出張教習てのは増田が使ったサービスでは家の前まで教習車乗った先生が来てくれて、自分は運転席、教習の先生は助手席に座って、いつも夫の運転で行くスーパーとかショッピングモールとかにその教習車で実際に運転して運転スキルを磨けるシロモノである。
友人も昔同じ出張教習の会社でペーパードライバーを卒業していたのと、狭い自宅の車庫入れも当然教えてもらえるのでこりゃ良いと思って数回分のチケットを買った。
行きたいところに行ってたくさん練習をさせてくれた。
雲行きが怪しくなったのはチケットが次で最後になった時の教習。妙に増田の人となりを聞いてくるし、「ぼくいくつに見えますか?」「ぼくって増田さんから見てアリですか?」と明らかに変なことを聞いてくる
いくつに見えるも何も、増田の一回り上の男性である以上のことは何も考えつかないし、アリもナシも増田は既婚なので何を言ってるんだ状態...
そういった質問をハハハとヘラヘラかわしながらとりあえず教習終了、最後の1回の日時を決めて自宅前で解散となった。
家計で買った1回1万円以上のこの最後の教習チケットを捨てても、この教習での違和感を大事にすべきだった。
最後の教習は高速教習だった。
高速に乗る前に「チケット追加します?」と聞かれたが前回の変な質問が頭にあったので今回で最後で、と軽く答えた。
そしていざ高速に乗った瞬間、とんでもねえ質問が飛んできた。
え、いや、え〜ハハハ....とどう返すのが正解か分からず愛想笑いをするしかなかった増田にガンガン追撃が入る。
「イったことあります?」「本当に気持ちの良いセックスってしたことあります?」「ぼくめちゃくちゃ気持ちよくしてあげられますよ」
死にたいのかお前は!!!!ペーパードライバーが高速走ってるんだぞ!!!!!と思うもまったく余裕のない増田は脂汗をかきながらハハハ...と笑いながら運転を続けるしか無かった。
地獄の高速教習が終わり、時間があるのでショッピングモール行きましょうと言われる。
仕事中これだけ我を出してくるんだから、変に逆らったらこの人多分怖いな、と思い始めハイと言って目的地へ向かった。
市街地を走ってる間も教習を使った客とセフレになったりこの教習車で客とスケベなことをした話をしていた、怖いのでハイ、ハハハ...と返していた。
そしてショッピングモールの駐車場に着いた、あそこのスペースに駐車してくださいと言われたのでそれに従う。えっちらおっちら駐車している間、なぜか先生はしきりに口臭予防スプレーをしていた。
そして駐車が終わると
「どうする?このまま喋る?練習する?」と聞かれた。
いやこっちはこれに安くない金額払ってるんだぞバカ言うな、と「駐車練習したいです」と答えた
すると「そっかあ...」と残念そうに呟きながらいきなり運転席に座っている増田の手を自分の手と恋人繋ぎにして握ってきた。
ぎょっとして固まる増田の手を握ったまま「ねえ、ハグしよっか...」と言いながらもう片方の手で自分のシートベルトと増田のシートベルトをカチっと外してきた。カチッ、という音だけが妙に鮮明だ。
「ダメですダメですダメです」とめちゃくちゃ言うとハグは諦めてくれた、でも頭はめちゃくちゃ撫でてくる、怖いキモい。
固まったままでいると「じゃあ顔見せて」とこれまた増田の顔を撫でながらマスクを外そうとしてきた。
もうドン引きだがこの狭い車内、下手に抵抗して殴られたら絶対に勝てない、携帯の入ったカバンは後ろの席にあって届かない、逆上させたらレイプされて殺されるんじゃなかろうかともう怖くて怖くて、とりあえずヘラヘラしながら「ダメですよ、ダメです」を繰り返した
何百回かダメですを言うと「えーそうなんだ...」と引き下がってくれた、「ハグは喜んでくれた人妻ばかりだった」「お別れのキスまでした奥さんもいた」とか今までの良かった卑猥な思い出を言いながらブツクサ文句を言ってきていたがそれ以上何かされることはなかった、本当に本当に怖かった。
そこからは駐車練習と自宅までの教習があったが今までの態度とは打って変わって信じられないくらい愛想の無い対応をされた。
ムカついたが怖いよりマシだった、こうしてすべての教習チケットを使い終わった。
仕事から帰宅した夫に上記の出来事を(情けないことに泣きながら)話すとすぐに「警察に言おう!」と言ってくれた。
さっそく警察に電話すると優しい婦警さんが対応してくれて、これ消費者センター案件ですかね別にエッチなことはされてなくてハハハ...とまたヘラヘラ言ってたら「あなたが巻き込まれたのは犯罪です!どれだけ怖かったか」と強い口調で言ってくれた。それを聞いた瞬間また泣いた。今度は安心感でだけれど。
ぜひ被害届を出して欲しいと言われたが、被害届を出すと誰が出したか分かってしまうので、住所も名前もよく行くところも知られているのが怖かったので出せなかった。被害届を出すか匿名のところで相談すると「被害届を出さないお前は未来の被害者を守れない消極的加害者」とものすごく罵倒されたが、こっちとしては見えない知らない未来の被害者のために自分の生活が脅かされるなんて言語道断だった。相談しておいてゴメンだけれど。
被害届を出さないことにしたと伝えると婦警さんは残念そうだったけど、でも気持ちもしっかり汲み取ってくれて、なんとこの事件からしばらく近所の交番の警察官が家の周りを毎日見回りに来てくれた。もう申し訳ないやらありがたいやら...。
タイトルの通り、すっかり出来なくなった。シートベルトを外すカチッという音があのねっとりとした「ねえ、ハグしよっか...」の言葉を頭から引き摺り出してきて、すごくすごく嫌な気分になる。あと助手席に夫が座っていると怖い。夫なのに。自分が助手席、夫が運転席だとシートベルトの音含め何も感じないのが不思議だ。
増田は結構性犯罪に遭ってきた。知らんおっさんに抱きつかれたこともあるし、痴漢には股に指まで突っ込まれている。ただの会社員だが、客先との飲み会で君は本当にブサイクだねと言われながら胸を揉まれ続け、すみませんとなぜか謝ったこともある。書いてたら情けなくなってきた。
でも今回のが1番怖かった。別にプライベートゾーンを触られたわけでは無いのに。でも密室で、知り合いが、女というカテゴリの「他人」では無く明確に「増田」の方を向いて欲望をぶつけてきたのが本当に怖かった。この恐ろしさはいつ癒えるのか分からない。
場所も時期も書いていない。フェイクも入れた.でも分かる人には分かると思う。ね、先生。
先生はきっと、増田がヘラヘラしてハハハ...と返してたのを俺のことが好きなんだ、これは同意なんだと思ったんだろうね。違うからね。怖いから、刺激しない解答を探して出てきた答えがあのヘラヘラした笑いとフラフラした返答だからね。弱いものはね、キッパリハッキリ断ったり、怒ったり、拒絶したり出来ないのよ。常にサイアクの事態を考えて身を守ろうと行動しているから。逆上されたらオシマイだからね。
今までハグやキスを喜んでくれた人妻って、多分増田と一緒だからね。怖くて怖くて、でも断れなくて、イヤイヤだけど怖いからあなたの欲望のまま、刺激しないギリギリのラインを行ってた人妻がほとんどだと思うよ。誰も喜んで無いよ。きっと家に帰って大勢の人が泣いてたと思うよ。
こんなクソ長い記事誰も読まないと思うけど、でも被害者が1人でも減りますように。被害届は怖くて出せなかったけど、啓蒙にはなってくれ。おしまい。読んでくれた人ありがとう。
要約:ジャップの性欲は異常