鈴鹿市の社会福祉法人贈収賄事件 執行猶予の付いた有罪判決

三重県鈴鹿市の社会福祉法人の役員の交代をめぐる贈収賄事件で、計3500万円の賄賂を渡したとして、社会福祉法違反の贈賄の罪などに問われた被告の裁判で、津地方裁判所は執行猶予の付いた有罪判決を言い渡しました。

和歌山県の不動産管理業、金田充史被告(53)は、令和4年2月、鈴鹿市の社会福祉法人「かがやき福祉会」の理事長などの役員を、指定した人物に変更するように求め、当時の理事長らに計3500万円の賄賂を渡したとして、社会福祉法違反の贈賄の罪などに問われました。
これまでの裁判で、検察側は、懲役10か月を求刑したのに対し、弁護側は執行猶予の付いた判決を求めていました。
30日の判決で、津地方裁判所の西前征志裁判官は「法人の理事などを自分の息がかかった者に交代させて、被告が実権を握ろうとし、社会福祉法人の役員などの職務の公正に対する社会の信頼を侵害した程度は大きい。各犯行で主導的な役割を果たしたといえ、刑事責任は重い」と指摘しました。
その上で「被告側で被害弁償金を払い、公判で二度と犯罪をしないと誓った」などとして、懲役10か月、執行猶予3年を言い渡しました。
また、30日は、ともに贈賄の罪などに問われている東京のアルバイト従業員、迫丸卓哉被告(44)の裁判も開かれ、検察が懲役8か月を求刑しました。
判決は2月28日に言い渡されます。

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