奈良先端大と奈良県立医大、医工連携の社団法人設立
奈良先端科学技術大学院大学と奈良県立医科大学は27日、一般社団法人「奈良先端医工科学連携機構(MSTeC NARA)」の設立記者会見を開いた。国立や公立など設置主体が異なる大学間の連携推進法人で、医工連携では全国初。共同研究の枠組みを広げるほか、それぞれの大学の強みを生かした連携科目の開設による人材育成などを進める。
代表理事には奈良先端大の塩崎一裕学長が就任した。1月中に文部科学相に法人認定を申請する。3月には認定を受ける見通しだ。両大学は2009年に包括協定を結んでいた。近年研究協力が活発しており、より緊密な連携体制を構築する。
関西経済が強みとするバイオや医療機器分野を中心に企業との協力を拡大し、スタートアップ創出にもつなげる。奈良医大が主導するMBT(医学を基礎とするまちづくり)コンソーシアムを通じた産業育成も進める。
同日記者会見した塩崎学長は「最先端の科学技術研究の医学への実装を目指す医工連携はこれから大きな発展が期待される分野」と意義を強調した。奈良医大の細井裕司学長も「医工融合で人の命を助ける方向性は多くの人から期待されており、日本を代表する医工連携組織にしたい」と述べた。
奈良県の山下真知事は「研究にとどまらず産業化の段階でも奈良が拠点になれば、産業力強化につながる」と期待を寄せた。