大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

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藤原隆家役 竜星涼さん ~隆家らしい正義を貫けて良かった

収録現場から出演者のコメントをお届けしてきた「君かたり」。動画内に収まりきらなかったコメントを含めて、藤原隆家役の竜星涼さんにクランクアップ後にお話ししていただいた内容をテキスト版の「もっと、君かたり」としてお届けします。

――演じきった今のお気持ちを教えてください。

2023年の寒い時期に花山院に弓を射るシーンから撮影に入ったのですが、あっという間だったなと思います。髭(ひげ)モジャにもなりましたしね。最後のほう、大宰府から内裏(だいり)へ戻ったときには、見た目も含めて少し違う世界にいるような感覚にもなりましたし、隆家の気持ちの変化が雰囲気としても出たのではないかと思います。

――特に印象に残っているシーンはありますか。

やはり、最初に花山院に弓を射るシーン。あそこから最後、刀伊の入寇(といのにゅうこう)でまた僕が弓を射るシーンがあり、あの時の様子がフラッシュバックするような感じがしました。クランクインのときも馬に乗って矢をつがえましたが、大宰府ではあの時とはだいぶ心境も変わり、何回りも大きくなった隆家として馬上で弓を射たときは、なんだか少し不思議な、でもすごく良い時の流れを感じました。

――物語の序盤と終盤で、隆家の変化をどのように意識して演じましたか。

最初のころは常に兄(伊周)という存在がいて、兄の中での弟という立ち位置だったと思うのですが、だんだんと兄が呪詛(じゅそ)をするようになり、自分の生き方にすごくフォーカスして考えるようになったと思います。そうなっていったときの隆家には、ものすごい底力というか力強さがあって、演じていてかなりハツラツとしていて気持ちよかったんです。兄とも、お互い表現はあまりしないけれど、心の底では兄弟としての絆がちゃんとあったので、陰と陽のバランスみたいなものをつくることができたのではないかと今は思います。

――“自分の中の正義”を貫いて、結果的には時代を変える一端を担う人物になりましたね。

その“自分の中の正義”を人には見せずに終わることも当時は多かったかもしれないですが、隆家の場合は最後の最後まで通した男だったなと。そこは傍(そば)から見てもすごくカッコいい人物で終われたような気がするというか、裏のヒーローだなと思います。大河ドラマといったら戦(いくさ)で死んで亡くなっていく人が多かったり、何かしらの理由で亡くなっていく描写がすごくインパクトがあるとは思うのですが、その中で死なずに最終回まで残るということもいい経験をさせていただけたなと思います。最後の最後まで作品とともにいろいろな人たちと関わりながら存在できたことがすごくうれしかったです。

――藤原隆家として過ごした時間は、竜星さんにとってどのようなものになりましたか。

2022年に連続テレビ小説「ちむどんどん」でご一緒したスタッフさんたちが何人か現場にいらっしゃったこともすごく心強かったですし、主演の吉高(由里子)さんや道長を演じた柄本(佑)さんがいつも自然体で、時代劇だけど現代劇をやっているような、入りやすい空気感を常につくってくださったおかげで僕も思いきり隆家を演じることができました。

最後までずっと柄本さんとのシーンが多いのかなと思っていたら、吉高さんとも一緒にお芝居ができて、「こういうことが最終回までいると味わえるのか」「これがいろいろな人とお芝居ができる楽しさなのかな」ということも少し思ったりして。この作品に関われて良かったなという気持ちでいっぱいです。何より隆家が最後まで自分の正義を貫けたということ、そういう姿を見せられたことが僕としてはとても満足といいますか、良かったのかなと思っています。

――隆家が大宰府で守っていなかったら、日本はどうなっていたかわからないですからね。

そうですね。隆家は今までフツフツとさせていた思いを大宰府で指揮を執りながらかなえていったんだと思うんです。本人も「これだ!」という気持ちでやっていたと思うし、目の前のことを一生懸命やっていたのですが、内裏へ戻ってきたら「やっぱり俺の居場所はここじゃないな」と思って自分から中納言を返上してしまうという。そこがすごく隆家らしいというか、そういうシーンが描けるのも長い作品だからこそなのかなと。自分でも、花山院に弓を射ったときの隆家と大人になった隆家とでは違う表情を、この長い期間をかけて見せることができたと思っています。

 

◆君かたり

 

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