大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

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源倫子役 黒木華さん ~大切な人たちの、幸せを願う

一族の繁栄や周囲の人々の幸せを願いながら、嫡妻として藤原道長(柄本佑)を陰で支え続ける源倫子。土御門殿で開催していたサロン時代から付き合いのあるまひろ(吉高由里子)のことを今はどのように思っているのか、『栄花物語』を執筆する赤染衛門(凰稀かなめ)への思いなどについて、演じる黒木華さんに伺いました。

――改めて、源倫子という人物の魅力をどのようなところに感じていますか。

史実の道長さんが、「倫子の後ろ盾があったからこそ俺は成功できた」と書き残してくださっているようなので、“内助の功”のような存在だったと思うんです。なので、やはり、聡(さと)さとか、道長や自分の子どもたちへの愛情をしっかりと持っている、懐の深いところが魅力的だったのかなと思います。

――道長とまひろの仲を怪しむ倫子の心情表現は、これまでどのように意識していましたか。

難しかったですね。正直、自分としては終わったことだと思っていたといいますか、自分の子どもたちを入内(じゅだい)させて帝(みかど)も出たので、家としてやれることはやれたのかなと思っていて。そのことは道長に感謝しているし、私でも明子様でもない誰かと別の関係を築いていたとしても、それを乗り越えられるパートナーになれていたと思っていたんです。なので、これまでの感情表現の塩梅(あんばい)を演出と都度相談しながらやっていましたし、まさか最終回目前にしてまひろに直接聞くとは思っていなかったので、驚きました。

 

――サロン時代から現在に至るまで、まひろへの印象はどのように変化しましたか。

サロンにいたときは、「おもしろい女子(おなご)が来たな」という印象が大きかったと思います。「ほかの子とは違う才能を持った子だな」とも感じていたので、とてもかわいく見ていたと思います。そして彰子の面倒を見てもらうようになってからも、やはりすごく頼りがいのある人だなと思いましたし、サロン時代に自分が認めていた才能は思っていた以上に大きかったのだなと感じました。

終盤にかけては道長との仲を疑い始めていたので、才能を知っていたぶん、そして友だちっぽい雰囲気もあったぶん、複雑な思いではありました。道長が彼女に求めているものを倫子が補えればいいんですけれど、倫子にはないものですからどうしようもないですし…。今の倫子はどういうふうにまひろを見ているのか、なんだかいろいろと考えてしまいます。

――母親としての倫子はどのように変化してきたと感じていますか。

自分が両親におおらかに大事に育てられてきたので、子どもたちに対しても、「入内なんてさせなくていい。健やかに生きてさえくれればいい」と思っていたけれども、やはり道長の妻としては、彼が「入内させる」と言えばその道しかないんですよね。その中で、母として子どもたちの幸せのためにできることは何かを考えているし、倫子的には精いっぱいのことをしてきたつもりではいます。だけど足りない部分もあったというか、彰子のことをきちんと考えられていなかったという反省も強く持っていると思います。

――これから政治を先導していく息子・頼通には、母としてどのような思いを抱いていますか。

まっすぐに育ったとは思うんですけれど、だからこそ権力者としての道長とぶつかってしまうこともあるのかなと思うので、母としては「応援してあげたい」という思いです。奥さんの隆姫に対してもとても一途(いちず)ですし、いい子なんですよ。自分がやるべきことをきちんとこなして、好きな人と一緒になれたという幸せを感じたまま、まっすぐ進んでいってほしいと思います。「あなたの思うようにおやりなさい」と声をかけましたけれど、彼を信じて、ただ見つめているという立場に母としてはなっているかなと思います。

――赤染衛門に『栄花物語』の執筆を依頼しますが、長年尽くしてくれた彼女に、晩年はどのように過ごしてほしいと願っていますか。

幸せに過ごしてほしいです。自分が衛門に世話をしてもらっていたからこそ、衛門の教育の部分にはとても信頼を置いていて、娘を任せられると思ったのだと思うんです。倫子は家族思いではあるんですけれど、子どものことを理解しきれていなかったりもするので、まひろさんや衛門にはかなり助けていただきました。お世話になった人には全員、幸せになってほしいです。何不自由無く、健康に生きてくれたらうれしいなと思っています。

それにしても衛門の『栄花物語』への熱量はすごいですよね(笑)。「熱がこもった、早口だ!」なんて思いながら(笑)、でもそれも、倫子としてはありがたいし、うれしいです。

――新入りの猫・こまるも元気に動き回っていて、おもしろい場面でした。

こまる役の子はまだ3か月ということで、すごく動き回っていて、どこを見たらいいのかわからない場面でしたよね(笑)。動き回ったこまるの赤い紐(ひも)によって衛門がぐるぐる巻きにされてしまったりして(笑)、おそらくNGになったのだろうと思うのですが、私としてはぜひその映像を使ってほしかったくらい、自由なこまると衛門の熱量の差がおもしろかったです。初代の小麻呂も思い出しつつ、癒やされました。

 

――最後に、「光る君へ」の源倫子を応援してくださっている方々にメッセージをお願いいたします。

倫子を応援してくださっている方々はきっと、母としての切なさや報われない姿を見ていろいろと感じ取ってくださったのかなと思います。このあと、まひろと道長の関係性が明かされていったり、道長と倫子の未来が描かれていくことになりますけれども、どんな見方をしていただいてもきっと楽しんでいただけるような最終回になっていると思うので、どうか最後まで倫子の生きざまを見守っていただけるとありがたいです。

 

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