• もっと見る
leprosy.jp
resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
Google
<< 2025年01月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
プロフィール

笹川 陽平さんの画像
笹川 陽平
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク集
https://blog.canpan.info/sasakawa/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/sasakawa/index2_0.xml

「塀のない刑務所実現へ」―鈴木法務大臣へ提言書― [2025年01月29日(Wed)]

「塀のない刑務所実現へ」
―鈴木法務大臣へ提言書―


日本財団では刑務所・少年院からの出所者に再チャレンジの職場を提供しようと、12年前から中小企業の社会貢献活動に熱心な社長、オーナーを説得して、彼等を従業員として採用してもらい、親代わりになってお世話下さる職親企業の拡大に努力してきました。現在、全国に526社に拡がり、努力を続けてくれており、何とか全国に1500社のネットワークを作りたいと職員一同懸命の努力を続けており、仕事柄お堅い役所の筆頭である法務省も非常に協力的であります。

ただ、出所者の多くは社会性や基礎学力が十分に身につけられていないケースも少なくなく、パソコンの使用方法の指導が必要になる場合もあります。2~3日で出社しなくなる人も多く、それでも職親企業の経営者は日夜懸命の努力を続けておられます。

日本財団でも定着率の向上へ色々と知恵を絞る中で、日本の風土に適した「開放型の塀のない刑務所」の実現こそ大きな課題解決の方法ではないかと専門家の先生方と勉強会を続け、この度提言書がまとまりましたので鈴木法務大臣に手交してきました。大臣には「これは単なる提言書ではありません。法務省に予算のない場合は全額日本財団が費用負担しても実現したい職親企業の総意です」と申し上げました。

写真①.jpg
鈴木馨祐法務大臣に「塀のない」刑務所の整備に関する提言書を手交



以下は1月23日付のYahoo!ニュースの記事です。

*******************
日本財団が「塀のない刑務所」を法務大臣に提言
スムーズな社会復帰めざし整備求める


鉄格子や敷地を覆う壁がない「塀のない刑務所」の整備に向け、日本財団が鈴木法務大臣に提言書を提出しました。

写真②.png
日本財団が「塀のない刑務所」を法務大臣に提言


【日本財団笹川陽平会長】
「再犯をしないように、新しい仕事につくきっかけを作るためには開放型の刑務所が有効であろうと」日本財団の笹川陽平会長は23日午前、鈴木法務大臣に「塀のない刑務所」の整備を求める提言書を提出しました。

提言書では受刑者が塀のない施設に暮らし、民間の職場に通うインターンシップに参加することや刑務所にカフェを併設し、地域住民を接客するなど、スムーズな社会復帰ができるようなモデル施設の整備を求めています。

社会復帰の意欲があり、釈放後も塀のない施設がある地域での生活を希望している受刑者から選ぶとしています。一方で、逃走などに備えた保安警備については、カメラや生体認証など最新の機器を用いて管理するとしています。GPSを装着させるかについては検討するということです。
ブックマークボタン

【私の毎日】1月28日(火) [2025年01月28日(Tue)]

1月28日(火)

6:30 財団着

7:45 スピーチ練習

8:35 海洋問題打合せ

10:00 日本財団理事会

12:50 岡野正敬 国家安全保障局長

14:00 財団内打合せ

終日 打合せ、原稿書き、寄付金への礼状書き
ブックマークボタン

「インド・スリランカ ハンセン病支援活動」―インド第20回グローバル・アピール― [2025年01月28日(Tue)]

「インド・スリランカ ハンセン病支援活動」
―インド第20回グローバル・アピール―


明日よりインド・スリランカで11日間の活動です。

インドでは、ガンジーのハンセン病患者・回復者への支援に対する功績をもとに制定されたインドのハンセン病の日である1月30日に、第20回目となるグローバル・アピール式典をオリッサ州で開催します。世界のハンセン病制圧と患者・回復者への偏見差別の撤廃のために50年間も世界中で闘ってきましたが、いかんせん私は非力であります。そこで世界中の各界の指導者や有力団体の力を借りてグローバル・アピールを発表して今年で20回目となり、今回はハンセン病患者が比較的多い56ヶ国の保健省の賛同を得て発表します。これまで以下の通り多くの方や団体の協力をいただきました。

グローバルアピール.png


グローバル・アピールの開催地であるオリッサ州では、ハンセン病患者、回復者の現状・実態を視察するため集団で生活するコロニーの訪問、及びハンセン病施設の視察、回復者の現状報告と改善への会合に参加するほか、同州の高官との会談を通じ、ハンセン病制圧活動への一層の努力と協力を陳情する予定です。2月3日にはスリランカに入ります。

スリランカでは、シンハリ族とタミル族の内戦終結後、日本財団の支援で北部に建設された100ヶ所の学校の現状を視察の上、援助の可能性を検討。また、内戦で手足を失った方々のために設立した義手義足の学校及び各地ハンセン病施設を訪問の上、新内閣の政府高官と精力的に会談の予定です。帰国は2月8日の夕刻の予定です。
ブックマークボタン

【私の毎日】1月27日(月) [2025年01月27日(Mon)]

1月27日(月)

6:30 財団着

8:00 トレーニング

9:30 SPFアフリカ専門家会議

13:00 松永恭二 丸亀市長 寄付金授与
    ※海と日本プロジェクト推進基金1000万円

DSC_0624.jpg
香川県丸亀市から海と日本プロジェクト推進基金へご寄付をいただく。


13:30 財団内打合せ

14:00 藤田幸久 国際IC日本協会会長

14:30 財団内打合せ

16:00 中林美恵子 東京財団政策研究所常務理事

18:00 宿利正史 運輸総合研究所会長

終日 打合せ、原稿書き、寄付金への礼状書き
ブックマークボタン

「中国の小話」その327―愛国者の正体バレ― [2025年01月27日(Mon)]

「中国の小話」その327
―愛国者の正体バレ―


9月7日、北京郊外の円明園遺跡で起きたことです。

中国人男性が日本人数名を円明園の遺跡に案内し、記念撮影をしようと思ってカメラ画面に入ってしまう隣の髪の毛を銀色に染めた男性に、少し側によけていただけないかと丁寧に頼みました。

思いもよらず、銀髪男は途端に逆上し、携帯のカメラを回しながら「彼らは日本人だろう?俺は日本人なんかに場所を譲らないぞ」、「ここは円明園。日本人が来るべきところじゃねぇ」、「円明園は八国連合軍に焼かれたんだ。日本軍も入っていたぞ」と大声で叫びながら、情景を録画していました。案内役の中国人男性を「売国奴」と罵倒し、男性と日本人がその場を去ろうとしても、銀髪男は執拗に絡んできます。

当日夜、銀髪男によって編集されて説明の字幕まで付けられた動画がネットに投稿され、爆発的なアクセス件数を獲得しました。ただ、フォロアーたちのメッセージを見ると、必ずしも銀髪男が狙った「愛国青年を礼賛する」発言ではなく、むしろ彼の行動に異議を唱え、批判するものが多数を占めました。

それで「銀髪愛国青年の正義ある行動」劇は終了するかと思ったら、予想外の第二幕が待っていました。

「あいつ、数年前にアメリカで未成年女性暴行罪で逮捕された○○じゃないの」、「そういえば本当に顔が似ているな」、「おーい、そうだろ!お前はあのごろつきだろう」、「刑期を終えて釈放されたんだな」、「アメリカで国外追放されてここで愛国主義商売をしているんだな、この下劣野郎」...「愛国青年」の正体が一気にバラされ、彼の発信サイトは炎上してしまいました。そして480以上掲載されていた動画作品は急激に削除され、翌日には僅か6つを残るだけとなり、これによって生計を成り立たせてきた仕事道具は一夜にして無残な姿に変わり、もはや稼ぐ道具として成り立たなくなってしまいました。

この事件は、中国外交部の定例記者会見でも取り上げられました。メディアに事件に対する感想を聞かれたところ、外交部のスポークスパーソンは、「事実の詳細は掌握しておりませんが...中国は開放した寛容的な国で、特定の国に対して差別的な対応を取ることはない」とコメントしました。

さて、銀髪愛国青年を待っている第三幕はあるでしょうか。
ブックマークボタン

【私の毎日】1月24日(金) [2025年01月24日(Fri)]

1月24日(金)

6:30 財団着

8:00 トレーニング

10:00 南里隆宏 笹川保健財団理事長

10:30 鈴木真理 東京財団政策研究所常務理事

11:00 財団内打合せ

13:00 米澤 敬 工作舎取締役編集長

14:00 仁和寺住職

14:30~16:30 笹川平和財団

17:00 テドロス・アダノム WHO事務局長 オンライン会談

終日 打合せ、原稿書き、寄付金への礼状書き
ブックマークボタン

「B&G財団第17回全国サミット講演」―参加者800名― [2025年01月24日(Fri)]

「B&G財団第17回全国サミット講演」
―参加者800名―


B&G財団はBlue Sea and Green Land財団といい、緑の国土と海を利用して将来を担う青少年のために、全国457ヶ所の体育館及びプールと、海洋クラブ291ヶ所を建設しました。多くのオリンピアンも輩出しております。

年に一度、その施設を運営する市長、町長、教育長が参加し、実績評価は勿論のこと、未来志向の意見交換を行う場がこの全国サミットです。以下は私の不出来な講演です。

******************


2025年01月22日(水)
日本財団会長 笹川陽平
於:ベルサール東京日本橋



ご紹介賜りました日本財団の笹川陽平です。

私は年に1回皆さんにお話しする機会があるだけで、他にはこのようにお話しする機会ありません。それはトラウマがあるからです。父が元気な時分、私が29歳になった時でした。そろそろ奥さんを貰いたいと思い、父に相談したところ「俺は女性の専門家だ。素晴らしい女性を見つけるから3年間待て」と言われました。待てども父からは連絡がなかったのですが、3年という約束の途中で進捗は聞けないものですから、3年経って「お話はどうなっているでしょうか」と尋ねたところ「自分の嫁くらい自分で探せ」と言われ、3年間棒に振りました(笑)そして、友人の紹介ではじめて写真を頂きその方と結婚しました。従いまして、私は人を説得するのに欠ける人間であるというトラウマが生じ、他人を説得したりするのが不得手で皆さんの心に響く話が出来ないことをご了承下さい。しかし前田会長や菅原理事長から「年に1回くらい奉仕せよ」とこの講演はお受けしています。

Image_20250123_155139_897.jpeg
800人の聴衆の前で


1973年にBG財団が設立され、既に52年が経ちました。長きにわたり素晴らしい活動をしていただいているのは有難いことだと思います。中にはご承知の方もいらっしゃるかと思いますが、戦後国民体育大会のような大きな行事をするために、全国の大都市に年に2~3回しか使われないスタジアムが沢山出来ました。その時笹川良一はドイツを訪問し、アーベル・ベック・オリンピック委員会専務理事と会い、アーベル・ベック専務から「大競技場も必要だが、これからは地方で活躍する子供や大人の健康維持ための施設を作ることが重要であり、コミュニティを重視した施設が必要です。いわばクラブ単位のものを作るべきです」という助言を頂きました。そして、失礼かもしれませんが、当時建設予算のつかない地方自治体の皆さんのところにそうした施設を作ろうと始まりました。

あれから50年経過し、今や世の中はどのように変わったのでしょうか。学校における体育の在り方、学校を中心としたスポーツの在り方が急速に変わりつつあり、それぞれの地域でクラブ活動としてやるのが良いのではないかと変わりつつあります。BG財団は50年先取りして、皆さんから永続的な協力を頂き、今日まで参りました。本当にすごいことだと思います。日本のスポーツの在り方を50年かけて皆さんが変えてくださいまた。当時建設決定には苦労しました。施設を作るとなると「法律上何ヶ所だけ」と言われ、そのたびに役所詣でをし「あと10ヶ所」「あと15ヶ所」と2年おきにお願いをしていました。当時は国会も難しい時で共産党の方が、ここに共産党の方がいれば手を上げてくださいね(笑)常に反対していましたが、ある時九州の有力市の共産党幹部の方が来て「笹川さん、私の町に作ってくれませんか」とおっしゃりました。私は「正気ですか。あなたの党は反対しており、民主集中制のあなたの党で中央委員会の方針に反対したら除名されますよ」と申し上げましたが「除名されても子々孫々のためにやりたいのです」とのことでしたので、そこの市に施設が完成しました。ある時、もっと大規模に建設したいと、午前6時に田中角栄先生の自宅に陳情に参りました。未来を背負う子供の体育、知育、徳育の大切さを瞬時に理解され、当時の小坂徳三郎・運輸大臣に電話され「大切な事業だから『当分の間』 実施してくれ」と話をされた後「陽平君、役所との交渉は『当分の間』としなさいよ。太政官布告で現在使われているものもあるよ。しっかりやりなさい」と激励されたことも懐かしい思い出です。

こうしたこともあり、改めて50年先取りしてされたのは凄いことです。中村草田男氏の「明治は遠くなりにけり」は有名ですが、今や「昭和は遠くなりにけり」ではないでしょうか。今年は昭和100年です。昭和も遠くなりにけり」という時代で、今や平成生まれの方が30歳代後半で日本の働き世代の中心となっています。私は昭和十四年生まれの86歳ですから化石人間のようなもので、ATMやスマホは使えず、良い時代に生かしてもらいました。これから30~40年先の時代を生きることはできません。昭和100年、えらい時代になりました。トランプという面白い大統領が誕生しました。メディアで色々書かれています。多くの方は懐疑的にご覧になっていると思います。私自身も懐疑的にみておりますが、しかし彼の話は分かりやすいですね。賛成でも反対でも明確で分かり易いです。言葉遊びのない新しいタイプの政治家ですね。

地球温暖化、気候変動の影響もあり、私が住む世田谷でも地域的集中豪雨が起こるなど今までなかったことが発生しています。温暖化でヒマラヤの雪も氷解しています。トランプ大統領がグリーンランドを買収すると言っていますが、グリーンランドは氷の厚さは平均約1700メートルに覆われ、面積は日本の約6倍になります。日本がよく探検に行く南極大陸の氷とグリーンランドの氷が溶けると世界の海面が約7メートル上昇すると言われています。そうすると日本の工業地帯は水面下に入ります。こうした危険な状況です。また、海水温が1度違うだけで魚が大移動します、10年前にブリティッシュコロンビア大学と記者会見をしましたが、日本沿岸の海が酸性化することで甲殻類が減少し、三重県のあこや貝やカキが取れなくなる可能性があると申し上げたところ当時は関心が集まりませんでしたが、今や大きな問題になっています。石川県ではブリは1匹10万円程度していましたが、温暖化の影響でブリが石川ではなく北海道でとれるようになりました。しかし北海道では食べ方が分からないのでブリが最初は500円でした。1度温度が変わっただけでも魚は移動します。私もコロナを罹った時に体温が1度上がりましたが、ベッドから出るのがだるくなりました。海の生物はもっと敏感ですから、影響は大きいでしょう。日本の誇る食文化についても、日本人が長生きする理由は魚を食べていると言われています。しかし世界の人が食べ始める中、日本の漁業は衰退しており、今我々は日本近海の環境モニタリングを青年漁業者と始めるところです。

少子化と高齢化の問題、地方過疎化の問題、鉄道が無くなる心配など日常のように出てきています。人口減少は当然です。20年後の日本を予測すると、GDPで世界の20番目くらいとなります。今は世界第4位ですが、インドネシアやインドが伸長し日本の順位は落ちていきます。人口も減り年寄りが増え子供が少なくなるという現実が迫っているにもかかわらず、日本は平和であるかのように皆過ごしています。世界から見ると不思議で、世界の中においては、ガザ、ウクライナの次に最も危険なのは日本ではないかと言われています。中国と国境を接し、ロシアは北海道に食い込み、近くに北朝鮮がいます。台湾海峡に有事があれば、中東からの油はマラッカ海峡から台湾海峡を通って入ってきますから、日本の安全保障上重大な問題です。従いまして、なぜ日本人はここまでのんきなのか外国人にとって不思議なようです。

では何故日本は平和なのでしょう。皆さんのお手元に正月に掲載された私の「正論」を配りましたが、本当に日本は独立国家なのでしょうか。日本国憲法は施行当時から変わっていないという意味では世界で最も古い憲法です。この憲法の前文には「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあります。諸国民の信義を80年間信頼してきたんです。諸国民には中国、北朝鮮、ロシアが入っています。信頼するのでしょうか。無防備に、我々は平和をむさぼっている状況です。こうした状況は外国の知識人から見ると「日本人はおかしいのではないか」「自国を自国で守る覚悟があっての独立国家だろう」というもので、これが世界の常識です。世界の常識は日本の非常識、その逆もありますが、世界の常識に反した非常識な状況が日本にあるのです。

独立国家の要件はいくつかあります。まず、自主憲法があるか。どうでしょうか。国軍のない独立国家はコスタリカなどごく一部です。スパイ防止法はどうでしょうか。最近様々な企業がやられていますが、サイバー対策はどうでしょうか。日本の武器の製造能力はどうでしょうか。頭が痛くなります。これで日本は独立国として、隣に中国とロシアに挟まれ、北朝鮮は恐ろしい武器をもっています。こうした状況で日本は独立国として2000年の歴史があると言っていていいのでしょうか。私は思想的に右・左とは言っておらず、独立国の条件を申し上げているだけです。東京の制空権の一部は米軍が握っていて日本にありません。だから大阪から東京に来るときは九十九里の方に飛行機は迂回します。

なぜこのようなことになっているかと言えば、皆さんに本を配りましたが、最初のページに書きましたが、昔は「輿論」という言葉がありましたが、戦後「輿」が当用漢字から外れたため、単に「世論」となってしまいました。総理が誕生すると世論調査をして支持率の話となります。世論調査は国民が持っている感情、その時の気分なのです。国民が見た感情です。そのパーセンテージで日本国家を運営していいのでしょうか。国民には権利と義務があります。戦後はいわゆる権利の主張ばかりが繰り返されてきて、国民としての義務がないがしろにされて80年やってこれたのは運が良い話です。日本国が独立国として努力して作り上げたわけではありません。幸運にも80年間は平和の迷妄を信じてきたのです。迷妄とは事実でないことを事実のように思うことです。ではどうするのか。

かつて日本には覚悟をもって庶民や国民を説得した人がたくさんいました。ご承知の通り、財政破綻を起こしたときに努力した上杉鷹山。軍の力が強くなった時に国会の中で粛軍演説をした斎藤隆夫。彼は国会議員を除名されましたが「いうべきことを言わなければならい」とやりました。長岡にも素晴らしい人がいました。戊辰戦争でコテンパンにやられる中で、親しい藩から米100俵が配られました。皆飢えており、いつその米が配給されるのか待ちわびていたところ、小林虎三郎は「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる。次の世代のために我々が進んで犠牲になろう」と諭しました。明日の食事がない中で教育を通じた将来の人材育成に賭ける人がいたのです。

私も東京大空襲の生き残りでありますが、その時分笹川良一は国会議員でした。軍神・山本五十六元帥は「日米開戦に至らば我が目指すところもとよりグアム、フィリピンにあらず、はたまたハワイ、サンフランシスコにあらず。実にワシントン街頭白亜館(ホワイトハウス)上の誓いならざるべからず。当路の為政家、果たしてこの本腰の覚悟と自信ありや」という手紙を笹川良一に書いています。永井柳太郎がそれを国会で読み上げたときに国会はしんとなりました。

世論は国民の感情や雰囲気で良い、悪いを言います。しかし、「輿論」というのは、ここにお集まりの指導者のような人が「このままではだめだから、こうすべき」と国民が分からない将来の展望を見抜き、「地域を活性化させるために自分のことを聞いてほしい」と発言することであり、それを「輿論」と言います。しかし今の政治指導者は国民の願いをかなえることが政治だと思っています。今は世論に左右されていますが、それでは国は持ちません。ここで、皆さんにお願いしたいことは「輿論」です。皆さんの声をどう住民に理解させるかだと思います。

かつて明治4年に廃藩置県がありました。徳川300諸侯がありました。小さな藩もありましたし、生活は貧しかったかもしれませんが、人材教育に力をいれていました。貧しくても徳川幕府に言われれば人足を出して江戸の開発のために尽くさなければならない時代です。いまだに東京に各藩の寄宿舎の名残がわずかですが残っています。だから、当時の方が、というと失礼かもしれませんが、指導者はリーダーシップをもって、藩の誇りのために若者を教育して「我々は我慢しようとも、貧しくとも、礼節を重んじ国や名誉のために」と人材教育をしてきました。

果たしてお金があればなんでもできるのでしょうか。日本は1300兆円の財政赤字を抱えています。世論に従った結果このような借金を抱えている国は日本しかありません。政治家は「このままでは日本はダメになる」と、自分自身を捨てて、日本をどうするかをするかを主張し、嫌われたら辞める覚悟がないのでしょうか。皆さんは世論の代表ではなく「輿論」の代表です。言いにくいことをと言い、嫌われてもいいじゃないですか。みんな天国に行くのですから(笑)しかし、私は下に行きます。なぜなら友人は皆地獄に行ったと思うからです(笑)

今日のキーワードは「輿論」です。人生一回です。皆さんにとって怖いのは奥さんだけです(笑)市長、町長の皆さん「良薬は口に苦し」ですが、皆さんの情熱あふれる説得は必ず理解されると思います。地方で将来を背負う子供たちに自信をもって成長してもらえるB&Gの施設になってほしいと同時に、皆さんからお話があれば日本財団は真摯に話を聞いて協力します。全て協力できるわけではありませんが、今日お話しした以上責任がありますので、こうした仕事をしたいとあれば、日本財団にお申し付けください。

52年にわたり1つの事業が発展し、今や災害対策までしっかりされています。国際社会の現在の流行り言葉は継続性です。B&G財団は52年前からやっています。素晴らしい伝統であると確信しております。皆さんの日常の努力に感謝と敬意を表すると同時に、申し出は受け付けておりますので日本財団を活用ください。本日の会議が有意義なものになるように祈念しております。ありがとう。(了)
ブックマークボタン

【私の毎日】1月23日(木) [2025年01月23日(Thu)]

1月23日(木)

6:30 財団着

7:30 海野光行 日本財団常務理事

8:00 佐々木康宏 北竜町長

9:00 財団内打合せ

11:00 開放型刑務所提言書 法務大臣手交式

鈴木馨祐法務大臣に「塀のない」刑務所の整備に関する提言書を手交.JPG
鈴木馨祐法務大臣に「塀のない」刑務所の整備に関する提言書を手交


13:00 喜多悦子 笹川保健財団会長

14:00 古川秀雄 東京財団政策研究所常務理事

18:00 加藤泰浩 東京大学工学部長

終日 打合せ、原稿書き、寄付金への礼状書き
ブックマークボタン

【私の毎日】1月22日(水) [2025年01月22日(Wed)]

1月22日(水)

6:30 財団着

8:00 関連団体役員会議(B&G財団)

9:30 ジョイス・ムスヤ 人道問題担当国連事務次長補兼緊急援助調整副官

IMG_4481 (1).jpeg
ジョイス・ムスヤ 人道問題担当国連事務次長補兼緊急援助調整副官と


10:00 高木萌子様

11:00 紺綬褒章・伝達式
   <受賞者>
    1.渡邊 曻 様 
      株式会社リビエラ代表取締役会長兼社長
    2.瓜生 正義 様
      モーターボート選手会代表
    3.桐生 順平 様
      モーターボート選手

Image_20250122_173410_312.jpeg
渡邊曻様へ伝達

Image_20250122_173409_768.jpeg
瓜生正義様へ伝達


14:00 第17回B&G全国サミット 基調講演

終日 打合せ、原稿書き、寄付金への礼状書き
ブックマークボタン

「暗黒酸素に係る記者レク」―英国主要メディア等で報道― [2025年01月22日(Wed)]

「暗黒酸素に係る記者レク」
―英国主要メディア等で報道―


1泊4日の強行日程で訪英、1月17日にスコットランド・ハウスにて暗黒酸素に係る記者レクを行った。既に、1月16日のブログで記者レクの概要については述べた通りだが、本記者レクについてイギリスの主要メディアであるBBCをはじめ、CNNや日系メディアでも取り上げられた。日本財団としては、環境への影響をしっかり調べた上で、国際的な議論を踏まえて、調査や研究を進めていきたいと考えております。以下記者レクでの当方のスピーチ(原文英語)になります。

*******************


③記者会見で暗黒酸素の研究について発表.JPG
記者レクでスピーチをする筆者


おはようございます、本日は記者会見にお集まりいただき感謝申し上げます。

日本財団はこれまで、海の保全と持続的な活用を世界規模で実現するため、国の枠にとらわれない人材育成事業を、およそ40年に渡って数多く手がけて参りました。輩出した専門家たちは156か国、1800人以上にのぼり、世界各国の政府や民間機関で、活躍しています。

また、海底地形の記録と共有を目指した「The Nippon Foundation-GEBCO Seabed 2030 Project」をはじめ、深海の生物の発見に取り組む「The Nippon Foundation-Nekton Ocean Census」、そしてイギリスのメディア企業、「エコノミスト・グループ」と協働して海洋汚染の根絶を目指した情報発信をする「Back to Blue」など、さまざまな事業を通して、人類の海への理解の促進にも努めて参りました。

こうした長年の「海」への貢献の一環として、このたび日本財団は、人類の「海」への理解を深める上で重要な新たな研究に乗り出します。具体的には「暗黒酸素」という、「海」、特に「深海」の謎を解明する上で重要な研究を支援します。

支援をするのは、スコットランド海洋科学協会(SAMS)の研究チームです。この研究チームは去年7月、深海底で酸素の生成が行われている可能性があるとする研究を、世界的な科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」で発表しました。

海底で発生している未知の酸素、いわゆる「暗黒酸素」が存在する可能性を指摘したこの研究は、世界的な議論を巻き起こしています。この研究は、酸素は光合成によってのみ生成されるという既存の考えを覆す重大発見である可能性に鑑みて、日本財団は、この研究チームに200万ポンド(約4億円)を助成することといたしました。研究チームはこの助成をもとに、さらに詳細な研究を世界各地で行い、暗黒酸素という未知なる現象を徹底して調べて実態を明らかにするとともに、メカニズムを解明します。

そして暗黒酸素が、特に深海底の生態系にとってどれほど重要なものなのかを見極めて、その成果を世界と共有します。

日本財団が支援することで可能になる、この暗黒酸素の新たな研究は、すでに国際機関などからも高く評価されており、ユネスコ政府間海洋学委員会、IOC/UNESCOからは、「国連海洋科学の10年」が推進する研究の一つとして公認を受けました。

日本財団は、IOC/UNESCOをはじめとした国際機関、ならびにSAMSをはじめとする世界各国の研究機関との連携を通して、人類にとっていまだ未知の世界である深海底の実態を、確かな「科学」で明らかにしたいと考えています。
ブックマークボタン
| 次へ