本文へ移動
朴美姫のもっと知りたい、韓国の魅力

韓国で「近親相姦」が存在した理由とは?

2014年4月22日

◆韓国で「近親相姦」が存在した理由とは?



韓国の人口約5千万人の中、「本貫」を「金海」とする「金海☆金氏」は「約413万人」(2012年統計)。この約413万人同士は血の繋がった「一族」なので縁組できない。このような社会・文化の中で生まれ育った「朴」なんですが…(いくらなんでも縁組できない一族の範囲が広過ぎると思わない???)


留学時代、『文化人類学』の授業を通じて、

≪「親子」「兄弟姉妹」など血縁関係の近い男女の間での性交渉又は婚姻を「近親相姦」(インセスト☆Incest)と言い、「近親相姦の禁忌」は「インセスト・タブー☆Incest Taboo」と言う。多くの社会ではインセスト・タブーが存在するが、何を近親相姦とするかは民族や文化により異なり、禁止の範囲は社会によって様々である……云云≫

との縁組の理論と実態を知り、「世の中一体どうなってるの???」と人間社会に懐疑を抱いてはいたものの、「朴」の興味は≪「チンパンジー」の婚姻形態は「乱婚制」をとっていて……云云≫との他動物の婚姻(?)にまで広がった。

それはさておき、とっくの昔ですっかり忘れていたことなんだけど、「朴」の高校時代の歴史の授業で、

≪「新羅時代紀元356~935年」には「聖骨 성골 ソンゴル☆両親が王族の者」、「真骨 진골 チンゴル☆片親が王族の者」という「骨品制(身分制度)」があり、王族が血統の純血性を保ち、同族による主権を長い世代にわたって維持するための「族内婚」が行われていた≫

と教わっていたんだよ~。

「族内婚」という響きの良い用語で教えられたので、気づいていなかったけど「近親相姦」(インセスト☆Incest)が行われていたってことだよね~。

『善徳女王☆선덕여왕 ソンドンニョワン』は、韓国のMBCテレビ局制作。日本ではKNTVを始め、BSフジで2009年10月~2011年1月に放送された朝鮮半島初の女性統治者となった「新羅」27代「女王(632~647年在位)」の一代記を描いた時代劇。歴史は事実で、ドラマはフィクションではありますが、『善徳女王』は王室や「화랑도花郞道」(日本の武士道みたいなものかなあ~?)、歴史的な事件、当時の風習、国民の生活の様子などが生々しく再現されているとの評価を得ているドラマ。

「近親相姦」が「核」になってるところもありますので、見ていない方は必見ですよ~!!

「善徳女王」で使われたミシル宮のセット、太鼓橋は何度も登場した=新羅ミレニアムパークで


『千秋太后☆천추태후 チョンチュテフ』、「高麗時代(918~1392年)」の女傑「千秋太后」を主人公とした韓国テレビ局KBS制作の時代劇。日本ではKBSワールドにて放送され、2010年7月20日よりBS朝日でも放送されました。

「황보수 ファン・ボス☆後の千秋太后」は初代王「태조 왕건 太祖 王建」の孫娘。彼女が第三皇后として嫁いだ高麗5代目の王「景宗 경종」も初代王の孫。つまり、「ファン・ボス」と「景宗」とは「イトコ婚」。

「황보수 ファン・ボス」の妹「황보설ファン・ボソル」も「景宗」の第四皇后として婚姻。ちなみに「景宗の両親」は4代王「光宗 광종」と「大穆王后 대목왕후」で、この二人は「異母兄妹婚」。

4代王「光宗 광종」は「近親婚」を推奨までしていたそうですが、その理由として、

≪地方豪族の勢力を完全に掌握していない状態であり、近親婚を通じた結束は必須であると思っていたかも…≫

と主張している歴史家もいます。一方、

≪当時は「直系尊属(先祖)」である「父母(1親等)」「祖父母(2親等)」や「直系卑属(子孫)」である「息子・娘(1親等)」「孫・孫娘(2親等)」はタブーだったけど、3親等以上「叔父・叔母」「従兄弟・従姉妹」などには「血族・親族」の概念はまだなく、父親が違えば「2親等」同士でも結婚が可能だったのでは≫

と推定する学者もいます。

ともかく、高麗時代の王族も一族の繁栄や権力を守るため「超近親婚」だったらしいですが、道徳や倫理、善や悪、社会的な規制を受けるか否かなどの基準は、絶対的なもの不変的なものではなく、「時間(時代)」や「空間(地域)」によって異なり、流動的で変化するもののようです。

「インセスト・タブー」の範囲の狭い社会ほど「未開な社会」で、その範囲が広いほど「進化した社会」と考えられていた「韓国」の社会で、この世で「許されぬ恋」ならあの世で……と、自殺に及ぶカップルが続出。

これをきっかけに、1997年7月、憲法裁判所は、

≪同姓同本禁婚を規定している「民法」は、「憲法」に合致しない≫

と判決。2005年の民法改正により同姓同本禁婚法は法的には廃止(改定)されましたが、同姓同本の間の結婚をタブー視する傾向はまだ韓国社会に残存していますし、韓国の民法では「傍系8親等」以内の親族とは結婚できないと定めています。

(続く)

おすすめ情報