収録現場から出演者のコメントをお届けしてきた「君かたり」。動画内に収まりきらなかったコメントを含めて、藤原斉信役の金田哲さんにクランクアップ後にお話ししていただいた内容をテキスト版の「もっと、君かたり」としてお届けします。
――最後のシーンの撮影中、どのような思いになりましたか。
「本当に終わってしまうのか」というのと、「まだ終わってほしくない」という思いで、たぶん今までで一番緊張しました。自分の心臓の音が音声に入ってしまっているのではないかと不安になるくらい、バクバクでした。
――改めて、「光る君へ」の藤原斉信は、どのような人物だったと感じていますか。
とにかく出世欲が強くて、最後まで権力にしがみついた人だったので、あそこまでいったら大臣になりたかっただろうなと思いますね。どんどんみんな亡くなってしまったり、出家したりしましたけれど、最後の最後まで覚悟を決めて、みんなのことを思って、権力欲はあり続けたので、大臣になりたかったです。
――斉信は、仲間に恵まれた人物ですよね。
本当にそうですね。道長、公任、行成、俊賢、バランスが最高だったなと思います。みんな優しくていい人で、あのメンバーの中に入れた自分はなんて運がいいんだと思います。恐ろしいほど波長が合うというか。斉信としても金田としてもステキなメンバーに巡り会えたなと思います。一緒にごはんに行ったり、飲みに行ったり、最終的には道長(柄本佑)の家で起きたり(笑)、人に恵まれた時間でした。斉信さんも周りに恵まれていたから、最後の最後まで仲間のことを思って頑張れたのだろうなと思います。
最初は、初めての大河ドラマ出演で、しかも御曹司の四納言の一人だということで震えましたけれど、キャスト、スタッフ、こんなにステキな人たちに巡り会える結果になって、何周も回ってちょっと怖いくらいです。簡単な言葉に聞こえるかもしれないですけれど、「本当にこのメンバーで良かったな」「このメンバーじゃなきゃできなかったな」と思います。感謝ですし、勉強になりましたし、今回限りと言わず、また何かの形でご一緒できるように頑張りたいと思います。間違いなく金田哲として、この「光る君へ」は出世作となったと思っています。
――特に印象に残っているシーンはありますか。
序盤の、道長、公任、行成とのF4(藤原家四人組)のシーンですかね。公任に届いた文をキャッキャ言いながら読んだり、打毬(だきゅう)をやって女性にキャーキャー言われたり。その後、政治が絡んでくると少しギクシャクしたり、僕もつるむ人が変わったりはしましたけれど、結局は幼なじみのもとにみんな戻ってきて一緒にお酒を飲む仲であり続けたのもいいなと思います。ああいうシーンはやっていて自分も和みますし、同級生と話しているような感覚になって楽しかったですね。
終盤になると道長が亡くなり、行成が亡くなり、最後は公任と2人のシーンになってしまって、我慢しましたけれど泣きそうになりました。昔のキャッキャしていた時代、みんなで打毬をしたり矢を壺(つぼ)に入れて遊んだり、双六(すごろく)をやったり、楽しかったときのみんなの笑顔が走馬灯のように思い出されて、涙ぐんでしまいました。
――藤原斉信として過ごした時間は、金田さんにとってどのようなものになりましたか。
ものすごい有意義で、豊かで楽しい日々でした。撮影に行くのがワクワクして、現場に行ったらみんなが笑顔で「おはよー」と言ってくれて。アオハルでしたね。青春だったなと思います。だから今、ロスがすごくて…。「あの青春が終わってしまったのか」と心にポッカリと穴が開いたような感じで、明日も勝手にNHKさんに来てしまいそうなくらい、実感がないです。…夢だったのかな。みんなで雅(みやび)な衣装を着て、雅な景色の中でお芝居をして、おとぎ話のような良い夢を見ていたような気分です。
昔から見ている大河ドラマに初めて出演させていただきましたが、それが「光る君へ」で良かったと本気で思います。プライベートで街を歩いていてもいろいろな方に声をかけていただきましたし、藤原斉信という男を知っていただく機会に貢献できたことも光栄ですし、感謝という言葉しか浮かばないですね。「光る君へ」に出演できて、本当に良かった! ありがとうございました。
◆君かたり