大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

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をしへて! 倉本一宏さん ~藤原為時が任官した越前国は平安貴族に人気だった!?

藤原為時(岸谷五朗)が任官した越前国は平安貴族に人気だった!? 大河ドラマ「光る君へ」で時代考証を担当する倉本一宏さんに、平安時代中期の国の事情や呼び方などについて伺いました。

――受領(ずりょう)となる国によって、どのような違いがあったのでしょうか。

受領とは任命された国に自ら下った国司の最高責任者のことですが、その中には、人気がある国と人気がない国がありました。人気がある国というのは、米がいっぱい収穫できて、都からわりと近く、大きな寺社がなくて、国司を訴えるようなうるさい住民のいないところです。

――大きな寺社がないほうが人気なのですね。

大きな寺社があると、寺社のための領地がそれなりの割合であり、利益が減ってしまうため、貴族には人気がありません。受領になったからといって一定の給料があるというわけではなく、自分で稼ぎなさいという感じなんですね。中央に納める税以外は私物化できるんです。なので、行きたい国と行きたくない国っていうのは収入に直結します。もちろん個人の手腕にもよりますけれども、稼ぐ人はすごく稼いでいるんですよ。ちなみに、みんなが行きたがる国のことは熟国(じゅくこく)、行きたがらない国は亡弊国(ぼうへいこく)といいます。

――どのような国が人気だったのでしょうか。

越前、近江、丹波、播磨、伊予などです。丹波守は京都に住んだまま務められるので人気でした。伊予は都から遠いのではと思われるかもしれませんが、米がたくさん収穫できますし、船を使って比較的にスムーズに行き来できるので、人気の国の一つでした。

越前(えちぜん) … 越前の国。現在の福井県嶺北地方(岐阜県北西部含む)と敦賀市に相当する地域。

近江(おうみ)… 近江の国。現在の滋賀県に相当する地域。

丹波(たんば)… 丹波の国。現在の京都府中部、兵庫県北東部、大阪府北部に相当する地域。

播磨(はりま) … 播磨の国。現在の兵庫県南西部に相当する地域。

伊予(いよ) … 伊予の国。現在の愛媛県に相当する地域。

――為時が任官した越前は、人気の国の一つだったのですね。

大人気です。米はたくさん収穫できるし、都からも近いですから。国の呼び方にはいくつかあるのですが、国の面積や人口などによって、大国(たいこく)、上国(じょうこく)、中国(ちゅうごく) 、下国(げこく)と格付けされます。また都からの距離によって、近国(きんごく)、中国(ちゅうごく)、遠国(おんごく)に分けられます。越前は、大国で、近国で、熟国なんですね。すごい競争率だったと思います。

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