
実験室でのレベルなら、生じさせることは既に可能です。
原
次はガーダシルの添付文書です。
重篤な副反応に、ギランバレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、特発性血小板減少性紫斑病などが挙げられていますね?
サーバリックスでもそうです。
副反応と明確に記載されています。
角
因果関係が不明な、有害事象です。
原
サーバリックスは、因果関係はあくまで不明としながらも
ギランバレー症候群
多発性硬化症
ループス腎炎
高安病
SLE
などを副反応として挙げています。
角
これらは論文などで医学的な因果関係が否定されており、副反応ではなくあくまで有害事象。
原
ではアメリカでのHPVワクチン訴訟で、認められた1例です。
この女性は分子相同性によって、HPVワクチンによって自己タンパク質が攻撃されて、致死的不整脈を生じました。
そう記載されています。
つまり、分子相同性によるHPVワクチンの障害は認められています。
GSK弁護士
異議あり。
本当に根拠のある文献なのか?
角
これは子宮頸がんのワクチンに反対する一般書籍から拾い上げてきた、根拠不明の文献ではないか?
原
ご存じないんですか?
既に分子相同性によるHPVワクチン被害は、示されているんですよ。(ただしここで文献は提出しない)
角
そう主張されるなら、判断はできません。
原(壮年の痩せぎすな男性弁護士が再び登場、ここからが最大の見せ場の一つ)
HPVワクチン接種率が低迷すると、その結果で若年世代の日本人女性25000人が余計に子宮頸がんを発症して5000人が死亡する。
その主張で間違いないか?
角
そうなるだろう。
原
HPVワクチンの効果は一生涯に渡って継続する。
間違いなくそれは証明されているか?
角
それを証明するのは無理でしょう。
ワクチンの効果が、一生涯に渡る事を証明するなんて。
原
生涯に渡って効果があるかどうか、臨床試験で示されていないんですか!?
角
されていません。
しかしながらワクチンの効果というのは、、、、
原
質問にだけ答えろ!!!
GSK弁護士&裁判長
回答を途中で妨げないでください。
原
芸能人に、高橋メアリージュンという方がいますね。
この人はHPVワクチンを接種したにも関わらず、子宮頸がん発症を公表しています。
ワクチンを打っても、子宮頸がんになる事があるんですか!?
角
あります。
原
いま日本で行われているHPVワクチンのキャッチアップ接種。
1997年から2008年生まれの女性が対象ですか!?
それでよろしいですか!?
角
あなたが計算したら、そうだったのでしょう。
であれば、それが正しいのでしょう。
私はその計算を瞬時に行うことは出来ません。
原
提示した文献では20歳を過ぎていればHPVワクチンの効果は不明です!
キャッチアップ接種の世代の21歳でも効果は不明です!
角
性交渉の経験の有無によって効果は異なるので、その文献では効果がないとされているのでしょう。
私はその文献を読んでいないから分かりませんが。
原
HANS(HPVワクチン関連免疫異常症候群)の存在を訴える医師らに対して、証人は反ワクチン主義者と主張していますね?
角
ちょっとそれは分からない。
原
証人はyoutubeで発信しています。
そこで我々弁護団を"反ワクチン"と紹介しています。
そうですね?
角
覚えていません。
原
では、証人のyoutube動画の書き起こしを提出します!
(ここで反ワクチンさんもそうでない方も、現場で笑いが生じる)
ご確認ください。
証人は反ワクチン、と発言していますね?
あなたは我々を反ワクチン、としてレッテルを貼ろうとしています。
GSK弁護士
異議があります。
原告代理人の質問は、どういう意図でしょうか?
裁判長
全く同じ疑問です。原告代理人の意図を伺えますか?
原
角田証人の信用性に関わる質問です。
我々を反ワクチンなどと称する人物が裁判で証人を務めるのは、、、
裁判官たちが審議に入る。
会場は思わず笑っちゃう人が多数。
そして、、、
裁判長
原告側代理人に質問です。
証人がyoutubeで反ワクチンと発言したことに問題があると?
原
そうです。
裁判長
証人が今回の弁護団を反ワクチンと称したのか、一般的な反ワクチンとされる層を批判したのか。
証人に確認しましょう。
角
私は原告側代理人を反ワクチンと批判しましたが、訂正させてください。
反HPVワクチンです。
裁判の手続きにおいて可能なはずです。
ここでまさかの法廷での反ワクチン騒動を終えて、また15分間の休憩。
会場では原告支援者が
・ワクチン被害が拡大しているのに、国は何もわかっていない
・国や製薬会社は早くワクチン被害を認めて、早く裁判を終わらせるべき
・こんなのは薬害に決まっている
・ワクチン被害者がいるのに、こんな答弁をするなんてありえない
・HPVワクチンの被害者への治療薬を、早く開発すべき
などの声が聞こえる。
裁判再開かと思いきや、ここでまた揉め事が発生。
あと15分で裁判を終了させろと主張する原告弁護団、30分は答弁させろと主張する被告弁護団。
福岡地裁では、、、!
椿証人の際は、、、!
おもちゃの取り合いのような口喧嘩。
飛び交う怒号。
いい年の大人たち(しかも弁護士)が。
もう勘弁してくれ。
朝の9時台からもう16時間過ぎまで拘束されているんよ、、、
ここで裁判長達が協議。
今回はとりあえずこのまま続行と。
なお余談だけど、裁判長たちの協議はドラマとかみたいに三人で頭を寄せ合ってヒソヒソ話をするんよね。ちょっと可愛い。
で、被告側証人の最後の答弁(ここからクライマックス)
GSK弁護士
まずは角田証人への尋問はこれが最後とする。
原告側代理人らも以前、そうしている。
こちらもそうさせていただく。それがフェアだ。
(原告弁護団から不満の怒声が飛ぶ、裁判長はスルー)
角田証人は、撤回された論文に関して十分に意見を述べる時間が与えられなかった。
改めて確認したいと。
角田Dr
例の論文を取り下げたワクチン学会誌の経緯には賛同している。
先ほどは原告代理人に妨げられたが、丁寧に説明したい。
原告らはワクチンの雑誌の編集者の利益相反を訴えているが、その編集長だけではなく外部の専門家を含めて検討され、当該論文には重大な問題があった。
その点に関して説明しようとしたが、原告代理人らによって、説明することを妨げられた。
編集長の個人的な利益相反だけによって、当該論文が取り下げられたわけではない。
GSK弁護士
高橋Dr(静岡てんかん・神経医療センターてんかん科高橋幸利)は、原告の主張を裏付けるような発表をしていますか?
角田Drの回答
高橋先生は最終的にこのように論文で発表されています。
HPVワクチン接種と、多様な症状との関係は不明。
子宮頸がんワクチン被害者連絡会に勧められて、認知機能検査などを勧められてたまたま受診した集団に過ぎない。
一般的な背景を持った女性集団とは言えない。
そして高橋先生はここまで言及していないが、もとのデータではこの女性たちは一般的な集団とは成育歴も異なる。
受診者の39例のうち18例が、成育歴に問題がある。部活で鬼コーチからのスパルタ指導や、両親の不仲や離婚、学校でのいじめなどの人間関係の問題。
長期に渡る成育歴の問題は、脳へのストレス要因となる。
より良いデータを得るためには、本来は対照群にも成育歴に問題のある方を設定すべきであった。
最後に細胞性免疫に関しては、主にT細胞が関与します。この異常はMRIなどの画像診断で、判断しやすいです。
液性免疫に関しては、主にB細胞や自己抗体が関与します。
HANS(HPVワクチン関連免疫異常症候群)の存在を主張したい方は、液性免疫による脳炎の存在などを主張します。
しかし、原告の弁護団が主張していた分子相同性の話は、あくまでT cellの話です。
いくら分子相同性仮説を主張しても、それはあくまで細胞性免疫の話です。
HANSでの液性免疫での話とはそもそも無関係なので、それをいくら主張したところで、原告らが示したい液性免疫によるHPVワクチン接種後の脳炎という結論にはたどり着けない。(ここで原告弁護団がざわつく)
原告が高橋Drの論文を提出していますが、高橋Drは原告らが主張するような主張はしていません。
現在の高橋Drは、当時とは主張を変更しています。
その仮説を支持するデータが、当初は少なかったためと考えられます。
データを収集していくと、当初とは結論が変更されることは科学の世界では当たり前です。
今回の裁判で原告代理人らが主張するような医学的主張を、高橋Drはもうしていません。
原告弁護団から質問あり。
裁判長らは1点だけ質問を許可。
原告代理人(矢吹弁護士)
先ほどの論文ではエピトープに関連して、免疫応答が生じて炎症が生じているのでは?
角田Dr
これ、先ほどは聞かれなかったのでお答えしていませんでした。
この時点での論文には明記されていませんでしたが、この論文発表ののちに判明しました。
T cellによる細胞性免疫による炎症なんですよね。
つまり、あなたがたがHANS説で主張している液性免疫とは関係のない論文なんです。
閉廷
これが今回のHPVワクチン薬害訴訟です。メモが追い付かない、理解できていないなどの点もありますが、ほぼ全容といってもよいかとは思います。
ある程度以上の理解力がある方ならば、このHPVワクチン薬害訴訟と弁護団の実態も伝わったかと思います。
医者から見れば、開いた口が塞がらないレベルの茶番に見えるでしょう。
この薬害弁護団を正義の味方として祭り上げてきたマスコミの方々も、まさかここまでとは思っていなかったのではないでしょうか。
マスコミ報道だけを鵜吞みにしていた一般の方々は、騙されたと思うかもしれません。
しかし、これがこの裁判の実態です。
HPVワクチン接種後に体調を崩した少女たちに向けてマスコミが旗を振って、結果的にこの裁判へと導いたのです。その責任は甚大ですが、反省や謝罪を表明したマスコミは皆無です。
もちろん厚労省にも大きな問題があります。
鹿児島大学病院や、信州大学病院もこの問題に関わっています。
現在、日本中の産婦人科外来では数多くの日本人女性が子宮頸がん・前がん病変と診断されて通院されています。そのうち、若い世代の女性たちは本来HPVワクチンを適切に接種していれば、そんな事態を避けられた可能性が極めて高いのです。
この裁判は2016年から開始され、既に10年間が経過しています。それぞれの地方裁判所の判決が出るのは2027-2030年ですが、タミフル薬害訴訟のように最高裁までいくならばまだまだ長期に渡ります。
原告やその関係者の方々も、一度はフラットな目線で上記の記録を参考にして頂いてもよいかとは思います。
超長文でしたが、ここまでお読みいただいてありがとうございます。
これは日本の数多くの女性たちの健康や命に直結する問題です。
一人でも多くの方やマスコミの方々が、この問題に関心を持つ契機になれば幸いです。