「部下の目を見れば、隠し事をしているかわかる」三菱UFJ銀行が「行員の14億円窃盗」を見抜けなかった"盲点"
■社会的な信用悪化は避けられない 今回の貸金庫不正問題をきっかけに、商業銀行の信用は低下する恐れがある。三菱UFJは貸金庫ビジネスをどう扱うかを検討するとしている。不正撲滅策としてのシステム導入などのコストに加え、貸金庫が脱税や犯罪に使われるリスクもある。 主要投資家の中には、同行の関係役員の役員報酬減額で済むとは考えづらいとの見方もある。貸金庫問題の実体解明が進むに伴い、金融庁が業務改善命令を出す可能性もあるだろう。 1月16日以降、貸金庫の新規受付を原則停止、あるいは貸金庫の予備鍵の管理強化を発表した国内の銀行は増えた。今後、他の銀行でも、貸金庫ビジネスの潜在的なリスク、運営コスト負担を理由に縮小や撤退を表明するケースは増えそうだ。今回の問題は、わが国における銀行の社会的な信用悪化につながる恐れを持つ。今回の事件を過小評価することは適切ではないはずだ。 ---------- 真壁 昭夫(まかべ・あきお) 多摩大学特別招聘教授 1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授、法政大学院教授などを経て、2022年から現職。 ----------
多摩大学特別招聘教授 真壁 昭夫