USスチール、米投資会社の人事案拒否 改めて「日鉄買収が最善」

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USスチール本社が入居するビル=米東部ペンシルベニア州ピッツバーグで、秋山信一撮影

 米鉄鋼大手USスチールは27日、日本製鉄による買収計画の破棄とUSスチールの経営陣刷新を求める米投資会社アンコラ・ホールディングスの株主提案を拒否する声明を発表した。アンコラの人事案には、敵対する米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスと関係の深い人物が含まれており、USスチールは警戒感を示している。

 USスチールは27日の声明で「日鉄との提携が最善の選択と確信している」と改めて表明した。「アンコラの利益はUSスチール株主の利益と一致しない。アンコラに経営を委ねても株主は利益を得られない」と指摘。「買収計画を破棄すべきだ」とのアンコラの主張は間違っているとの認識を示した。

 アンコラがUSスチールの新たな最高経営責任者(CEO)に指名したアラン・ケステンバウム氏は、経営破綻したUSスチールのカナダ部門を2017年に買い取って再生させ、24年にクリフスに約27億ドル(約4200億円)で売却した人物。27日の米ブルームバーグ通信のインタビューでは、USスチールのトップ就任に意欲を見せ、アンコラの計画に賛成する考えを示した。

 クリフスは日鉄による買収を阻止し、代わりにUSスチールを安値で買収しようとしている。USスチールは声明で「取締役指名の隠れた動機にも懸念がある」と訴え、提案の裏にクリフスによる買収計画が潜んでいる可能性があることへの懸念を示した。

 米メディアによると、アンコラはUSスチール株を0・18%しか所有しておらず、提案の実現には多くの株主の支持を得る必要がある。USスチールの株主総会の日程はまだ決まっていない。

 アンコラは27日、バイデン前政権が中止命令を出した日鉄によるUSスチール買収計画を破棄するよう求める書簡をUSスチールに送付。トップを含め取締役会の過半の9人を入れ替える人事案を盛り込んでいた。【ワシントン大久保渉】

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