■試験で涙の演技が評価されホッ■
けど、だからこそ「とにかく死ぬ気でやらなきゃ」と自覚が芽生えました。私はもともと頑固で、父親の反対を押し切ってこの世界に入ったこともあり、覚悟を決めました。
高校は静岡の進学校で、新体操部に入ってから演技に興味を持ちました。父に卒業後は演技の勉強をしたいと相談すると猛反対。人生で初めて父に反抗して、アルバイトをしても東京に行くと伝えたところ、試験が難しく受講費もかからない無名塾ならいいと許されました。それで運よく800人中4人の狭き門に合格できました。
朝ドラの3次試験の演技は、娘役の私が実業団のバレーボールチームに行くために父親を説得するシーンで、自然と自分の父親と重なり、涙がこぼれたんです。演技で涙を流したのは私だけと聞き、そこをほめてくれる方もいて…。「私は太ももだけじゃなかった」とホッとしたのも覚えています。(13日付に続く)
★平均視聴率は33・8%
東京五輪で沸いた昭和30年代、青春をバレーボールに捧げた山口・青海島出身の秋津和子の半生を描く。大阪の紡績会社でバレー部の選手として活躍するが、部の解散で退社したヒロインは〝人生の金メダル〟を目指し、バレーで育んだ友情や経験を生かして小さな診療所で奮闘。夫の死も乗り越え、前向きに生きる姿で共感を呼んだ。父役の故田村高廣さん(享年77)、バレー部部長役の桂文枝(77)、ライバル役の伊藤かずえ(54)らが出演。全151回。平均視聴率は33・8%、最高は40・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。当初のヒロインは現在引退。
渡辺 梓(わたなべ・あずさ)
1969(昭和44)年2月20日生まれ、52歳。静岡県出身。87年に仲代達矢主宰の無名塾に第11期生として入団。90年の「もうひとつの原宿物語」で映画初出演。96年の主演ドラマ「幸福の予感」や2005年の「魔法戦隊マジレンジャー」などに出演。私生活では94年に美術家の稲吉稔氏と結婚し、長男の男性5人組ユニット、Boom Triggerの稲吉ひかり(20)、長女(18)をもうけた。現在は女優業と並行し、廃材などを有効活用したアートプロジェクト「nitehi works」も展開。162センチ