東京都は31日、令和7年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は前年度比8・3%増の9兆1580億円。4年連続で過去最大を更新、6年度(8兆4530億円)を上回り、初めて9兆円台に達した。歯止めのかからない少子化への対策として出産後のサポート強化など、全体の2割超にあたる約2兆円を「チルドレンファーストの社会」実現に向けた各施策に計上した。
特別会計などを含めた全会計の総額は17兆8000億円。都によると、スイス14兆7000億円、スウェーデン20兆円などの国家予算規模となった。
小池百合子知事は定例記者会見で「少子高齢化対策は一刻の猶予もない」などと述べ、対応を急ぐ考えを示した。
都は新たに12億円を充てて、無痛分娩の費用を最大10万円助成する制度を導入する。出産後の支援も拡充。763億円を計上し、現在第2子以降で実施している保育料無償化を第1子にも適用するほか、子供や保護者のニーズに応じ、学童クラブをはじめとした放課後などの居場所の創出事業にも45億円を充てた。
歳入では、都税が前年度比8・5%増の6兆9296億円で過去最大に。企業収益が堅調に推移したことによる法人2税(住民税、事業税)の増収や、雇用や所得環境の改善に伴う個人都民税の増加が影響した。