水を供えないと口を切るほど殴られた
朝一番に母は私に「お水替えた?」と聞く。「あ、忘れていた」といったら「だから地震が起きたんだ!」「なんで言うことを聞けないんだ!」。平手打ちされて口を切ったこともあるし、髪をつかんで引きずられたこともある。
「私よりお兄ちゃんが早く起きたから」といっても「お兄ちゃんはいい」と言う。母が一番最初に起きればいいのに、母は朝食作りもお弁当作りもだんだんしなくなっていた。私は自分で水筒やお弁当を準備しなければならない。つまり水道を使う。
兄が受験のときだったので「それでお兄ちゃんが受験に落ちたらどうするんだ!」と怒られたこともあった。学校に行く前に殴られ鼻血出して行きたくない。そこで、キッチンの水道を遣わずに済むよう、朝はギリギリまで起きず、何も飲まず食わずで学校に行くようになった。
私より母が早く起きているのだから、母がやるだろうと思っていた。けれどすぐに母は面倒くさくなったのだろう。ある日神棚を見ると、供えられていたお米は何日も前の物だろう。カピカピになるまで放っておかれていた。