世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者が、ジャーナリストの鈴木エイトさんにテレビ番組の発言などで名誉を傷つけられたとして、計1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は31日、一部で名誉毀損を認め、11万円の賠償を命じた。X(旧ツイッター)やシンポジウムでの表現など3件については請求を退けた。
脱会を求める親族らから「監禁」されたと主張する原告の後藤徹さん(61)について、鈴木さんはテレビ番組などで、監禁ではなく「ひきこもり」などと表現していた。
一場康宏裁判長は、別の訴訟で後藤さんの主張を認める判決が確定していることを鈴木さんが知り得たとして「ひきこもりと信じたことに相当の理由があったとは言えない」と判断した。
判決後に東京都内で記者会見した鈴木さんは「論評ができなくなる判断で問題だ」と批判。後藤さんは「全面勝訴とは言えないが良かった」と述べた。双方とも控訴する意向を示した。