長いおやすみ
これから4年間は、アメリカ合衆国という国は存在しないのだという。
トランプが大統領になるからです。
政治的怒りや憂慮というより、「あの醜い顔を見たくない」という単純な理由のほうが多いように観察される。
ノルマンディの「大西洋要塞」Atlantic Wallのペトンのように厚いファウンデーションを塗りたくって上からサン・タンクリームで着色したブキミな顔を見ると一日食欲がない。
政治家は、どうせウソツキで、アメリカ大統領などは嘘つき総本山なのだから嘘は構わないが、その嘘が有色人に集中しているのが解せない。
第一、あのバカっぽい声はなんだ、という。
それってルッキズムちゅうものなんじゃないの?と揶揄うと、
バカ野郎、ガメ、男は見た目だ!、と、ギャオスに似た顔をひきつらせています。
わしに殺人光線発射しないでね。
トランプの勝利の第一原因は「わかりやすさ」でしょう。
メキシコの人がおおいなあ、とおもう人がいる。
マンハッタンなどでは、例えば料理店でいえば、ベトナム料理でもインド料理でも、中華料理でも、日本料理でも、メキシコ人料理人が多くて、シェフとスーシェフくらいまでは、オーセンティックに、ベトナム料理はベトナム人、インド料理はインド/ネパール人、と平仄をあわせていても、その他おおぜい調理人は、ほぼメキシコ人だと相場は決まっている.
そこで、「これはうけるな」と看て取った、元リアリティショーホスト、ドナルド・トランプは、メキシコとの国境にフェンスをつくっちまうべ、と言い出す。
第一期目でテレビクルーを呼んで、大大的にフェンス工事を始めて、手前の端っこからローアングルで撮って、カメラの画面で、地平線の彼方につづくような構図ができるところまでつくって、そこで止めちゃうんだけども、
一応、絵になれば、それでいいので、でけた!見ろ、おれは約束どおり犯罪ばかり起こすメキシコ人をブロックしたぞ、と雄叫びを挙げる。
「ところで、メキシコに建設費を払わせると言ってたのは、どうなったんですか?」とレポーターに聞かれるが、それには応えません。
老人の特権を発揮して選択的難聴なので、都合が悪いことは一切聞こえない。
情事の相手に「ボタンマッシュルームみたい」と、気の毒にも嘲笑された チビ○ン(←ルッキズムなんじゃないですか。抗議します)を、ヒクヒクさせているところをみると、傷付いていなくもないようだが、顔には出しません。
「強い男」を判りやすく演じるためです。
トランプがカメラに写るだけの延伸のフェンスをつくって放り出したあと、
バイデン政権になって、すったもんだの末、フェンスは矢張りあったほうがいい、ということになって、民主党政権下でも、この「万里の長塀(ちょうべえ)」建設を続行することになるが、なにしろ民主党は民主党なので、あんたらEUか、といいたくなるくらい、建築要項をつくるのに、もめにもめて、高さが(だいたい英語社会では条例で定められている)1.8m以下にするか、3mにするかで、口角泡を飛ばす激論になった。
どこの国でも「ムダに頭がいい」人間が集まるのがリベラルの傾向で、
トランプ政権では5秒で決まったものが、1ヶ月経っても決まらない。
ね?
政治の世界では5秒しか考えない人間が強い理由がわかるでしょう。
事実の重み、ということをよく口にする。
アジア人?
あの人たちはナイスで勤勉だが、嘘を平気で、つく上に、マネは上手にやるが、新しい価値を創造することは出来なくて、白色レグホン、じゃないや、白色人種には劣っている。
それにチャイナウイルスでも判るとおり、不衛生だよね。
でも、いろいろお願いして、こっちのために仕事をさせるには、良い人間たちだとおもう。
文句言わないし。
イエスイエスイエス、オフコースで、80年代の日本のポップバンドみたいだし。
あれがきつめで、好きな人は好きだし。
あれって、なにかって?
知らんよ、そんなことは。
あんたは話が判らん男だな。「男同士」の話が出来ないのか。
きみは事実の重みを知らない男だな
科学なんて専攻したからじゃないの?
アフリカンアメリカン?
きみ、古いね。このごろは、彼らは自分たちでも「黒人」と呼ぶのよ。
わたしですか?
わたしは彼らへは意見はありません。
やばいことは言わない主義です。
でもゴリラを美しいという人もいるからね。
そうやって、チラチラと、腰が抜けそうな偏見を覘かせながら、
偏見の吐露のほうは、判りにくくすれば問題にはならない、と学習している。
とにかく、あいつだけは、顔も見たくない。
そのうえに、今度はオタク中年のイーロン・マスク付き!
やってられんわ。
あんなのは市民権を剥奪して、HENTAI族の総本山、本人が大好きな日本かどこかに梱包して送ってしまえばいいのではないか。
それやこれや
せんだこれや
なんだこれわ
2015年のサンクスギビングには、モニさんとふたりでオレンジカウンティにいた。翌年の1月20日にはトランプが大統領に就任することが決まっていました。
用事があってWells Fargo銀行に出かけた。
出て来た支店長は知性的で品の良いメキシコ系の女の人で、3時間くらいも話していた。
よもやま話がいっぱい出て、サンクスギビングの買い物のアドバイスで、秘書の人も交えて盛り上がったりした。
このときに気が付いたことがあって、そのあと滞在中ずっと観察していて、びっくりしたが、「トランプ」という名前を口にする人がひとりもいない。
有色の人は口を閉ざしていて、かというと、そんなことはなくて、例えばその支店長の人も見た目はまったくの白人だが、祖先はゲルマニーかケルトかの人達も、まるで「アメリカに大統領なんていたっけ?」という態度でした。
問わず語らず
トワーズ 6ピエ1.949メートル
暗黙のうちに「アメリカには大統領は存在しない」ことになっていた。
見事なくらいで、このあと、なんどもモニさんと思い出して話すことになる。
つまり、そういうことなんですね。
そのうえ、今回は二期目で、「もしトラ」という日本のひとたちの言い方を借りれば一期目が「仮トラ」なら、今度は「マジトラ」です。
極右だ、独裁だ、というよりも、アメリカ合衆国がまるごとリアリティショーを構成して、あの未成年性交愛好家で強姦魔のおっちゃんは、
その判り易すぎるくらい判りやすい、お下品ショーのホストとして4年間ふるまうに違いない。
今回は、しかも、イーロン・マスク、マーク・ザッカーバーグ、ピーター・ティール、ラリー・エリソンのテックジャイアント領主たちの円卓会議付きなので、民主社会の破壊が、さぞ効率的に進むでしょう。
友人たちのなかでも投資家やビジネスマンに分類されるひとびとは、当たり前だが、トランプ的な世界になると、少なく見積もっても、3倍は儲かるでしょう。
だいたい、この15年で、資産が3倍、というペースなので、
4倍速で、オカネモウケという点ではめでたいことこの上ないとも言えるが、前にも述べたように「いくら儲かったってトランプの世界では仕方がない」で、みんな一様にゲンナリしたり、酒に溺れたり、庭のプールで溺れたりしている。
考えていると鬱病になってしまいそうなので、アル中も、ヤク中も避けて、ゆいいつの解決策は、「トランプはいないことにする」
「アメリカ合衆国はないことにする」
であるようです。
4年の我慢、といいたいが、全員、「4年で終わるわけないよね」とおもっている。
こうなったら「夏休みの課題生活」に戻るしかないというおもいに自然にたどりつくようで、
本の天金に張った蜘蛛の巣を払いのけてジョン・ロックを開く人もいれば、
ルネ・デカルトから世界認識の道をたどりなおす人もいる。
仕事のほうは、トランプ的な世界になれば、貧しい人はどんどん貧しくなるが、オカネモチは、ほんとうに、ほっといても、どんどん儲かるだけなので、常に過労死寸前のentrepreneur組や雇われCEO/役員組は別にして
少なくとも不動産収入やなんかのオールドマネー組は、トランプやアメリカがないことにするついでに、オカネも存在を忘れて、読み残した本や、もういちど読みたかった本をライブリのテーブルに重ねて、読み始めている。
人間が社会と交わした契約の内容は、どんなものだったか
自由とはなにか
自分たちの言語には何が眠っているのか
思い出さなくてはならないからです
それから、めいめい旅に出る。
海を越えて、聖杯を探すひとのように
神を捜索する人のように
そして若い人たちがいる
なによりも、若い人たちがいる
きっと、かれらのあいだからは、新しい叡知や、AIなどではおもいもよらない跳躍的な考えが出てくるはずです。
4年なのか、10年か、
この人類の長い夏休みのあとで、なにが出てくるのかに、未来はかかっているのかも知れません


コメント
1公共図書館が廃棄したような古い本が案外面白かったです
手書きで書いていたかつての日本語とその言葉で練られた思索が残っている感じがいたしました