東海大学非常勤講師ら、雇い止め訴訟で敗訴 控訴の方針 東京地裁

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判決を受け、「非常勤講師で研究室もなく、任期法適用になるとは思わなかった」と語る原告たち=東京都千代田区の東京地裁で2025年1月30日、宇多川はるか撮影

 東海大の非常勤講師8人が勤続5年で無期転換権を認められず、違法な雇い止めをされたとして地位確認を求めた訴訟で、東京地裁(中野哲美裁判長)は30日、請求を棄却した。労働契約法で一般の労働者は5年で無期転換権が発生するが、研究者は大学教員任期法で10年と定められており、非常勤講師はどちらに当たるかが争われた。判決では「東海大の非常勤講師の中には論文の発表や著書の出版といった研究活動を行う者もいた」などと指摘し、研究者に当たると判断した。

 非常勤講師らは語学などの授業を受け持ち、東海大と1年の有期雇用契約を更新し続け、5年超だった2022年に無期雇用への転換を申し込んだ。東海大は非常勤講師らは研究者に当たるため、無期転換権が発生していないと判断し、カリキュラムの変更などを理由に23年3月に雇い止めしていた。

 判決では、東海大が教員の審査基準で「研究上優れた業績を有し、かつ教育上優れた経験を有する研究者・教育者でなければならない」と定め、基準に沿って非常勤講師らを採用した点を重視。非常勤講師らは研究者に該当すると判断した。

 判決後に記者会見した非常勤講師の一人は「私たちは研究室もなく、研究費も支給されていない」などと主張し、控訴する方針を明らかにした。【宇多川はるか】

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