Conversation

カテーテル穿孔と言っていますが。。。専門的な話になるのはご容赦ください。わからなければコメントから質問お願いします。長文すみません。  これは確か90代の高齢女性で右M1閉塞(右中大脳動脈近位部)の閉塞で血栓回収を行った患者さんのことだと思います。  高齢でしたがもともとのADLは悪くなく発症から間もなかったため血栓回収を行いました。この日は予定手術とクモ膜下出血とこの症例がかぶってしまい、確か一人でやらざるを得なかった症例でした。  問題なくカテーテルも病変まで到達し、1Pass(一回、ステントリトリーバーを展開し回収を試みるだけ)で血栓回収でき問題なく再開通しました。術後のCTでも問題なく、HCUに収容。少し左手も動き始めたんだったように記憶しています。  ところが翌日のCTで右シルビウス裂に血種ができており、確かに前日よりも意識が悪いようでした。幸いそれほど血種は大きくなく(血種に対する)手術はせずに済みました。  さらに悪いことにその翌日か翌々日、尿が出なくなり造影剤腎症を併発しました。一時期透析(CHDF)も考慮するほどでしたが徐々に出始めました。  長期臥床が続いてしまい、廃用が進んで所謂「ジリ貧」の状態が続きました。  1か月ほどのちに、高血糖高浸透圧性昏睡、または敗血症で亡くなられました。  悔しい症例でした。せっかくよくなると思ったのに。。。  出血の原因ですがカテーテル穿孔はあり得ません。術中のワイヤー、カテーテルの挙動はおかしくなかったし、もしそうなら術直後のCTでひどいことになっているはずです。  専門的な話ですが、私が渉猟した範囲で、黎明期の5RCTでは、無症候性も含めた出血性合併症は30-50%、症候性 5-10%程度だったと思います。症候性頭蓋内出血の頻度が多いように思いましたが、やらなかった場合、死亡または重篤な後遺症となるのでやったほうがましって話じゃなかったですか。  そもそも閉塞部位遠位のロードマップが確認できない状態で穿孔ってわかるんでしょうか。造影剤の漏出しか検知できないじゃないですかね。上記5RCTで穿孔が極端に低い(1%以下)または記載なしなのはそういう理由じゃないかと思っています。
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