『おむすび』池畑慎之介だから成立したひみこさん 中川わさ美のキャスティング意図も
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。
先週(第16週)の放送から神戸を訪れているのが、糸島でスナックを営むひみこ(池畑慎之介)。商店街を盛り上げようとカーニバルを提案し、その後は歩(仲里依紗)とチャンミカ(松井玲奈)の仲違いを解消するために名探偵として活躍。そして第17週では、ひみこの「元祖ギャル」としての過去が明かされた。
いつでも明るく前向きなひみこの人物造形について、制作統括の真鍋斎は「我々の中で、“ギャル”は性別や年齢の垣根を越えて『なんの偏見もなく世の中のことを受け入れていこう』というポジティブさの象徴として描いていますが、ひみこはまさにそういった存在です」と説明する。
「あんたら邪馬台国って知ってる?」と切り出したひみこは、近畿や九州、そして糸島など、「邪馬台国がどこにあったのか」という議論が未だに続いていることを引き合いに、「なんでみんな決めつけたがんのかな。邪馬台国はどこやとか、男はどうやとか、女はどうやとか、年寄とか若者とか。どうでもええやんな、みんな自由やねんから」と私見を語る。
ひみこの由来は卑弥呼にあった!? というまさかの展開に驚かされたが、第17週の演出を担当した盆子原誠は「僕の中には、最初から『邪馬台国の卑弥呼もギャルだったのではないか』という考えがありまして。忌憚(きたん)なく何もかも喋って、ポジティブで人を前向きにさせる女性が日本にはずっといるんだよ、という思いをひみこに込めました」と明かす。
そんなひみこを演じるのは、池畑慎之介。真鍋は「池畑さんとは20年ほど前に大河ドラマでご一緒しましたが、当時からピーター、あるいは池畑慎之介として、2つどころかいくつもの顔をお持ちでした。黒澤映画にもご出演されるほどの俳優さんでありながら、いろいろな仲間とのコミュニケーションも大事にされていらっしゃる。さらには糸島の観光大使をされていたりと、形にとらわれない自由さがある方だと感じていました」と印象を述べ、「もともとスナックの店主としてひみこというキャラクターを作るつもりではいましたが、池畑さんに演じていただけたことで、さらに我々のイマジネーションが広がりました」と感謝した。