大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

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まひろ役 吉高由里子さん ~好奇心旺盛でひたむきな、まひろの人生を楽しみながら

大河ドラマ「光る君へ」の主人公は、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』の作者・紫式部(まひろ)。主演を務める吉高由里子さんに、まひろの人物像や柄本佑さん演じる藤原道長との関係性などについて伺いました。

――「光る君へ」の主演のオファーを受けたときのお気持ちをお聞かせください。

「そんなハズはない」と思いました。自宅にいるときにマネージャーさんから電話があり、オファーのことを知ったのですが、2023年放送の「どうする家康」の登場人物の一人としてお声がけをいただけたのだと思ったんです。だけれどマネージャーさんに「違う、2024年(の大河ドラマ)の主役!!」と言われて、もうパニック状態(笑)。「ちょっと待って…どうしよう。やるの? やらないの?」と私があたふたしていたら、マネージャーさんが「やるに決まってるでしょ!! 俺の夢なんだ!!」って。私が大河ドラマの主演をさせていただくことがマネージャーさんの夢だったなんて初耳でしたけれど、誰かの夢がかなう瞬間を一緒に経験できる機会はなかなかないので、ステキだなと思いました。
私は「私が座長だ! 引っ張っていくぞ!」となれるタイプではないので、甘えられるところはしっかりと甘えて、共演者やスタッフのみなさんに寄りかかり、巻き込んで進んでいければいいかなと思っています。

――どのような準備をして撮影に臨まれているのでしょうか。

「人生でこんなに読んだことはない!」と思うくらいたくさんの書籍を読んだり、平安時代のことを扱っている講義のような動画を見つけては視聴したりしました。また、「人生でこんなに習い事したことはない!」と思うくらい毎日のようにいろいろなお稽古事をさせていただいていて、書についてはクランクインの半年くらい前から始めました。当時の人たちは筆を持つのも、食事のときに箸(はし)を使うのもすべて右手です。私は左利きなので、右手でスムーズに行えるように最初にお稽古を始めました。あとは琵琶だったり、乗馬だったり、舞だったり、本当にたくさんあるので、「吉高補完計画」という感じの1年半になるかなと思います(笑)。

――演じるまひろはどのような人物だと思われますか。

「紫式部=暗くて陰湿」というようなイメージを持たれている方もいらっしゃると思いますが、実際にそうであったかはわかりません。個性がかなり強めの清少納言との対比によって、そういったイメージが定着したようなところがあるのではないかと思うんですね。彼女についての書籍を読んでも、今回の脚本を読んでも、彼女は彼女なりに力強く生きていますし、好奇心旺盛でひたむきな人だなと感じます。お父さんが文学者なのでその影響もあるのかもしれませんが、「知りたい」という気持ちが強くて、自分の心を文字にするのが得意。ほかの人が残したくない感情も、文字にして残しているような人です。そんな自分のことをよく理解しているまひろだからこそ、理想と現実との間で葛藤し、思い悩むことが多いのかなという印象です。

――大石静さんの脚本の魅力はどのようなところに感じますか。

大石さんの脚本は、「生」と「愛」が平行しているなと思います。愛が生きることにつながって、そこから生まれた感情がすべて行動へとつながり、それが衝動に変わってまた愛に…。読んでいて、こちらが恥ずかしくなるくらい情熱的だなと(笑)。大石さんご自身がとてもエネルギッシュで、愛に生きる方なのだろうなと感じますね。
あと脚本を読んで思うのは、「登場する男性、みんな大石さんの好みでしょ!」ということです(笑)。そして、その好みの男性にはどのような俳優が似合うのかなども考えて、期待を膨らませながらお書きになっているのだろうなと思います。

――まひろと藤原道長の関係性についてはどのように感じていますか。また、道長を演じる柄本佑さんについての印象もお聞かせください。

佑くんはやっぱりすごいなと思います。一緒にいると安心できるし、どういうお芝居になるのかいつも楽しみです。脚本を読んでいるので、どのような展開になるのかはもちろんわかったうえでお芝居をしていますが、佑くんが本当に何も知らないようなまっさらな気持ちでお芝居をしてくれるので、自分も心も頭も新しいままでいられるような気がして楽しいです。その場で物語がまさに生まれているかのような、ワクワクを実感させてくれる人だなと感じています。
まひろと道長が歌を渡し合って思いを確認するシーンがあるのですが、文を交換し、2人だけの秘密を共有することで育まれた関係性というのは、今も昔も変わらないすごく特別なものだと思うんです。その歌も、もしかしたら自分の気持ちをすべて見せているわけではなく、ちょっと隠して相手に想像させる余地を持たせているのかなとも思いますし、すごく大人で色っぽいやりとりなんですよね。美しい言葉のやり取りも「光る君へ」の見どころの一つになりますので、お楽しみいただければと思います。

――まひろを演じていて感じられることを教えてください。

紫式部という名前はみんなが知っていて、「『源氏物語』の作者だ」と誰もが答えられるくらい有名じゃないですか。けれども、紫式部に関する史料はそれほど多くは残っていません。まひろの人物像は、脚本の大石(静)さんがいろいろな想像を膨らませて作ってくださっています。そこに、彼女が書いた『源氏物語』や『紫式部日記』などから私自身が感じる印象も重ね合わせながら演じるのは、表現の幅が豊かで、とても楽しいなと感じています。

 

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