高校探究ゼミ「未知の言語を調べる」第3回 最高の調査票は調査が終わったときに完成する
全4回の探究ゼミ第3回。前回のゼミでは調査の体験(聞き取り)の後に調査票を作成した。
今回は実際の調査を行った。ただし前回の最後に書いたように時間不足で文レベルの聞き取りができなかったので,デモンストレーションもかねて私がコピュラ文と2項動詞(主格・対格)の肯定文,否定文をやった。
これも受講生たちがただ書き取るようになってはいけないので,私が1〜2回やったら代わりにやってもらい,質問→書き取り→確認(マネ)という流れを確認した。ただ音声の注意点はけっこう忘れられてた(1回じゃ覚えられない)ので苦戦したかな。予想外だったのは口の丸めが意識化するのが難しいことだった。たしかに脳のリソースは聞き取りに持っていかれるし,表記法も慣れてないからしょうがないところか。
授業開始が遅れたこともあり,開始から20分ほど経ってからグループでの調査セッションに入った。調査セッションはあらかじめ4グループを2グループずつに分け,話者を割り振り,10分交替でグループ単位で調査した。ちなみにあまった方のグループはその10分で調査項目の確認だったり聞き取った単語や文の確認(すり合わせ)などをやってもらった。結果として1グループあたり30分(3セッション)できた。
調査項目は「存在」「疑問」「時制」「数量」だったけど,どちらかというと主に引っかかったのは以下の音声面だった。
[ə]と[u]の区別
[l]と[r]の区別([r]は[ɾ]もある)
音節末の[p, t, k, m, n, ŋ](unreleased)
ちなみに少し強調したのは筆記用具にペンを使うことだった。理由は単純で,消しゴムで消して書き直す時間が惜しいから。これはけっこう普通の授業でも言えることだと思うのだけど。
音声と関係して興味深かったのが表記で,基本的に日本語のローマ字表記で書くことを強調してなかったのでとりおり英語の表記が入っていた。例えば(具体的な単語は違うけど),「コップ」はgelas [gəlas]だが,gelathのように表記していた。たしかに外国語と言えば英語なのでそういう表記も分かるが,この辺は「英語から自由になろう」ぐらい言っても良かったかもしれない。もっとも話者の1名は媒介言語がほぼ英語だったのでちょっとそういう意味では難しかったかもしれない。
また,調査をしていて気になったのは質問してから書き取りに集中してしまいあまり話者の方を見てなかったことだ。それをしないと上の母音の違いなんかはけっこう苦戦する。これはほぼローマ字で速く書くのも慣れてないからしゃあないところなんだけど(もちろんアドバイスした)。
こうして調査している間,私は調査をやっているグループに入って聞き取りのアドバイスをしたりときには代わって調査したり,休憩のグループのノートを見せてもらって補足の調査項目について話したりしていてけっこう忙しかった。それでも初めての調査にしてはよくできていたと思う。
次回はまとめとして紙に色ペンを使って自分たちの調査内容と結果をまとめてもらい10分程度でプレゼンしてもらう予定にしている。ちなみにパワポは使ったことあるようだけどたぶんタイピングに時間がかかるので使わない。全体のふり返りを入れるかがちょっと悩むところで,入れてもいいのだけどただ感想を書かせても「いい子ちゃん」的になってしまうので何か工夫が必要なのは間違いない。



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