ロス山火事の犯人は「チャットGPT」なのか
ロサンゼルスで発生していた大火災は、待ちに待った雨の影響で、ほぼ鎮火に近づいています。
高級住宅地を襲ったパリセーズ火災も、27日時点で94%が消火されました。ただ、山火事に変わって洪水と土砂災害のリスクが高まっています。
今月7日から始まった一連の山火事では、28人が亡くなり、のべ17,000棟の建物が燃える大惨事となりました。その被害総額は、過去アメリカを襲った山火事のなかでも、史上最悪クラスと見られています。
ロス火災の意外な犯人
そもそも、この大火災の原因は何だったのでしょう。
電線からの出火や放火の可能性などが検証されていますが、ネット上では別の意外な推測が飛び交っています。
それは、チャットGPTです。昨今登場してきた、あのきわめて便利なAIツールが、火災を起こした犯人だというのです。
補足までに、チャットGPTとは、人工知能(AI)を使った、高度なチャットサービスのことです。質問をすると、まるで人間のように自然、かつ人間以上に質の高い答えを出してくれます。 2022年に公開されてから利用者がうなぎ上りに増え、今では全世界で数億人のユーザーがいます。
でも、なぜチャットGPTに非があるのでしょう。そう疑う理由はどこにあるのでしょうか。
それは、AIを使用する際に発生する大量の熱にあります。これにより過熱したデーターセンターのサーバーを冷却するために、膨大な量の水が必要となります。
どれほどの量の水が必要なのでしょうか。
ワシントン・ポストとカリフォルニア大学リバーサイド校の研究によると、ChatGPTがたった1つ、100語のメールを作るだけで、520ミリリットル、つまりペットボトル約1本分の水を必要とするのだそうです。
もし仮に、1年間、週に2通メールを作ったら、50リットルの水を使う計算になります。それを何千万人という多くの人たちがしたとすると、それはそれは恐ろしい量になってしまいます。
AI⇒大量の水⇒山火事拡大
話を山火事に戻すと、つまりその、近頃多くの人たちがChatGPTなどを使いだしたために、大量の水がサーバーの冷却に使われてしまい、その分、ロサンゼルスの火消しのための大事な水が減ってしまった。だから火災が拡大した、というロジックのようです。
本当にチャットGPTが悪いのでしょうか。もちろんそうではありません。
実際ロサンゼルスの消火の際に水が足りなかったのは事実ですが、それは火災が高地だったために水圧不足で水が使えなかったことなど、そういう物理的な理由の複合が関係していました。
突拍子もない憶測が鳴らしている警鐘
ただ、チャットGPTが犯人ではないにしても、この突拍子もなく聞こえる憶測は、これから進むAI社会に対し、大事な警告を発しているようにも思えてくるのです。
デジタル社会は無限に思え、資源をほとんど使っていないかのような幻想を抱かせますが、実際はそうではありません。
例えば、たった1回グーグル検索をするだけでも、0.2グラムのCO2を排出させるほどのエネルギーが必要といわれています。さらにチャットGPTにひとつ質問をすると、CO2排出量は4グラムにも及ぶようです。
AIの力に頼るのではなく、なるべく自分の頭で考えようと、まるでそう説得されているかのようです。それが地球のためになるのであれば、なおさらです。今ならまだ間に合うはずです。ちょっと前には、それが当たり前のことだったのですから。