高校探究ゼミ「未知の言語を調べる」第2回 詰めすぎだよ人生は
全4回で行う高校の探究ゼミの第2回だった。
今回は「テーマを考えて準備する」という予定だったのだけど,結果から言うと時間の見積もりを誤ってしまい消化できなかった。まず,理想的なプランは次のとおりだった。
10分 言語・地域の説明
30分 基礎単語の聞き取り
15分 名詞句,基本語順を調べる(聞き取り+考察)
45分 調査票作り
どうだ,見事な机上の空論ぷりだろう。55分+10分休憩+55分なので10分あまるぞ。だが実際の進行はおおよそ次のとおりだった。
25分 調査の心得の説明
30分 基礎単語の聞き取り
15分 音声の注意点
40分 調査票作り
どうしてこうなった。
ノートがないじゃん
このミスは準備段階までさかのぼる。まずフィールドワークの記録をどう取るかという話になるのだけど,私の場合,アクセント型であればPCに打ち込むことも多いが調査票に手書きをすることが多く,そこにノートを併用することもそれなりにある。結局何かしらノートを使うのが一番融通がキックのだけど,新しいノートを準備するように伝えていないので,この案は取れない。
それに準備で伝えることもあるし,ということで今回は調査ノートというのを作り,そこに配付資料に書くようなことと自由記述欄を設けた。
このノートはかなり急ごしらえで,とても恥ずかしい内容なのだけど,目次はだいたい次のとおりだ。ちなみにせっかくWordの見出しを使ったのに配布したバージョンでは章番号を付けるのを忘れていたというorz。
調査の心得を追加
資料を作り始めて一番「あっ!」と思ったのは調査の手順や注意点についての説明を第1回でしていなかったことだ。実際の調査はたった1回だけど,やはり調査をされるということが迷惑なことなんだというのは一度耳にしておいてほしかったので,資料もそこそこ書いたし,授業でもけっこうここの説明に時間を使ってしまった。
ちなみにその分地域の説明は非常に簡潔になった。うーむ。
聞き取りで現場っぽい要素を入れた
基礎単語はスワデシュ・リストとAA研の調査票(2000年版)の話をしてから14語だけ抜粋して聞き取りをした。今回は話者がいないのでこちらで用意した音声の聞き取りになる。はじめの2〜3語はとても単純だと思ったのでまさに語学の聞き取り問題(ディクテーション?)のような進み方になったのだけど,やっていて「これは現場じゃない!(バンッ」となって,
マネをして話者への確認をする
修正して確認をする
という基本的な流れを説明してそれっぽく実演したり,話者は正解はこれと言ってくれるのではなく,音声を言ってくれるだけ(人による)だという話を入れたりした。さらにお互いの答えを確認して(そういう授業なんだから当たり前),同じ音声でもバリエーションが出るねえとか,なんでそういうバリエーションになるのかなんて話をしたら14語でも30分近くかかった。
文法関係はまとめて次回にして調査票作り
この時点で文法(雑だ。形態論・統語論)関係のことは全て次回に実演するから持ち越すことにして,続きとして最低限の音声の解説を入れてから調査票を作ることにした。今回の授業で扱う項目は以下の4つである。
時制
疑問文
存在表現
数量
今回の授業では話者の方が英語を基本として,日本語は一部だけ使えるということなので,調査票を作るときには自分でコントロールできるような英語にするよう伝えた。これがいいことなのかは分からないけど。
調査票はグループワークで作るが,まず最初に個人ワークで文の案をいくつか練ってもらった。ちょっとすぐに文献が出てこないが,いきなりグループワークをやるより個人ワークを最初に入れた方が成果が出るという報告があるのでそれに従っている(個人的にもその方がしっくりくる)。
グループワークの時間,私はグルグル回ってアドバイスを入れたり質問に答えたりしていたが,このゼミでは(私が決めた)正解に近づくことより,自分たちで考えたこともなかったような文法について考えて聞いてみる(そしてたいせい音声に苦悩する)という体験が大事なのだと考えているので,あまり誘導しすぎないようにした。
みんなそうやって試行錯誤してくれているけども,やはり「文」の意識がマチマチではあるので,ちょっと説明が必要なのかなと思った。当然ながらパラダイムを作るというかそういう発想にはなかなかならないよねえとか経験を積んだ方なら気になることがいくつか出てきた。もちろん上の理由でそこに誘導していない。
その辺の総括は最終回にでもできればと思う。
いずれにせよかなり詰め込んで(そして消化できない)まま調査に突入となる。次回は私のデモンストレーションからやる予定なのでそこで十分にカバーしなくては〜。



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