/ 5

フジテレビ、新体制は「暫定的なもの」 一問一答

(更新)
詳しくはこちら

フジ・メディア・ホールディングス(HD)と傘下のフジテレビジョンの港浩一社長らが27日開いた記者会見の主なやり取りは以下の通り。

港氏「女性は長い療養期間を要することとなり、希望していた仕事への復帰がかなわない状況になってしまった。深い失望を抱かせてしまった。願わくば直接おわびしたい」

――70社以上が広告出稿を取りやめているが、どのくらいの影響がでているのか。

清水賢治・フジ・メディアHD専務(次期フジテレビ社長)「広告スポンサーがどの程度の影響になるかは現在精査中だ。重要な開示基準に達するのであれば開示する。TVerなど配信広告にも影響は出始めている。広告差し替えの代金に対する考え方は、営業局で一部考えをスポンサーに示し始めたところだ。4月期の改編のセールスは事実上、止まっている」

――広告主やスポンサーの不安払拭への具体的な取り組みは。

清水氏「不安払拭については、まずは第三者委員会の報告があるが、それを待っていては何も手を打っていないことになるので、一歩ずつ改善策を検討している。地道な積み重ねで信頼回復に努めていきたいと考えている」

――フジテレビから中居正広氏へ損害賠償請求をする考えはあるか。

遠藤龍之介・フジテレビ副会長「現在のところ考えていない。第三者委員会の結論が出ていないので考えていないということだ」

――なぜフジ・メディアHDとフジテレビの嘉納修治会長と港氏が辞任するのか。

遠藤氏「全員がすぐ辞めると明日からの業務執行に差しつかえる。清水が明日からの社長だが、暫定的なものだ」

金光修・フジ・メディアHD社長「第三者委員会ではグループガバナンスや内部統制、人権方針など我々も調査の対象だ。結果次第でなんらかの処分を考えなくてはいけない。代表権者の経営責任は重い。これが最後ではなく、今後いろいろと役員の体制を見直すということだ」

――フジサンケイグループの日枝久代表(フジ・メディアHD取締役相談役)は責任をとらないのか。なぜ会見に登壇しないのか。

遠藤氏「どのように責任をとるかが重要だと考えている。嘉納会長と港社長が退任した後は、新組織はあくまで暫定的なものだ。第三者委員会の報告が出てくる時期を1つのめどとして、それぞれの役員がそれぞれの責任をとる。常勤役員全員に波及すると思う」

嘉納氏「日枝相談役に必要な事項について報告したり相談したり、お知恵を借りることはある。ただ、日常の業務は私と港社長で決めていた。相談役なので業務執行はしない。業務の範囲内なので、ここに出席しないのはそういうことだ。今回の人事は取締役会で決定したことだ」

――企業風土を作っている日枝氏に相談したのか。

港氏「相談はしていない。少人数でやってきて、現場周りで起きていることなので、相談役の日枝は関係していない」

――企業風土をどう変えるのか。

港氏「我々が若かったころ、20年前、5年前、記憶を遡っていくと、時代の空気があったなと思う。今の時代は人権意識がすごく高い。昔のやりかた、雰囲気を引きずってきてしまっている部分があるのかなと思う。今の時代に合わせ、アップデートというか、厳しくというか、つくり替えていかなければいけない」

――失った信頼はあまりにも大きい。今後、視聴者にどう向き合うか。

清水氏「テレビというメディアが弱くなってきたっていうことをよく言われるが、 多くの方がテレビの価値を認めるということは、幅広い年代層に一斉に放送で伝わっていく価値というものはまだ認めていただいてるからと思っています。テレビはどちらを向いてるのかって言ったら、お客様、視聴者、国民の皆様というところがある。その信頼を失ってしまったら、テレビ局の価値はなくなってしまう」

――中居氏と女性の問題に社員は関係していたのか。

港氏「女性と中居氏は仕事上で面識があった。我々が社員が特定の日に関係がないと判断したのは、(当該社員への)ヒアリングや通信履歴の確認、中居氏へのヒアリングを通して、関係がなかったと。限定的な日付の出来事について社員は関係していなかったと判断し表明した」

港氏「当初はプライベートな事案なのかという認識もあった。公にならずに、知られずに仕事に復帰したいというのが女性の最大の希望だった。どういう気持ちになったのかも含め、人権侵害の疑いがあると思って対応している」

――フジテレビの女性従業員を意に沿わない形で会食の場に誘ったことはあるか。

港氏「過去に女性アナウンサーを同席した親睦会はあった。優越的地位にある立場の人間が食事に誘ったときに、あまり気が進まなかった人やちょっと嫌な人もいたのかもしれないと思うと、本人の意思の確認をしっかりしなければならない。それが企業風土の刷新につながると思っている」

――女性の人権侵害の疑いがある事案について、なぜ一部の上層部のみで情報共有したのか。コンプライアンス担当部門と情報共有しなかったのか。

港氏「女性の心身の状態を最優先にして、なるべく少人数という本人の希望、女性の心身の状態等をそばで見ている医師や接触している社員が、そういう風に判断した。コンプライアンス推進室はフジテレビにもあり、(通常は)機能している。この案件については特殊な案件としてきたが、違うやり方があったのではないかと反省している」

――港氏は女性に謝りたいと言っていたが、なんと言いたいか。

港氏「彼女の心身のケアを最優先にやったが、そのやり方の中にも今思えば反省点がある。もう少し、他のケアもできたのかな、ということは今思う。昨夏にお会いしたときは、体調もよさそうだったので、私はうれしかったし、短い時間だったが、楽しい会話ができたのかと思っているが、週刊誌報道などで、女性の気持ちが違う、我々と向き合っていた時とは違うということが伝わってきている。そうだったのかという思いと、もう1度お会いして、足りなかったところ、いろいろなところを謝罪したい」

――(一部のメディアに限った)前回の記者会見は港氏の判断なのか。

港氏「前回の会見をあのような形にしたのはメディアの信頼性を揺るがす、やってはいけないことだった。深く反省している。最終的な判断は私だ。カメラをいれたほうが良い、オープンにしたほうが良いという議論もあった。ただ、女性のプライバシー保護ということがどうしても頭にあり、最終的にああいう形の会見にした。大きな判断間違いだった」

――海外投資家からも厳しい要求がある。第三者委員会の設置や嘉納氏や港氏の辞任にどのように影響しているのか。

金光氏「我々も上場企業で、外国人の投資家、機関投資家と日常的に会話をしたり、色々な面談をしたりしている。いくつかの投資家が自分たちで(要求内容を)リリースをしたという情報が出ていて、我々も把握している。 とはいえ、言われたからやったということでは決してなく、 第三者委員会にしても、自らの意思を持ってやっているということで、その参考にはなったというぐらいのことだと思う」

初割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら
フジテレビ問題

フジテレビの港浩一社長は、中居正広さんと女性とのトラブルに同社社員が関与したと報じられた問題について謝罪しました。トラブルへの社員の関与については外部の弁護士らによる第三者委員会を設置し、調査します。スポンサー企業がCMを差し止めるなど、影響は拡大しています。

続きを読む

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
初割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
初割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
初割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
初割で無料体験するログイン
エラー
操作を実行できませんでした。時間を空けて再度お試しください。

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_