大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

共有

【光る君へ絵巻】ドラマ美術の世界 ~刀伊の入寇における賊の舟と警固所

侵入してくる賊に対して、藤原隆家(竜星涼)のもとで一致団結し、これを速やかに撃退する大宰府軍。大河ドラマ「光る君へ」における刀伊(とい)の入寇(にゅうこう)に関する美術についてご紹介します。

◆◆ デザインコンセプト ◆◆

寛仁3年(1019)に中国大陸北東部を拠点とする民族「東女真(じょしん)族」とされる賊が大宰府管内に侵入した事件「刀伊の入寇」。当時、大宰権帥(だざいのごんのそち)であった藤原隆家が九州の豪族や武士らを率いて撃退したこの事件を描くため、福岡の現地や識者を取材し、賊との抗戦は伊豆ロケ、警固所は「えさし藤原の郷」ロケとスタジオセットで撮影した。
武士の時代以前の戦いとして、日本側はあえて強固な防備はなく、奈良時代のスタイルを残しながら弓を中心とした攻撃と、隼人(はやと)の盾(たて)を参考にした手楯(てだて)で防御。敵側は国籍を特定せず、扮装(ふんそう)や武器などを工夫して民族の違いを表現した。また警固所のセットには、弓の名手・隆家の象徴として鏑矢(かぶらや)などを用いた衝立(ついたて)を飾った。

――侵入する賊の舟

大宰府管内に侵入する賊の一団。放送では、VFXによって何艘(そう)にもなるように作り上げていますが、ロケでは4艘の舟を用いて撮影を行いました。

舟に関しては、2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で制作した舟などを再利用。銅鑼(どら)を飾り、一部に赤い色をあしらって塗装が剥(は)げている様子などの表現を舟に加え、異なる民族が侵入してきたことを表現しています。

また取材の中で、白村江(はくすきのえ)の戦い以来、外国からの侵攻に備えて櫓(やぐら)を建て、地元の漁師などに常に監視させていたのではないかというお話を伺ったため、簡易的ではありますが監視櫓と漁師小屋を設置しました。

――前線となる大宰府の警固所

前線基地となる大宰府の警固所。その門には、古代に九州の南部地方に住んでいた隼人の盾を参考にした手楯を配置し、敵の弓矢などに備えを固くし、防御を高めています。また刀伊の入寇の際には、大宰府軍の武者たちが放った鏑矢から鳴り響く音に賊が恐怖し、逃げ出したという逸話があり、警固所内の一室には、鏑矢などを用いた衝立などを飾っています。

 

全特集 リスト