大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

共有

【光る君へ絵巻】ドラマ美術の世界 ~為時とまひろが視察に訪れた「越前紙漉き農家」

国守・藤原為時(岸谷五朗)がまひろ(吉高由里子)と共に視察に訪れた「越前・紙漉(す)き農家」。大河ドラマ「光る君へ」で建てられた「越前・紙漉き農家」の美術についてご紹介します。

◆◆ デザインコンセプト ◆◆

越前国守となった為時がまひろと共に視察に訪れた越前和紙の工房。雪深く、厳しい冬の農閑期に1000年以上にわたって作られ続けてきた伝統の越前和紙。目の詰まった良質の和紙は豊富な水と寒さが必要である。文学者・紫式部にとって良質な紙づくりを体現する印象的なシーンとなるよう、地元越前市で和紙を制作されている職人の方々のご協力で、今も使用している紙づくりの道具をスタジオセットに持ち込み、誰も見たことのない平安時代の越前和紙制作を表現した。

――綿や泡などで厳しい冬の寒さを表現

冬の農閑期に農家の一角で行われていた越前和紙の制作。越前の雪深く厳しい冬を表現するために、特殊効果チームが氷柱(つらら)を1本1本作り、綿を毛羽立(けばだ)ちさせないように雪のように積もらせ、そして泡を雪に見立てて降らせています。また、家の表には雪囲いを置いたり、格子窓の外側には簾(すだれ)を掛けるなど、雪が室内に入ってこないようにする工夫をセットでも取り入れています。

――越前和紙の制作工程を再現

越前和紙の制作にはいくつもの工程がありますが、その一つ一つをスタジオで表現しています。まず、原料となる雁皮(がんぴ/ジンチョウゲ科の落葉低木)を伐採して干します。

次に、雁皮の皮をはいで大釜で煮て、綿のように柔らかくなるまでたたき続けます。

そして柔らかくなった雁皮から、川の流れを利用して細かな塵(ちり)を取り除きます。ここまでの工程ののちに、ようやく原料を「漉き舟」と呼ばれる大きな水槽の中に入れ混ぜることができ、紙漉きの作業へと移ります。

巧みな技量によって漉かれた紙を一枚一枚、丁寧に貼って乾燥させ、越前和紙ができ上がります。

――地元越前の職人さんの協力により成立

紙漉き農家のシーンの撮影にあたっては、越前市をはじめ、地元越前で和紙を制作されている職人の方々にリサーチの段階からご協力をいただきました。職人の方々には衣装を着ての出演だけではなく、簀桁(すけた)をはじめとする、紙を漉く際に使用する道具をスタジオに持ち込んでいただき、農家セットの飾り付けにも参加していただきました。

全特集 リスト