大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

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三条天皇役 木村達成さん ~正義感を持って戦う天皇に

4歳年下の一条天皇(塩野瑛久)の治世において東宮として25年を過ごし、ようやく即位した三条天皇。藤原道長(柄本佑)との関係性や、二人の妃(きさき)・娍子(朝倉あき)、妍子(倉沢杏菜)はそれぞれどのような存在なのかなどを、演じる木村達成さんに伺いました。

――「光る君へ」の出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

2021年の大河ドラマ「青天を衝け」では、幕末の志士である中村三平を演じさせていただきましたが、「光る君へ」では平安時代の天皇という、高貴な方を演じさせていただくということで、とても大変な役回りだなと感じました。けれども、良い意味で期待を裏切ることができるような天皇を演じられるように頑張りたいと思いましたし、「光る君へ」への出演が決まり、本当にうれしかったです。

――三条天皇はどのような人物だと思いますか。

“悲しい天皇”だと思います。三条天皇は、父である63代・冷泉天皇と、母である藤原兼家の長女・超子との長男として生まれましたので、誕生したそのときから天皇になる道しか歩むことができなかったと思います。しかしその4年後に、冷泉天皇の同母弟である64代・円融天皇と、超子の同母妹である兼家の次女・詮子との間に皇子が生まれ、その歩みがより険しいものへと変わってしまいました。一条天皇が即位したことで東宮に就くことはできましたが、4歳年下の一条天皇の治世での東宮ということで、三条天皇のプライドはズタズタだったと思います。
また叔父である道長とも、当初は仲が良く、切磋琢磨(せっさたくま)していくような関係だったと思うのですが、やはり各々(おのおの)で進むべき道は少なからず違いますし、道長には道長の、三条天皇には三条天皇の正義があります。ようやく天皇となった三条天皇としては長年思い描く考えがあり、自身が先頭に立って政(まつりごと)を行いたいと考えていたでしょうから、左大臣の道長とは衝突することも多く、互いに苦悩の連続であったのではないでしょうか。
とはいえ、僕は三条天皇を演じるにあたって、悲しみなんて一切感じることなく、全力で走り切るつもりです。視聴者のみなさんに「道長が悪いやつだ!」と思っていただけるくらいの正義感を持って、柄本佑さんが演じられる道長と戦っていきたいと思っています。

―― 一条天皇との対面では、どのような思いになりましたか。

東宮として過ごした25年は、三条天皇にとってとても長い時間だったと思います。病に苦しむ一条天皇に呼ばれて践祚(せんそ)するように言われたときは、ようやく芽が出た瞬間なので、冷静には振る舞っているつもりではあるのですけれど、やはり思わず笑みが浮かんでしまいました。このシーンでは、もちろん体調の優れない一条天皇のことを気遣ってはいるのですが、「ここが自分の居場所になる」という思いを隠せていなかったと思います。目に映る光景をかみ締めながら、清涼殿を退出させてもらいました。

 

――三条天皇が目指した政は、どのようなものだったと思いますか。

良き天皇でありたいと考え、民のことも大切に思われていたと思いますが、三条天皇は長年堪(た)え忍んできましたので、“自分の周りにいる人たちに幸せを届けたい”という思いを特に抱いていたと思います。それは、これまで一番近くで支え続けてくれた娍子や、息子の敦明親王ら家族だけではなく、東宮大夫を務めてくれた道綱など、お世話になっている人たち皆に対して考えていた気がします。三条天皇って、とても優しい方だとも思うんです。なにしろ、あの道綱に対して「頼りにしている」と言っているのですから。バランスを大切にし、道綱のようなタイプの人物がいないと明るく和やかな雰囲気が作れないと考えているのかもしれませんけれど、三条天皇の道綱への言葉には、優しさがとてもあふれています。ただ、敦明親王は少しやんちゃな一面もありますし、三条天皇の周りの人物できちんとしているのは、娍子くらいかもしれません(笑)。

 

――二人の妃、娍子と妍子は、それぞれどのような存在ですか。

娍子は、自分の心を理解して支えてくれる大切な人です。心から信頼し、愛しているのだと感じます。娍子を演じられる朝倉あきさんも、とても親身に寄り添ってくださるあたたかい方なので、娍子が隣にいないシーンを撮影するときは心細くなるんです。大好きな娍子と、大好きな息子の敦明親王については、二人が悪者であるかのように受け取られないように、そして不安を取り除いてあげられるように、精いっぱいフォローしていきたいと思っています。「一緒にいたい」と思う気持ちを、これからも大切にしていきたいです。
一方、妍子は、道長の娘であり、三条天皇と道長との間に政治的な駆け引きもあると思いますので、なかなか難しい関係ですよね。「年寄り」とかひどい言われようをしていますし、彼女にはかなりパーティーガールな一面も見られるので、よくわかりません。これから、どうなっていくのでしょうか(笑)。

 

――これからの見どころを教えてください。

ご覧くださるみなさんがほっこりするような、笑顔になるような、そんな明るい三条天皇で居続けたいなとは思って演じさせていただいているのですが、これから道長との政治的な対立が激しさを増していき、暗い一面もお見せすることになります。史実でも、三条天皇と道長は互いに頭が切れ、巧みな言葉と先見をもって駆け引きをしていたと感じているので、そのさまをこれから演じられるのは、とても楽しみです。自分の周りにいる大切な人たちが路頭に迷わないように、三条天皇としてしっかりと頑張っていきたいと思います。

 

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