平安の貴族社会で、のちに最高の権力者となり名を残した藤原道長。大河ドラマ「光る君へ」における藤原道長の人物像や吉高由里子さん演じる主人公・まひろの魅力などについて、演じる柄本拓さんに伺いました。
――「光る君へ」のオファーを受けたときのお気持ちをお聞かせください。
2020年に大石(静)さんが脚本を担当され、吉高(由里子)さんが主演を務められたドラマに僕も出演させていただいたのですが、その現場がとても楽しくて「また一緒にお芝居をしたいな」とずっと思っていました。「光る君へ」の制作発表で大石さんと吉高さんが再びタッグを組まれることを知り「僕も仲間に入りたい」と思っていたので、オファーをいただいたときは純粋にうれしかったですね(照)。
――大石静さんの脚本を読まれて、どのような印象を持たれましたか。
紫式部の生きた時代と大石さんの個性とがうまく混ざった脚本という印象で、とてもおもしろいです。毎回マンガのような感覚で読めてしまうので、ほかの出演者の方々も僕と同じように楽しんで読まれているのではないかと思います。特に藤原斉信役の金田(哲)さんは、「ねぇ最新刊読んだ? めっちゃおもしろくない!?」というようなテンションで話をされますからね(笑)。書籍などで当時のことを調べて撮影に挑んでいますが、大石さんの脚本がとにかくワクワクする内容なので、そこに乗っかれば自然と道長さんになれると思っています。
――父・藤原兼家が率いる家族の特徴を教えてください。また、その中で道長はどのように成長していると感じますか。
キャスティングの親和性が高いなと、僕は勝手に思っています(笑)。なんとなく顔の系統が似ている気がしますので、視聴者のみなさんも違和感なくすんなり“家族”としてご覧いただけるのではないかと思います。性格的にもすごく合っている感じがするので、「相性のいい家族になれているのではないかな」と思っています。
道長さんは、歴史上は時の権力者であり悪の要素もあるように伝わっていますが、現状の脚本では、もっと地に足がついていて庶民にも寄り添える人です。のんびりやさんでボーっとしたTHE・三男という感じではありますけれど、「奥行きのある人物にしてほしい」と演出の方には言っていただきましたし、実際にそのように描かれているなと思います。
――主人公・まひろの魅力はどのようなところにあると思いますか。
まひろさんの魅力は、吉高さんの魅力とほとんど一緒になってしまっていますね。大人っぽいけれど少女性も失っていないし、空気が読めていないようで読めている、というような感じで。表情がコロコロと変わるんですよ。凛(りん)としているときもあれば、守ってあげたいと思わせてくるときもあり、またちょっといたずらっぽいときもあったりと、シーンによっていろいろ顔があるんです。懐も深いので、まひろさんによって引き出される道長像は大いにあると感じます。
――道長はよく公任、斉信、行成と一緒に行動していますが、この4人でのシーンの撮影の雰囲気はいかがでしょうか。
「藤原家のプリンス4人組で“F4”だね!」と言いながらキャッキャしています(笑)。すごく楽しいメンバーだなと思いますね。僕も町田(啓太)さんも金田(哲)さんも渡辺(大知)さんも、全員わりとマイペースなので空気感も合うし、いい顔合わせなのではないかと思います。演じているキャラクターにもフィットしていておもしろいです。町田さんの人当たりがよくて社交的だけれどどこか悲しさがあるような感じとか、金田さんの身軽にいろいろな場所を行き来している感じとか、渡辺さんの真面目そうな感じとか、みんなピッタリだなと。これから女性との関係や政治に関するエピソードが入ってくるともっと個性が強く出てきますけれど、とにかく一緒にお芝居をするのがとても楽しいです。このような楽しいシーンは、成長していくとどんどんなくなっていくかもしれないので、今の楽しい時間を大事に演じたいなと思っています。
――柄本さんが感じる大河ドラマ「光る君へ」の見どころを教えてください。
出演者のみなさんのおもしろさはもちろん、まひろの人生、まひろと道長との関係、政権争いに巻き込まれていく道長がどのように時の人になっていくのか、などなど…見どころだらけですね。史実として知られる紫式部と道長の人生と、創作としてのまひろと道長の人生という、この2つのラインがどう相まっていくかが、これまでの大河ドラマともまたひと味違う描かれ方でおもしろいのではないかなと思います。僕たちも毎回脚本をいただいて大石さんの作劇に驚いているので、映像としてご覧になる視聴者のみなさんにはより迫力を持って驚いていただけるのではないでしょうか。平安時代の物語ではありますが現代の感覚ともフィットするように描かれているので、まひろ目線でキュンキュンしたり、政権争いをする男性たちの目線でハラハラしたりと、いろいろな視点で感情移入をしてご覧いただける大河ドラマになっていると思います。あとはやはり吉高さんの魅力が十二分に発揮されているので、毎週の放送を楽しみに楽しくご覧いただけたら僕もうれしいです。