美しき勁き国へ

櫻井よしこ 長崎に世界的反日情報網の基点 事実を持って対峙するしかない

 子供たちが目にする写真や展示は極めて生々しく、心に深い印象を刻むだろう。だが、上の階への階段の壁にもびっしりと掲げられている写真や展示物には、直ちに疑問を抱くものが少なくない。

 中国系米国人ジャーナリスト、アイリス・チャン氏の著書『ザ・レイプ・オブ・南京』に収められている「重慶での日本軍の爆撃の犠牲者となった一般市民」と題された写真がその一例である。高橋史朗氏や東中野修道氏らが指摘済みだが、この一葉は米国人カメラマンのカール・マイダンス氏が雑誌「ライフ」用に撮った。重慶市最大の地下壕(ごう)に避難していた群衆が壕を出ようとしたとき、中国の警防団がいきなり扉を閉じたために群衆はパニックに陥り、約4千人が窒息や圧迫で命を失った。悲劇的な事故の写真ではあるが、日本軍の無差別爆撃などではない。

 端島(軍艦島)をはじめ、炭鉱で働いた朝鮮人に関しても信憑(しんぴょう)性を疑うイラストや写真が目につく。

 地中深く鉱脈の最先端を掘り進む苦しく危険な仕事は朝鮮人にやらせた、しかも食事は粗末で不十分で、監獄島だったという説明がある。

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