大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

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まひろ役 吉高由里子さん ~海の見える国で知った現実

越前国にてさまざまな人生の分岐点を迎えたまひろ。かねてより交流のあった藤原宣孝(佐々木蔵之介)への思いの変化や、周明(ヂョウミン/松下洸平)のことをどのように思っていたかなどについて、演じる吉高由里子さんに伺いました。

――まひろの藤原宣孝への思いの変化をどのように受け止めていますか。

小さいころに出会う大人は、もう相当な大人に見えていたので、宣孝さんに対して恋愛的な感情を抱いたことはこれまで一度もなかったと思います。だけれども、為時家のよき理解者であり、自分のこともよく知ってくれていて、一緒にいて心地がよい人ではありました。なので、好きになったというよりは、一番好きというわけではなくても許してくれる宣孝さんの寛大さと、居心地の良さを選んだのではないかと思います。

宣孝さんは豪快で大胆で、時折クスッと笑わせてくれるチャーミングな人です。これからのまひろと宣孝さんの関係性、そしてまひろが大人の女性としてどのように変化していくのか、見どころかなと思います。

――越前で出会った青年・周明のことはどのように感じていましたか。演じる松下洸平さんと大河ドラマで共演した感想も教えてください。

まひろは直秀のことをずっと引きずっていると思うんですよね。海の見える国に着いて、「あの人が見たかった風景はこれなんだ」と、いろいろな思い出を振り返りながら思っていたと思います。周明はそんなタイミングで出会った、自分と同じような年頃の子だったので、仲良くなりたいと思って近づいたのかなと。宋がどのような国なのか知りたい気持ちもありましたし、周明が本当は日本人だと聞いて彼のことをもっと知りたいと思うのは、自然な流れだったと思います。

松下さんとは以前民放のドラマで共演したことがあり、そのドラマを好きでいてくださるファンのみなさんから、「平安時代でカムバック!」「前世でも出会ってる!」という声を今回たくさんいただきました(笑)。相乗効果で盛り上がってもらえるのはうれしいですね。約3年ぶりの共演ですが、お互いに変わらなさすぎて、時の流れの早さの恐ろしさを改めて実感しました(笑)。

――周明から宋語を教わって話すシーンがありましたが、かなり練習されたのでしょうか。

結構練習したのですが、演出に「まひろさんは下手でいいよ」と言われて…(笑)。気は楽になりましたけれど、「一生懸命練習したんだけどなぁ」と思いました(笑)。でもそう考えると、途中から急に撮影に参加して、日本のものとは異なるような衣装を着て、宋語を話してほしいと言われた松下さんは大変ですよね。すごく頑張って練習している姿をよく見かけました。

――興味を持って親しくしていた周明が、実は宋からの密命のもとで動いており、「左大臣に文を書け」と脅されたことを、まひろはどのように感じたと思いますか。

「浅はかだったな」と自分の愚かさを自覚したかもしれないし、「結局こんなもんか。何もうまくいかないな」と厳しい現実を目の前に突きつけられた感じにもなったと思います。怖かったですね。陶器の瓶をバンって割って、そのカケラを拾って脅されて…。「優しい顔をしてこういうことをしてくる男の人には引っかからないようにしなければ」という教訓を得ました(苦笑)。

でも、まひろはこれまでなかなかつらい経験を積み重ねてきていますから、「利用された。もう生きていけない」みたいな感じではなくて、「生きていればいろいろなことがある」くらいの感じで、ある種、客観的に考えている部分もあると思います。そして、そういうふうに物事を俯瞰(ふかん)することができる思考が、今後『源氏物語』を生み出していくことになるのだろうと思うと、すべての出来事はつながっているのだという感じがしますね。

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