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週刊文春、中居氏報道で訂正お詫び 記者会見は?検証記事は? #専門家のまとめ

楊井人文弁護士

週刊文春が中居正広氏に関するスキャンダル報道で、事件当日X子さんが誘われたのはフジテレビの「A氏」ではなく「中居氏」だったとする訂正を発表した。10時間超のやり直し記者会見翌日に発表したこともあり、主要メディアも一斉に報道。記者会見を求める声もあがるなど波紋が広がっている。誤報自体以上に問題なのは、遅くとも3週間以上前に間違いに気づいていたとみられる点だ。

訂正発表後の文春の対応に焦点を当てて、注目記事を紹介する。なお、誤報とフジテレビの諸問題は別で、第三者委員会の調査等を見守る必要がある。

ココがポイント

橋下徹弁護士「しっかりと事実訂正を大きく報じて、僕は謝罪すべきだということを文春に伝えました」
出典:FNNプライムオンライン:文春が訂正「食事に誘ったのは、社員ではなく中居氏」有料の電子版のみで…専門家「しれっと差し替えていいのか」フジテレビ「当初より一貫して主張」 2025/1/28(火)

週刊文春編集部はnews23の取材に対し、「1月6日までに修正した部分について把握していた」(と回答)
出典:TBS NEWS DIG:中居さんと女性とのトラブル報道めぐり週刊文春が“修正” 「中居さんに誘われた」フジ社員関与の記事【news23】 2025/1/29(水)

(週刊文春関係者は)「第1弾の取材は裏付けが甘かった(…)すぐに訂正を出す必要はないと思っていた」と語った
出典:毎日新聞:週刊文春編集長「橋下徹さんの指摘で訂正」 中居正広さん巡る記事 2025/1/28(火)

竹田編集長は「社としてはコメントがすべて」として(…)記者会見の開催などは「考えていない」とした
出典:産経ニュース:週刊文春の記事訂正を編集長釈明、橋下氏が指摘「しれっと上書き」 1月6日には認識 2025/1/28(火)

エキスパートの補足・見解

週刊文春の訂正については「過ちは過ちと認めないと、どんどん間違った方向へいってしまうので、訂正したこと自体はいいこと」(砂川浩慶立教大教授、NHK報道)との指摘があり、その通りだ。

一方、今回の訂正は第一弾記事の根幹部分に関わる。「フジ社員が女性を誘い出し、自らはドタキャンして中居氏と2人きりにさせた」という証言に基づくストーリーは、読者に強い怒りと責任追及の感情をかき立てるに十分すぎるインパクトがあった。

以下の点も踏まえた検証が必要ではないか。

・第一弾には社員の関与を明確に否定するフジ側のコメントもあった。それでもなお証言を真実と信じるだけの取材を行っていたのか。

・1月6日までに誤りを把握したと明らかにしているが、その後どのように対応したのか。橋下氏から指摘を受けた後も、当初は明確な訂正を出さなかったのはなぜか。

重要な事実の誤りがあった場合に「続報でしれっと上書き修正」ではメディアの信頼は保てない。続報を精読する読者ばかりではない。他のメディアも他山の石とし、SNS時代の訂正基準を再考する機会にしてほしい。

誤報に気づいたメディアが速やかにファクトチェック報道を行うことも期待される。

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ありがとうございます。
弁護士

慶應義塾大学卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年より誤報検証サイトGoHoo運営(2019年解散)。2017年からファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)発起人、事務局長兼理事を約6年務めた。2018年『ファクトチェックとは何か』出版(共著、尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。2022年、衆議院憲法審査会に参考人として出席。2023年、Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット賞受賞。現在、ニュースレター「楊井人文のニュースの読み方」配信中。ベリーベスト法律事務所弁護士、日本公共利益研究所主任研究員。

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