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「被告は遺族に5510万円払え」判決もどこ吹く風 犯人の家族は無借金で家を構え、1円も支払わず 司法に置き去りにされる犯罪被害者の遺族

 穂積服役囚は当時、無職で、家庭内暴力を繰り返していたため、両親や妹は家を出ていた。いったん、いくばくかの現金を送られたが、すぐに使い果たし、警察に電話したのだった。

 公判になってから、穂積服役囚は起訴事実を否認。だが、一審も二審も判決は無期懲役。判決は平成19年に確定した。

 「私は家族を2人殺されたんです」

 そう渡辺さんは言う。穂積服役囚は、一審の横浜地裁で判決が言い渡され、退廷する際、傍聴席に向かって「おまえが迎えに行かなかったから娘は死んだんだ」と叫んだのだ。

 妻の啓子さんは事件直後からふさぎ込んでいた。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、心療内科に通っていた。渡辺さんは啓子さんの手首に何本も傷があり、娘の名前を呼ぶ姿を何度も見ている。

 啓子さんは平成18年8月、自宅の最寄り駅である相鉄線三ツ境駅近くの踏切で電車にはねられて亡くなった。享年53歳。

 「娘を殺された親ほど、つらく悲しいものはありません」と意見陳述書を横浜地裁に提出していた。

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