義両親から「家族なんだからいらないよ」

私も親にはこうしてお金を渡すものなのかと疑いもしなかった。でも、それは結婚した時におかしいと気付いた。元夫のご両親はそんなことは一切なかったし、お義母さんが「息子がお小遣いなんかくれたら、嬉しすぎてよう使わんわ、くれたことないわあ!」と元夫の方を見ていいながら笑った。

同居しているからお金を入れますと言っても、「家族なんだからいらないよ」と言った。それでも私が気にしてしまうのでと伝え毎月封筒に入れて渡すと、「そう?悪いなあ。それならあり難く頂戴します」と言って受け取ってくれた。けれど、自分の好きなものを買うために使うわけではなく、「みんなで外食した時などに使わせてもらうわね」、「ちょっといいおせちの注文に使うね。来年は新年早々豪勢になるね!」などと言ってくれた。実際にはほとんど貯めておいてくれて、元夫や私の誕生日の時に「お母さん達は何をしたらいいかわからないから、好きなもの買いなさい」「二人でご飯に行っておいで」と言って渡してくれた。私は、母に誕生日を祝われたことがなかったので、その気持ちだけでうれしかった。

実家で誕生日をお祝いしてもらったことはなかった Photo by iStock
 

母がお金をせびるようになった経緯

なぜ母はお金をせびるようになったのか。母からは執拗に要求されるのに、父からはお金の援助をお願いされたことがなかった。父は、母に給料を全て渡しお小遣い制だった。それがいくらだったかはわからないが、小遣いを貯めて、家族を温泉旅行に連れて行ってくれたり、外食に連れて行ってくれた。お金には困ってはいなかった。

母が変わっていったのは阪神淡路大震災がきっかけだ。大切にしていた食器全てが壊れ、呆然としていた母は、その日を境に家事もまともにやらなくなった。姪と出掛けるようになってからは、それまでは欲しがらなかったブランド品や出掛ける費用などに父の給料以上使いだしているようだった。それに伴い、家族や家の事を疎かにし、家は荒んでいった。お金が足りないと言い出したのもその頃からだ。

私は、お金の価値や有意義さを考えるようになっていたので、業者に頼んで一度家を掃除してもらわないか?買ったブランド品も売ったらどうか?と言ってみたが、世間体をとにかく気にする母は「赤の他人を家に入れるなんて絶対いや!家を出て行ったあんたに、なんでそんなこと言われなきゃいけないんだ!」と怒鳴られたので、それ以上何も言えることはなかった。

そうして私は今回、この10万円を最後に、母にはお金を渡すのをやめようと覚悟していたのだ。