環境的課題や人手不足。物流業界の課題を改善する「鉄道輸送」という切り札
──現在の仕事概要を教えてください。
現在は、本社営業部に所属しています。営業部は、さらにお客さまの事業ジャンル別にグループに分かれていて、私は「流通・機械産業グループ」のメンバーです。主に食品・飲料系メーカーを担当しています。
営業のミッションは、貨物鉄道輸送の利用数を増やすこと。「鉄道で荷物を運びたい」という日本全国のお客さまとコミュニケーションをとり、スムーズな物流を支えます。現在の私の業務は、既存のユーザー様とやりとりすることがメイン。お客様によって、輸送区間やお荷物のボリュームはケース・バイ・ケースなので、条件に合ったベストな提案を模索しています。
──お仕事をする上で大事にしている価値観は?
「どんな時も誠実に取り組むこと」ですね。時期によってお問い合わせが重なると、かなり忙しくなりバタバタしてしまうことがあるんです。そんな時でも真面目に、真剣に取り組みます。
お客さまは当社を選んで声をかけてくださったわけですから、ご期待に沿えるよう、信頼を失わないようにすることが大切ですよね。何か困った時は先輩方が助けてくれるので心強いです。
──貨物鉄道を使った輸送には、どんなメリットがありますか?
最近、物流業界では「2024年問題」といって、働き方改革によってドライバーの労働時間が制限され、トラックのドライバーが足りないなどの課題が出てきています。
たくさんの荷物を効率よく運ぶために、一部の区間を鉄道で輸送することを解決策のひとつとして提案しています。また、昨今では、CO₂の排出量の報告義務を課されている企業様や、SCOPE3を意識している企業様が多いので、「トラック輸送を鉄道輸送に切り替えると、これだけ環境に優しい輸送ができますよ」とご案内することも増えています。
貨物鉄道という手段を選んでいただくことで、お客さまのお悩みを解決できると思うので、積極的に提案を行う毎日です。
就職活動時の決め手は、社員の優しい人柄
──何が決め手となりJR貨物を選んだのでしょうか?
もともと、鉄道・物流に限らず、幅広くインフラ系を志望していました。日本貨物鉄道を知ったきっかけは、駅で貨物列車を見かけたこと。JR貨物という名前はうっすら知っていたので、興味が湧き、大学の合同説明会に出ているブースを見に行ったんです。当時は女性社員が今より少なかったからかもしれませんが、合同説明会に一度行っただけで人事の方々に顔を覚えてもらえたのが印象的でした。
そこからさまざまな社員と関わるうちに、温かい人柄が伝わってきて、働きやすそうな会社だなと感じるように。就活って、どうしても「振り落とす」イメージが強かったので、「この間も来てたよね」と声をかけてくれたり、親身に話を聞いてくれたりする皆さんの優しさが心に沁みました。
──2017年に入社された時点で、「こんなことに挑戦したい」というビジョンはありましたか?
具体的な部署の希望などはありませんでしたが、せっかく鉄道関連の会社に入社するからには、少しでも鉄道に直接関われる職種であればおもしろいかなと考えていました。運行ダイヤ関連の仕事をしたり、鉄道という商品をお客さまにご提案したり……。そのため、営業職として働けることになった時はうれしかったですね。
──初任配属は、大阪府の吹田貨物ターミナル駅でした。どのような仕事を担当したのでしょうか?
最初の配属先は、同じ営業と言っても今とはかなり毛色の違う業務でした。担当していたのは、窓口業務。列車に載せる荷物を調整したり、出発前の列車に載っているコンテナがきちんと問題なく載っているかを点検したり、実地で手足を動かすような業務が多かったです。
私はもともと鉄道の世界に詳しいわけではなかったので、たくさん勉強が必要でした。鉄道用語や運行関連の一般知識は新人研修で教わるのですが、現場で先輩から学ぶべきことも多々ありましたね。
──翌年からは岡山に異動していますね。
はい。山陽の東側エリアを担当する岡山支店では既存のお客様や利用運送事業者の方々へご利用を増やしていただけるようにアプローチをかけました。そして、2020年には関西支社の営業部に異動して、金沢、四国、広島などの5支店の営業をまとめて見る職場に。支社全体の営業戦略を検討していく様子を間近で勉強し、営業活動においてはより広い視野をもって取り組めるように意識しました。
──いろいろなエリアに配属されていますが、異動は苦ではないですか?
引っ越しは物理的に大変ですが、むしろ楽しく感じています。自分にとっては初めての知らない土地でも、職場の方がその土地の出身であることが多いので、プライベートもひっくるめてたくさん面倒を見てくださいます。
入社して初めて一人暮らしをすることになりましたが、同期や年次の近い仲間、先輩・後輩などと一緒に寮で生活できたおかげで、不安もなかったです。
異動直前に豪雨災害。イレギュラーに立ち向かう先輩社員の姿に感銘
──これまでのお仕事の中で、とくに大変だったことを教えてください。
思い出すのは、2018年の夏のことです。8月に大阪から岡山に異動となったのですが、ちょうどその1カ月前に、岡山で豪雨災害がありました。その影響で広島地区の線路が流されてしまい、100日間その区間を使った輸送ができないという事態になったんです。
岡山地区では災害を受けて、東から来る荷物を船やトラックで広島・九州地区へ運ぶための拠点となり、長期にわたりイレギュラーな対応を行っていました。
当時、異動したての私はどうしていいかわからず、まずは代行トラックの誘導などの現場仕事を手伝うところからでした。しかし職場の皆さんは、緊急対応のため、ほぼ寝ずの状態で仕事をしていました。いつ通常の運行が再開できるかもわからない中で、今日できることは全部やろうという強い決意で、前向きに仕事に取り組んでいたんです。
その様子を間近で見て、「こういう人たちがいるからこの職場は成り立っているんだな」と痛感しましたし、自分も真摯な姿勢を大事にしたいと強く思ったのを覚えています。もう6年くらい経ちますが、あの時の先輩方の姿が、いまだにモチベーションの源になっています。
──自身の成長を実感したエピソードもお聞きしたいです。
大阪時代に、ある会社の物流部門の方から「御社の鉄道を使ってみたい」という問い合わせをいただきました。航空貨物を取り扱っている部署の方で、輸出する荷物を空港まで鉄道で送るスキームを作れないか、というご相談でした。空港が関わると、当社が通常やりとりをしていない省庁へ確認する必要があったり、税関手続きの勉強をしたりといろいろな壁があったのですが、お客さまと一緒になんとか粘って実現に至りました。
ご相談から輸送開始まで2年ほどかかりましたが、最終的に事業としてスタートさせることができ、プレスリリースも発信しました。この取り組みがきっかけとなり社内で私の名前を知ってくれた人も多く、達成感を得られた案件です。
人々の生活を陰で支える仕事。これからも責任感と誇りを胸に
──社内のメンバーとは、気軽にコミュニケーションをとれる環境ですか?
同じチームの方々はもちろん、業務で直接関わらないメンバーとも、クラブ活動などで交流しています。私は、学生時代にフルートを演奏していた経験を活かして、音楽部に所属しています。貨物駅の一般公開イベントなどで演奏すると、盛り上がるんですよ。クラブ活動は正式な福利厚生の一環として用意されていて、部署や役職を超えたコミュニケーションのきっかけになっています。
──では、今後の目標を教えてください。
今の職場に来てまだ1年なので、引き続き自分が担当させていただいているお客さまとの関係構築を進めていく所存です。先ほどお話ししたプレスリリースを出すことができた案件のように、広くお知らせができ、評価していただけるような取り組み事例をもっと増やしていけたらと思います。これからも、自分の経験値を高めて、お客さまにいいご提案ができるよう頑張ります。
──最後に、入社を検討している方に、メッセージをお願いします。
この仕事の醍醐味は、やり方に正解があるわけではなく、選択肢の可能性がたくさんあること。先輩方の経験値を借りながら、お客さまと一緒に悩みつつアプローチを決めていけるのがおもしろいですよ。
貨物列車は夜中に走っていることが多いので、当社の存在自体を知らなかった方もいると思います。そもそも物流の仕事は、なかなか表舞台に出てこないですし、トラブルなどで荷物が届かない時に初めて意識されるような陰の仕事なのかなと感じます。でも、現在の私たちの生活になくてはならない仕事。そこに誇りをもって、真摯で堅実な仕事ができる方と一緒に働けたらうれしいです。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです