増える外国人労働者、人手不足抱える地域に光明 「定着」が課題
茨城県内で働く外国人は昨年、14年連続で過去最多を更新した。県も雇用を後押しする仕組みを立ち上げている。一方、国の出入国管理法では、在留資格によっては期間が決められ、家族の帯同も認められていない。過疎化や少子化の影響で働き手が減るなか、外国人にどう地域へ定着してもらうかが課題だ。
水戸市中心部から車で30分。城里町に工場を置くトラック、建設機材などの部品製造を手がける「フォージテックカワベ」(従業員約170人)では2019年、ベトナムからの技能実習生など外国人の受け入れを始め、今は12人が働いている。
きっかけは、地元や近隣自治体からの新卒採用に陰りが見えたことだった。「以前は地元での新卒採用で十分だったが、最近は少子化もあって、特に中小企業は希望者を集めるのに苦労する」と河辺真理子社長(54)。
厚生労働省によると、県内の生産年齢人口(15~64歳)は23年は164万人で、この20年で約2割減った。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、30年後の50年にはさらに3割減るという。
熟練した技術を持つ人材を、どう確保するのか。行き着いたのが、外国人材だった。
信用調査会社「帝国データバンク」が今年5月に公表した県内企業を対象にしたアンケートでも、回答した208社のうち28.4%が「外国人を雇用している」と回答。全国平均より4.7ポイント高く、現在は雇用していないが、「今後採用したい」とする企業も13.5%あった。
ただ、河辺社長は「日本人と同じように長く働いてもらうには、現行制度ではハードルがある」と話す。
外国人技能実習制度では、入国時の日本語能力に条件はないものの、入管法で滞在は最長でも5年間と定められている。
19年に始まった「特定技能1号」の資格を在留中に取得しても、5年間が加わって10年が上限だ。
3年後の27年から技能実習に代わって始まる「育成就労」制度では、滞在期限の5年が3年とさらに短くなる。
高度人材にあたる「技術・人文知識・国際業務」や、特定技能1号の上位にあたる2号の在留資格であれば更新制で、帰国する必要もない。
だが、こうした資格を得るには、大学卒業資格や専門知識を問う試験に合格することなどが求められる。
厚労省によると、県内で働く外国人労働者は昨年10月末時点で5万4875人。13年の2万1043人から2.6倍に増えた。統計を取り始めた09年以降、過去最多だった。ただ、技能実習生が全体の約3割を占めて最も多く、高度人材や特定技能2号の資格者は全体の4分の1に満たない。
フォージテックカワベでも、19年に迎え入れた「1期生」の技能実習生4人のうち、社内に残っているのは特定技能1号の資格を取得した1人のみだ。
河辺社長は「働きながら、決められた期間のなかで高度人材の資格を得るのは簡単ではない」。
更新できる在留資格を得て、定着してもらうには何が必要なのか。
外国人労働者の問題に詳しい国士舘大学の鈴木江理子教授は、「外国人労働者がこのまま働き続けたいと思える環境整備が必要」と指摘する。
今の技能実習や特定技能1号の資格では、在留期間の問題だけでなく、家族の帯同が認められていない。「来日する実習生の多くは20代、30代の若者が多い。長期間にわたり家族と離れ、単身で生活しなければならない現行制度では、お金を稼いで帰国すればいいと考えるのは当然だ」
家族帯同には、地域住民の受け入れ姿勢や子どもの教育支援などの環境整備も必要だ。鈴木教授は「外国人の子どもたちが成長すれば、過疎化する地域を支える新たな力にもなる」とした上で、「地方自治体の規模によっては、自力で取り組めることに限界がある。自己責任と切り捨てず、国が支え、制度を改善する必要がある」と訴える。