収録現場から出演者のコメントをお届けしてきた「君かたり」。動画内に収まりきらなかったコメントを含めて、源俊賢役の本田大輔さんにクランクアップ後にお話ししていただいた内容をテキスト版の「もっと、君かたり」としてお届けします。
――演じきった今のお気持ちを教えてください。
終わったばかりでまだまったく実感がわかないのですが、とにかく長い期間、撮影に参加できたことはとても幸せだったなと思います。準備段階からの話をすると、自分でこう言うのはあまり良くないんですけれど、髪の毛やヒゲを伸ばしたり、体重を増やしたり減らしたり、歯を抜いたり、悪あがきをいっぱいして、それも含めて作品のクオリティーが少しでも良くなってくれたらいいなと思っていたので、それが今この瞬間終わってしまったと思うと一抹のさみしさがあります。無我夢中にやってきました。
――クランクアップは、四納言でのシーンでしたね。
そうなんですよ。四納言のメンバーって、ふだんから四納言のキャラクターそのものみたいな会話を結構していて、「次のシーンどうしよう」という話し合いで意見の相違があったりとか、「俺ならこうする」「じゃあお前はこうしろよ。俺はこうするから」などの会話が四納言そのままで楽しかったです。青春のような時間でした。
――改めて、「光る君へ」の源俊賢は、どのような人物だったと感じていますか。
安和の変で父・高明(たかあきら)が失脚して、そこから辛酸をなめてきた俊賢なんですけど、藤原氏全盛のときに、時の権力者(道長)についていく、しかも俊賢が得意とする処世術をうまく使ってついていって、自分の存在を発揮する。そういうところは俊賢ならではの生き方であるなと思いますし、中でも道長につけたこと、そこで四納言のメンバーに出会えたことが、俊賢の方向性を変えたのかなと僕は解釈しています。
そして自分の血筋を残して子孫たちもしっかり内裏(だいり)に上がれるようになって、結果自分がやれるべきことはやり尽くしたのではないか、俊賢なりに大往生したのではないかと願望も込めて思います。
――特に印象に残っているシーンはありますか。
四納言がみんなそろって会話をするシーンは、すべて僕の中では印象深いです。あとは、曲水(ごくすい)の宴のときにまひろさんに会えたこと。僕、まひろさんと会ったのあの時だけなんですよね。あそこで「なぜ光る君を源氏にしたのだ」と聞いて、「亡き父・高明を思い出した。父はすばらしき人であった」という俊賢そのものの言葉をまひろさんに問いかけることができたので、僕の中で気に入っているシーンです。まひろさんもすごく深くてあたたかい表情をしてくれたので、自然とリラックスしてあのセリフを言えた気がしました。
――長い間、一緒に走ってきた仲間という感じがしますね。
そうですね。吉高(由里子)さんが演じるまひろ、そして(柄本)佑くんが演じる道長、この二人の大きさを感じながら、二人の背中を見ながら僕たちはずっと長い期間走ってきたので、卒業するのがさみしいです。まだ卒業したくない。浪人したいです(笑)。
四納言での最後のシーンも、ああやってみんなで酒を飲み交わしながら笑顔で終われたのがうれしくて。斉信役の金田(哲)くんがふざけたりとかしているのを見ながら、泣きそうになりました。これは一生の財産になるような作品に参加できたなと思いますね。本当に幸せな1年ちょっとでした。
◆君かたり