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能登半島地震

2024年1月1日、石川県能登地方で最大震度7を観測する地震がありました。同地方では、23年5月に最大震度6強の地震が発生しています。

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学校統廃合で割れる判断 「10年早めた」災害の傷痕に、奥能登は…

能登半島地震で被災した校舎が使えず、新たに完成したプレハブの仮設校舎で授業を受ける児童ら=石川県輪島市の市立河井小学校で2024年9月2日午前10時29分、国本ようこ撮影

 2024年1月の能登半島地震と9月の豪雨で大きな被害を受けた石川県北部の奥能登4市町(輪島市、珠洲(すず)市、能登町、穴水町)。この地域では、かねての課題だった人口減少と少子化に拍車がかかり、教育関係者らは「問題の深刻化が10年早まった」と危機感を口にする。

 輪島市では災害復旧と並行して小中学校の再編計画の策定が進む。一方、珠洲市では街の復興拠点としての期待から、統廃合には慎重論が根強い。地震から1年の節目に、記者が現地を訪ねた。

輪島では6小学校が同居

 地震では、県内の公立小中高校と特別支援学校計344校の8割以上に当たる292校で、建物の沈下や天井の崩落などの被害が出た。

 特に最大震度7を記録した輪島市では、豪雨の影響も相まって、25年1月現在も全12小中学校中10校が近隣の学校を間借りしたり、仮設校舎で授業をしたりしている。

 市中心部にある市立河井小も地震で校舎が傾くなどし、使えなくなった。グラウンドにプレハブ造り2階建ての仮設校舎が完成した24年夏からは、近隣の小学校を含む6校が同居している。手狭で教室数が限られるため、複数の学校でクラスを編成し、約400人の児童が共に学ぶ。

 うち2校を束ねる山岸多鶴子校長は「授業や学校行事を一緒に経験していくなかで、子どもたちにも一体感が出てきた」と目を細める。

 緊急避難的な措置として始まった6校の同居だが、児童らが元の学校に戻れるとは限らない。

 少子化が進む輪島市では地震前の23年10月から、小中学校の再編に向けた議論が始まっていた。背景には、比較的規模の大きい学校への就学を望む保護者ニーズの高まりや学校施設の老朽化などがあった。具体的な検討に入ろうとしたところ、地震が起きた。

 市内の児童・生徒数は23年12月の1100人から、24年12月には782人となり、1年で約3割減少。災害で仕事や家を失ったり、安心して学べる環境を求めたりした世帯が、市外へ移住した影響とみられる。

地震で再編議論に影響

 専門家や住民でつくる検討委員会は24年11月、小中学校の再編案を答申した。市域を中央、東部、西部の3地区に分け、児童・生徒数が比較的多い中央、西部では小中学校を1校ずつに、東部は小中一貫校とするのが望ましいとの内容だ。

 答申通りなら12校が5校に統廃合される。河井小がある中央地区では、現在仮設校舎に同居する6校がそのまま1校に集約される形だ。

 関係者によると、中央地区については地震前、6校を比較的規模の大きい1校と小規模の1校に再編し、就学先を選択できるようにする案もあったという。

 しかし、児童数の大幅減に加え…

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