思い出映像、消失の危機 ビデオ「磁気ヘッド」保守終了
子供の成長が映ったホームビデオ、会社の過去のCM素材――。貴重な映像が消失の危機にひんしている。ビデオテープの再生装置の保守サービスが終了し、2025年以降に再生不能となるリスクが高まる。デジタルデータの保存も課題が多い。「21世紀の石油」と言われるデータの保存は盤石ではない。
「25年頃に磁気テープ内の視聴覚資料へのアクセスが失われる危険がある」。国連教育科学文化機関(ユネスコ)などは19年に...
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(更新)- 福井健策骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士分析・考察
USスチールに注目が集まっていますが、恐らく、こちらはもっと危機的です。 AIやDXのニュースが飛び交わない日はない現代。しかし21世紀の石油といわれ、その肝心の源泉である各分野のデータを保存し、修復し、利活用できる状態にする「デジタルアーカイブ」の活動は、しばしば官・民問わず後回しにされて来ました。再生の危機以前に、どこにどんなデータがあるかの整理すら道半ばなことが、内閣府知財本部の確認でも明らかになっています。 皆さんの家族や友人、あれほど大事だった時間が収められた映像やテープは、今どこでしょうか。休暇のほんの1時間を使って、探して並べて、今でも再生できそうか、ちょっと考えてみませんか。
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(更新) - 山崎俊彦東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授ひとこと解説
VHSはアナログの記録デバイスですが、デジタルの記憶媒体であってもこの記事にあるように、将来読めなくなる危険性があります。いわゆる「デジタルの劣化」です。年末の大掃除、職場からフロッピーディスク、MO、CD、DVD-RAMなど様々な媒体が出てきました。この中でかろうじて読めるのはCDだけです。ただし、プレスされたCDと異なり、CD-Rに焼いたものは数年で読み出せなくなることもあります。それ以外は、私のようなITを専門にしている人間でも壊滅的です。学生が「DVD-RAMなんて初めてみた」といったときには時代の流れを感じるとともに「デジタルの劣化」を強く感じました。
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