渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

漫画にみるキャンプ

2020年08月18日 | open
 


この漫画、最新刊の6巻まで読んだが、
ありきたりの超初心者むけの道具自慢
羅列漫画みたいな感じ。
そして、6巻に至るまで、ナイフについて
は一切本格的説明解説が出てこない。
他の道具の蘊蓄語りは延々とあっても、
ナイフについての使用方法や技法や
体験に基づくような解説は一切無い。
ありきたりに流している。
キャンプでナイフ等の刃物に突っ込まない
のって・・・。なんなのだろう。
鉈が出てきたが、それも軽く流していた。
作品中ではオピネル使ってた(笑)。
多分、登場人物は主人公も弟子もモノの
本を読んだりしただけの
受け売り知識と
視点と経験なんだろうな
あというのが
ブリブリに出ている漫画。実際にアウト
ドア雑誌を読みまくって知識を得たのが
主人公の設定キャラだ。
つまり、ベースは雑誌という人が書いた
「城内平和」の「予定調和」の御用記事
でしかなく、そこから脱して、生きた
自分自身の活力ある体験実績から得た
ノウハウというものが皆無なのだ。
まるでカタログ記事やとってつけたような
金太郎飴の製品紹介を続ける動画チュー
バーのつまらぬ動画と同質になってしまっ
ているのである。残念。

説教めいたシーンが多い割には、あまり
深さはない。
多分、作者自身がガチキャンの経験が薄い
まま、ネットや本で読んだだけの知識で
描いているのでもないだろう。作者は経験
は積んでいるようだ。
しかし、どうしても、作品から薄っぺら
感が払拭でき
ないのは何なのだろうか。
マナー論にしても、主人公の優等生ぶりも
何だか知らないが鼻につく。非常に。個人
的には好きではないタイプだ。
なんてのか、おためごかしのいい子ちゃん
のありきたりのモラル論ばかり並べてい
て、くっそ嘘くさいんだよなあ。
どういったらいいのか・・・。
バイク乗りは交通法規とマナーを守りま
しょう、40km/h道路では41km/hも出し
てはいけません、てな説教を延々とやって
いるようなそんな空気を出している漫画
なのね。
 
気づいた。
社会的視点が無いからだよ。
環境破壊されたのはなぜかとか、それを
やってきたのは誰かとか、環境を回復し
ようと努力しているのは誰か、とか。
後始末の悪い先行者に舌打ちするシーン
あっても、国家レベルでの環境破壊と
かには目が向かない。ただ外で飯食って
うめえ!と言ってるだけ。あと弟子への
物を分かったような説教が延々と続く。
主人公は
34才なのにジジイみてえだ。
マナー論に落とし込んだら、絶対に環境
問題は解決しないんだよね。
「ああいう奴らがいるから悪いんだ」に
なりかねない。自分もその中の一人だと
いうように刃を自分に向ける峻厳な自覚
が存在しない。
 
まあ、それも人それぞれだからいいけど、
キャンプから何
学んでいるのだろう。
作者の視点には、人と自然の共生は無く、
ひたすら逃避的に自己欲求として自然の
中で自分一人の飲み食いと次から次へと
道具買い欲求の楽しみを求めているだけ
だ。
それで、山の響きや風の声が聴こえるの
だろうか。
川のせせらぎのささやきが聴こえるのだ
ろうか。
 
良し悪しは試さないと分からない。
現発行既刊部分は全て自分で買って読んで
みた。
その上での感想だ。
 

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