物流網を、止めない。24時間体制で貨物列車の大動脈を守る

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──所属する部署やそこでの仕事の内容について教えてください。

私は運輸部指令室に所属して、主に貨物列車の運行管理業務を担当しており、事故や災害などにより列車ダイヤが乱れた際に、通常の運行状態への復旧を目的とした一連の運転計画変更・調整を行っています。全国に配置している各支社支店指令との連携のもと、適切な指示を出し、コンテナや貨車の効率的な操配を行うことで、貨物列車の円滑な運行の確保に努めています。

本社指令の運営は24時間体制です。具体的には、泊まり勤務者2名と日勤者1名の計3名で業務を遂行しています。各担当の役割分担は明確に定められています。著しい遅延や自然災害などの緊急事態が発生した場合はチーム全体で柔軟に対応しますが、通常時においては、コンテナの操配、貨車の操配、そして運行管理の3つの業務を各担当者が行っています。

時間帯によって業務の内容も変化し、日中はコンテナや貨車操配の業務が、夜間は主に運行管理の業務が中心です。

──運行管理業務では、具体的にどんなことをしていますか?

JR貨物では、先進的な情報システムを活用し、効率的かつ戦略的な対応を行っています。鉄道コンテナ輸送管理システムである「IT-FRENS&TRACEシステム」、「TID(列車位置把握システム)」、「Stella(機関車位置表示システム)」などを使用し、各列車の位置情報や遅延状況をリアルタイムで把握しています。これらの情報をもとに、列車ごとの積載貨物の特性を考慮した指示を行っています。

──仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

貨物列車の運休を可能な限り回避することを重視しています。貨物列車網は全国規模で展開されているため、局所的な障害が全国的に影響を及ぼすことが少なくありません。

たとえば、広島で人身事故が発生した場合、その影響は東京発着の列車にまで波及する可能性があります。物流網の安定性を維持し、お客様の信頼に応えるために、常に全国的な視野を持って状況分析と迅速な判断を行いながら運行管理業務に当たっています。

貨物ターミナル駅から指令室へ。物流の最前線で培ったキャリア

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──入社までの経緯について教えてください。

学生時代は物流系企業を志望していました。全国規模で事業展開する企業で働くことで、大きな視野と経験を得られると考えていたからです。

また、中高大と学生時代に貨物駅を通りながら通学していたこともありを、私にとって幼いころから鉄道業界が身近な存在だったことが、物流を扱う企業の中でもとくに鉄道輸送に興味があった理由です。

JR貨物の存在は以前から認識していましたが、大学での企業説明会に参加したことが直接的な入社のきっかけです。具体的な業務内容やキャリアパスについて採用担当者に尋ねた際、非常に丁寧かつ親身な対応を受けて不安が払拭され、入社を決意しました。

当時、全国転勤があることに不安がありましたが、いまでは全国各地に配属されている同期の存在をとても頼もしく感じています。広範囲にわたるネットワークがあるのはJR貨物だからこそ。出張や旅行の際には、各地の同期と交流するなど、業務面でも私生活面でも大きな支えとなっています。

──入社してからどのような仕事を経験してきましたか?

数カ月の研修を受けた後、新潟貨物ターミナル駅に配属されました。営業フロント業務担当として実務経験を積み、貨物の受け渡しに関する基本的なオペレーションを習得しました。その翌年に本社の運輸部指令室への異動が決まり、現在に至るまで貨物指令業務に従事しています。

これと並行して、2023年10月からはコンテナ担当としてダイヤ改正業務も兼務してきました。本社および各支社の改正担当者と連携しながら、列車の発着駅の最適化や輸送力の効果的な配置変更などを通じて、会社の収益増加につながる施策の立案・実施に取り組んでいます。

──これまでのキャリアで印象に残っていることを教えてください。

新潟赴任時の冬の業務がとくに印象深いです。激しい降雪によって視界が遮られる中、貨車上の貨物の安全性確認を行う必要がありました。新潟貨物ターミナル駅のスタッフ全員が一丸となって対応し、なんとか定時運行に成功。共通の目標に向けて協働したことで、大きな達成感がありました。

本社への異動後は、まず、全国の駅名を覚えるのに苦心しました。また、取り扱う列車本数が新潟時代とは桁違いです。新潟では担当する駅発着の列車情報のみで業務を遂行できましたが、本社では全国の列車情報を網羅的に把握する必要があるため、非常に苦労しました。

とくに指令室の業務は、先ほどお話ししましたが泊まりとなるため、仮眠交代の関係で夜間に単独で勤務する際の不安が当初は大きく、緊急連絡がないことを願うばかりでした。

指令室の業務におもしろさを感じられるくらい慣れてきたのは、配属から約半年経ったころからでしょうか。当初は支社からの問い合わせに即答できず、判断が遅れてしまうこともありましたが、列車運行に関する知識と経験が蓄積されるにつれ、徐々に優先順位づけや意思決定ができるようになっていきました。とくに、運休の危機を回避できた時の達成感は格別です。運輸部ならではの醍醐味を実感する瞬間でした。

身についたのは、全国物流網を俯瞰する眼。ダイヤ改正業務が育む高い視座と戦略的思考

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──昨年から携わるようになったダイヤ改正業務についても詳しく教えてください。

ダイヤ改正は、お客様のニーズにもとづく輸送需要に対応した輸送力の提供を図り、また効率的な輸送計画の実現を目的として、実施しています。

新しい貨物に対応する列車の設定や、特定の駅で荷役するための停車要請など、営業部門から寄せられるさまざまな要望を実現可能な運行計画へと具体化することがダイヤ改正におけるコンテナ担当の役割です。列車ダイヤを作成する運行計画担当と連携しながら、各駅における作業スケジュールの調整を行っています。

また、支社との改正会議をおおむね1カ月間隔で実施していますが、会議間の空白期間が長いため、定期的な情報共有と進捗管理を心がけ、業務上の不明点や疑問点がある場合は、先輩後輩にかかわらず遠慮なく質問するようにしています。

支社の担当者は経験豊富なベテラン社員ばかりですが、本社としての立場を貫き、承認できない事項に関しては、その旨を明確に伝えるよう努めています。

──ダイヤ改正業務を通じて、どのような学びがありましたか?

通常の指令室の業務と違い、ダイヤ改正業務には営業的な視点も求められます。改正業務を通じて、お客様のニーズに即したサービスを提供することの重要性を理解し、より包括的な視野を養うことができました。

また、ダイヤ改正業務では、全国規模の輸送ネットワークを俯瞰する必要があります。これはまさに私が入社時に携わりたいと考えていた仕事です。業務に取り組む中で事業への理解が深まり、マクロな視点が身につきました。自身の確かな成長を実感しています。

──JR貨物で働くやりがいをどんなところに感じていますか?

鉄道会社は保守的な組織というイメージを持たれがちですが、現在のJR貨物にはその印象は恐らく当てはまりません。業績改善に向けて組織的な変革を推進しているため、変化に対する抵抗感が低く、新たな取り組みに対して非常に前向きな雰囲気を感じています。長い歴史を持つ企業でありながら柔軟性がある点に、JR貨物の大きな強みがあると考えています。

JR貨物だからできる多角的なキャリアの実現に向けて

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──今後の展望を聞かせてください。

現在、ダイヤ改正業務において、より多くのお客様にご利用いただけるよう、貨物列車ならではの強みを生かせるような列車設定の実現に向けて調整を進めています。この案件を成功へと導くことが、私の当面の目標です。

また、私は駅から直接本社へ異動したため、支社での勤務経験がなく、現場への直接的な指示系統を経験していません。より広範な業務知識を習得するために、いずれは支社での担当者として、現場との調整業務に携わってみたいと考えています。

さらに、JR貨物は鉄道事業を軸としていますが、不動産など多角的な事業展開を行っています。将来的には、異なる事業分野にも挑戦してみたいです。

──最後に、学生や求職者の方に向けてメッセージをお願いします!

JR貨物には、個人の意見や創意工夫を尊重し、積極的にチャレンジできる環境があります。明確な意思を持ち、主体的に業務に取り組める方に適した職場だと思います。

一方で、最適な列車運行を実現するには、さまざまな部署との連携が欠かせません。周囲の意見に耳を傾ける姿勢が非常に重要です。確固たる意見を持ちながら、チームワークも重視できるバランス感覚のある方々の参加をお待ちしています。

※ 記載内容は2024年7月時点のものです