あはれ!名作くん 炎上 まとめ
前置き
これはEテレのビットワールド内で放送中のアニメ『あはれ!名作くん』のただの一ファンである私が記憶している2021年6月18日(金)から数日に及ぶ炎上騒動の様子および個人的な心情の記録です。
「忘れてやらないぞ」という気持ちで書いた、いわゆるお気持ち表明noteですので話半分で読んでください。
時系列を簡単にまとめると以下の流れになります。
忙しい人はここだけで十分です。
差別的な表現を含む動画が公式YouTubeにアップロードされる
→視聴者の間で問題視され非公開のち削除される
→公式からの謝罪が出るまでの間に新海岳人監督のスキャンダル(真偽不明)がとあるファンによって告発される
→それを受けて"名作くん"のTwitter検索結果がほぼ動画とそれ絡みになる
→公式サイトを通じて製作委員会と監督から問題の動画について謝罪がある
ほぼ同時に監督とファンの件も収束する
炎上その1
2021年6月18日(金)にあはれ!名作くんの公式YouTubeチャンネルで問題の動画が公開されました。
内容はキャラクター2人が"悪口しりとり"をするというものでした。
その中で子ども向けアニメにはふさわしくない表現、特に障害者への差別的な表現がなされたことが"最初の"問題でした。
私は毎週のテレビ放送を録画しておき、帰宅後すぐに見ている程度にはファンです。DVDも数枚持っています。
でも私はその動画を見ていません。
監督の現在は削除済みのツイートに、
「せっかくなのでEテレだと言えないことを言うやつにしました。こっそり見て。」
というものがありました。これに嫌な予感がしたからです。
そのツイートでこれまでの彼のTwitter上でのモラルに欠ける行いを思い出しました。
彼が過去に名作くんの出演者であるうしろシティのラジオについてツイートしたとき、ラジオ音源のリンク先がradikoではなくYouTube上の違法アップロード動画だったり、ジャンプ+の漫画をひとコマキャプチャしたものを言い訳しつつツイートに貼ったりとクリエイター側の人間とは思えないことをやっていました。
これらのことをフォロワーから指摘されても謝らずに投稿の削除で済ませています。
正直言って監督のツイッターはウォッチ目的というか、あの動画のような地雷避けのための事前情報くらいに思っています。
問題の動画について視聴者が声を上げ、そのほかにも見えないところでいろいろあったとは思いますが動画自体はその日のうちに非公開になり削除されました。
ここまではまだ動画内の差別的な表現についてだけが話題であったと認識しています。
炎上その2
ですが、ここから事態はあらぬ方向に進展していきます。
監督と個人的に付き合いのあったらしいとある若い女性ファンが、二人の間で行われたLINEのやりとりと主張するスクリーンショットをTwitter上に晒し上げたのです。
さらにそのファン本人によるブログに事の経緯が克明に記されておりディテールの細かさもあってTwitterの名作くんファン界隈では話題になりました。ちなみにスクリーンショットとブログは現在どちらも削除済です。
ここには訴訟リスク的に書けないような内容の告発もあり、ここから一気に監督の人間性、倫理観を疑う方向の炎上が追加されました。
当初の問題がこういう飛び火の仕方をするのはまったく予想外でした。
ちなみにこの件についてネット上では監督は沈黙を貫いています。
真偽はともかく自ら触れてもろくなことがなさそうな話なので当然ですね。
今の時点で事態は収束しておりそのファンの方も納得されているようなので詳細は書きません。
大雑把にまとめてしまうと、クリエイターとファンの間で起こってしまった作品を間に挟みつつの人間関係のトラブルです。
そのやりとりの公開から公式サイトでの謝罪文が出るまでの期間、少なくともTwitter上で作品名を検索するとこの話題ばかりになりました。
私は当事者ではなくそのファンの方の言い分を鵜呑みにすることはできませんし、言ってしまえば噂の域を出ない話です。
ですが監督のこれまでのネット上での言動のせいなのか、Twitterユーザーの作品ファンからは一定の説得力を持ってしまったようです。
先述のTwitter上での細かいやらかしもあるし、なによりTwitter上でしか観測できていませんが監督は自身の作品のファンとの距離がとても近いのです。
二次創作するファンをフォローしている数やファンアートへのいいねも公式側としては珍しく多いです。
過去のグッズ販売イベントの時にラインの件とは別のファンの方のツイートを見てその方の当日の服装を覚えていて、サインを書いてあげながら監督自ら「○○さんですか?」と話しかけたこともあるようです。
このこと自体はまったく問題ないですが、一度も会ったことのないファン個人をそこまで認知しているクリエイターはコンテンツの大きさからするとまあまあ変わっていると思います。
二次創作するタイプのファンをたくさんフォローしているとタイムラインの勢いもすごそうですし、リスト管理でもしているのでしょうか。
推測ですが彼は個人のTwitterアカウントを会社の代表であり名作くん等の監督であるというスタンスよりも一人のクリエイター、そして一個人として運営している側面が強いのだと思います。
だから距離が近いし、後述しますが各作品や会社としてではなく個人の見解として検索よけをなるべくしないほうが嬉しいなどの発言をしたのではないでしょうか。
ですがフォローしているファンの多くはあくまで好きなアニメの監督としてしか見ていないのではないでしょうか。
本来のターゲット層である子どもたちの次くらいには大人の女性ファンが多いので(個人の感想です)LINEの件周辺は内容も相まって感情的な言葉が飛び交い、今までのファン界隈とはまったく違う様相を呈していました。
熱心なファンほど失望し名作くんというコンテンツから離れていき、離れずとも今まで通り応援できなくなってしまった人もたくさんいるようでした。
私も今まで通りとはいかなくなった一人です。
炎上その3
また、LINEを晒した方がそのような行動をとったこと自体や彼女の二次創作のやり方に憤る人も出てきて、当初の問題とはより一層離れた方向に波及していきました。
私はあれは当事者以外からするとゴシップに過ぎないようなこととはいえ、問題の動画を受けて彼女なりの理由があってやったことであり、制作会社側と話し合いが持たれたということは(話し合いがあったことの真偽も外野には知るすべはないのですが)少なくとも聞く耳を持ってそれなりに話し合う価値のあることだったのだと解釈しています。
個人的には彼女のキャラ解釈や思い入れなど理解できないことはありますが、問題の動画の表現について根深いものがあるのだと感じて材料を出したのだと一定の理解はできました。
ただ名作くんをよく知らない層にまで二次創作界隈のことを知られる危険性はあったし見たくないものを見てしまった人もいると思うので、せめてそういう要素のないアカウントを使うなどの配慮は必要だったかもしれません。
少し話がそれるように感じるかもしれませんが、監督が過去にあくまで個人の見解として、強制はしないけど宣伝になるからSNSで自分の作った作品について発信するとき検索よけしないほうが嬉しいし応援になる、BLなどの内容でも関係ないという趣旨の発言をしていたことは問題だと思います。
監督個人の見解といえどLINEを晒した方は作品を応援するファンとして繋がっておりさらに個人的な付き合いがある以上、自分の二次創作の作品を隠す選択をすることは難しかったのかもしれません。
彼女が万人向けではない二次創作を公開していたことは名作くんが子ども向け番組なのもあり確実に問題ですが、その行為を助長していたのは元はといえば監督です。
そして謝罪
番組公式Twitterで6月18日夜の時点で動画内に不適切な表現があったことについて謝罪がありました。
3日後の6月21日、番組公式サイトに今回の件についての謝罪文が掲載されました。
これで一応の収束はしたわけですが、個人的にはここにある監督の文章にも問題があると思います。
製作委員会からの文章だと視聴者が傷つき、不快に感じたことへ謝罪しています。重箱の隅をつつくようですが監督は視聴者に不快感を与えたことについてしか謝罪していません。
快不快というものは暑い寒いのようないわば個人の主観的な感じ方でしかないわけですから、身もふたもない言い方をすれば「お前の気に入らないことをして悪かった」ということです。
卑近な例だと家族のテレビの音量が大きいとか職場の冷房がきついとかそんなことと同じ次元です。
子ども向け番組で人格形成に悪影響を与えかねない差別的な表現をしておき確実に傷ついた人がいるのに、そのように個人の感覚に矮小化するようでは到底謝罪に値するとは思えません。
本当に不快なだけで特定の属性の人を傷つける可能性が高い表現がなかったのであればその謝り方でもまったく問題なかったと思います。
さらに以下に公式サイトの文章の一部を引用します。
(引用はじめ)
自分の中でセリフの問題性の認識はありましたが、
YouTube限定であるということを理由に、過激な方向の表現を選択してしまいました。
「あはれ!名作くん」クリエイティブの代表者として、信頼を失う行為だったと反省しております。
(引用おわり)
本当に問題性をきちんと認識していたのでしょうか。
そしてYouTube限定であることを理由にという部分も、今どきYouTubeなんて誰でも見るのにEテレで放送しないというだけで子ども向け番組だという意識がいつもより薄くなり、さらに製作委員会の目もないから好きにやってしまったということでしょうか。
前述のファンとのトラブル抜きでも十分に落胆しました。
あの動画が出て削除されてから公式サイトの謝罪文が出るまでの間、監督は彼の友人、それとキャラデザの方の展示会の合計2件に行ったことをツイートしていたり、「みなさんに楽しんでいただける作品を作れるよう精進して参ります」などとズレた発言をしていたりという状態だったので正式に謝罪のポーズを取ってくれただけマシなのかもしれません。
謝罪文へのリンクを貼った監督のツイートでは「名作くんは僕一人の作品ではないので対応が遅くなってしまった」と言っています。
土日を挟んでいたので製作関係者も休みだったのかもしれませんし対応が遅くなるのは理解できますが、それだったら解決するまではプライベートで何をするのも勝手ですけどTwitterくらい黙っておいた方がよかったのではないでしょうか。
そもそも表現が他人のせいにしているようで言い訳がましいです。
また問題の動画をアップしていたYouTubeの名作くん公式ページ(監督が代表を務める会社が管理)では謝罪文の投稿はなく、コミュニティ欄にイベントの告知などはあっても公式サイトの謝罪文ページへのリンクは貼られていません。(2021年6月27日現在)
YouTube上で問題を起こしたのにも関わらず、少なくともそこではなかったことになっていると受け取れます。
騒動から一週間たって
2021年6月25日(金)、予定通りEテレのビットワールド内で最新話が放送されました。
今回の内容はまったく問題ないと思います。
あのような監督の指揮のもと放送開始からこれまでの約5年間よく無事でやってこれたものだと、Eテレというフィルターの優秀さに感心しました。
思い起こせばこれまでの放送でも監督が手掛ける脚本に透けて見える彼の思想のようなものにいくつか引っかかるところはありました。今回のように明らかにアウトなものはなかったので見ないふりをしていたように思います。
詳しく思い出したり調べたりするのも面倒なので割愛しますが、今回の様なことが起こる下地は前々から整っていたのかもしれません。
これまで作品にはとても楽しませてもらいましたし、今後の放送で更なるチェック体制の構築と管理の徹底等の再発防止策とやらがきちんと実行されたことを実感できれば、あはれ!名作くんという"作品自体は"応援していきたいです。
また心から楽しめる日が来ることを願っています。
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