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今から宮澤賢治『永訣の朝』を例に用いて、 ①文語詩と口語詩との違い ②定型詩・自由詩・散文詩の違い を説明します。 ①文語詩と口語詩との違い ・次のA・Bのうち、口語詩はどちらか答えなさい。 【A】 けふのうちに とほくへゆかむとするわがいもうとよ みぞれふりきたればおもてあやしうこそあかけれ 【B】 けふのうちに とほくへいつてしまふわたくしのいもうとよ みぞれがふつておもてはへんにあかるいのだ 口語(話し言葉)で書かれているのは【B】です。 「けふ」「とほく」など、たとえ歴史的仮名遣いで書かれていても、文語(古語をベースとする書き言葉)で書かれている文語詩以外は「口語詩」となります。 ②定型詩・自由詩・散文詩の違い ・次のC・D・Eのうち、自由詩はどれか選びなさい。 【C】 あはれとし子よ いもうとよ 死ぬといういま たのむのか わたしをあかるく するために こんなさつぱり した雪を 【D】 ああとし子 死ぬといふいまごろになつて わたくしをいつしやうあかるくするために こんなさつぱりした雪のひとわんを おまへはわたくしにたのんだのだ 【E】 ああ、とし子よ。死ぬという今ごろになって、わたくしをいつしやうあかるくするために、こんなさつぱりした雪のひとわんを、おまへはわたくしにたのんだのである。 【C】は「7・5、7・5……」を繰り返す「七五調」で書かれており、「どんぐりころころ」や「うさぎとかめ」のメロディで歌うこともできます(笑)。 このような、定められた韻律にのっとって書かれている詩が「定型詩」です。五七五の俳句や五七五七七の短歌なども定型詩の一種ですね。 【D】は区切りのいい文節ごとに改行されてはいますが、文字数の決まりはなく自由に書かれています。また句読点も打たれていません。これが「自由詩」です。 【E】は改行がなく、句読点があり、一見すると作文のようですが、その内容には詩情が感じられます。このような詩が「散文詩」です。 さて、高村光太郎「レモン哀歌」は以下のような詩です。 そんなにもあなたはレモンを待つてゐた かなしく白くあかるい死の床で 私の手からとつた一つのレモンを あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ …… もう分かりましたね。 レモン哀歌は【B】+【D】、つまり「口語 自由詩」です。
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質問者からのお礼コメント
先生とは比にならないくらい、とても分かりやすかったです! 本当にありがとうございました!!
お礼日時:2018/12/2 22:58