【レンズレビュー】AI AF Zoom NIKKOR 28-105mm f3.5-4.5D(IF)【第6回】

 

【前書き】

これを書き始めたのは2024年5月の話。久々(といっても、3ヶ月ぶりくらいなんだけど)に東京に行ったら、あまりの空気の悪さと街の臭さにすっかりやられてしまって、厳しさを感じている。なのに帰りたくないと矛盾した事を思っているのは、きっと帰ったら仕事が待っているからだろうな。学生の頃より、旅行から帰りたくない気持ちが強くなっている気がする。……などと書いていたわけだが、小生の悪い癖である。そう、必殺「後回し」である。気づけば年が変わってしまった。…はい。書きます…。

 


そんな事はさておき、今回のレンズは…

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AI AF Zoom NIKKOR 28-105mm f3.5-4.5D(IF)

である(電車の中で撮った写真かよ、とセルフツッコミしておく)。1998年に登場したズームレンズになる。例によっていつものDタイプニッコールである。

帰省した時には毎度赴くのが恒例になりつつある、新宿中古カメラ市場さんで¥9,900で購入した。本当にここはオールドレンズが豊富にあっていいんだよなぁ。ゆっくり見れるし。今後もお世話になります。

本レンズは名機F100のキットレンズだったみたいだが、今では残念ながら(?)語られることも少なくなってしまった。地味〜にあまり世間の日の目を見ることがなかった、ちょっとだけ可哀想なレンズな気がする。

 
さて、長きにわたって小生のメインズームは、AI AF Zoom NIKKOR 24-85mm f2.8-4D(IF)だった。

これはかなりの万能戦士で、単焦点の沼に浸かる前は(手持ちの玉がこれしかなかったからというのもあるが)D750につけっぱだった。北海道に来てからも使用頻度は高く、流石に85/1.4Dを買ってからは出番が減っていたものの、道外へ出かける際はほぼオトモしてもらっていた。そこまで重すぎず、写りもそこそこ良好で、とにかく「標準域なら何でもできるズーム」だからであった。

だが、2024年に入ってズームリングが30mmあたりからワイド側に回らなくなってしまった。多分砂粒か何かが入り込んだか、内部で何かがイカれて引っかかったのだろうけど。D750を買った時に一緒に購入して、街中から砂浜まで、雨の日も極寒の日も、かなりハードに手荒く使っていたので、むしろ今まで何事もなかったのが不思議なくらいだ。元々中古だし、初期個体だしね。

  

そんなわけで年始から4ヶ月くらいは(修行、そしてスナップガチ勢という建前で(笑))、ちょうど24-85をカバーしている我が家の単焦点軍団、①Ai24/2.8s、②50/1.8D、③85/1.4Dの御三方に徒党を組んでもらっていたんだが、なんだかんだであれば楽なのが標準ズームというものである。

小生の場合は航空機でのお出かけも年数回はあるし、いくら重いものを本人が持てるからと言って、持ち込み重量の制限は(特にLCCは…)許してくれない。札幌でウロウロするにしても、何本もレンズを持って重たい荷物で歩き回るのはちょっとねえ。すすきののセクスィーで可愛いチャンネーたちに鼻で笑われてしまうのがオチってもんである。まあ、身なりからして怪しいオタクでしかないんで、別にいいんだけどさ。

もう一本24-85/2.8-4Dを買うのでも良かったのだが、小生が購入した時のバーゲンセール状態(確か、1.2万くらいで買えたはず…)からかなり相場が上がってしまった。やっぱり広角端f/2.8は魅力的だよねぇ。まだ修理もきくし、せっかくだから他のレンズも試そうじゃないかということで、後継候補に上がっていたのが本レンズになる。

 
メインズーム選定にあたり、ハーフマクロ機構がついている(もしくは(そんなズームレンズあるわけがないんだけど)24-85/2.8-4Dと同等クラスに寄れる)のは絶対に譲れない項目のため、必然的にハーフマクロ付きのDタイプニッコールに絞られてしまった。さらばVR機構よ…。

その上で「広角端、もしかして24mmまでなくてもいいんじゃないか…?」という結論に至った。今の小生のスタイルでは、メインズーム使用時に24mmという距離はあまり出番がなかったし、広角〜超広角域では手持ちにすでにAi24/2.8s、トキナーAT-X16-28/2.8がある。ガチンコ広角撮影はこの2本に任せればいい。ちょうど(重量的にいつも持ち出すかどうかはともかく)AT-Xとの接続もいいし、普段使いのワイド側は28mmスタートで足りるという判断になった。

一方のテレ側はポートレート用に85mm以上あればいいでしょう…」という緩い基準である。なんだかんだで70mmじゃあ足りない場面が多いんだよね。まあテレ側も85mmでよかったんだけど、105mmという距離がどうにも苦手というか慣れないので、修行の意味も込めて使いましょうね、ということにしておこう。

 
開放F値は3.5-4.5と明るいレンズではないが、どうせいつも通りf/5.6よりも絞って使うことしかないだろ、ということであまり気にしていない。現代のデジタル機ならある程度感度を上げて対応したっていいし、元々Dタイプのズームレンズに開放での性能は求めてないし、ということで…(笑)。と言いつつも、作例にはそれほど載せていないが、裏では開放でもそこそこ撮ってしまった。

 

 
【外観】

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f:id:shogaitabibito:20250105213420j:image外装はそれなりに年季が入っていてキズもあるものの、光学系は綺麗だったので買うことにした。キットレンズ出身ということもあってか、そんなに高級感のある外観ってわけでもないし、問題なく使えりゃあいいんですよ、使えりゃあ。外観文字はプリントっぽい。まあキットレンズ出身なんで…。

 
f:id:shogaitabibito:20250105213517j:imageズームリングが太くて回しやすい。トルクもそこそこ。ぶら下げていたら勝手に回っていくなんてこともまったくない。一方でフォーカスリングはほっそい。あまりMFでの使用は考慮してないのかな。その割にはトルク感がないわけでもないので、後述するマクロ使用時は使えなくもない。もちろん本家マイクロニッコールなんかと比べちゃダメなんだろうけど。Dタイプニッコールなので絞りリングも残っている。

 
f:id:shogaitabibito:20250105213146j:imageはい。ということで毎度恒例(?)の、マクロ機構切替スイッチ。50mm〜105mmで使用可能。最短撮影距離は圧巻の0.22mで、これが日常使いだとキクんですわ。50mm未満ではそもそもスイッチがマクロ側に切り替わらない。またマクロ使用時、フォーカスリングがマクロ域にあると元に戻せないので、お空にでもAFしてから切り替えてあげるとスムーズ。あ、もしくはMFに切り替えてガチャガチャやるか。どちらでもいい。最初は慣れないが、使ってるうちにこなれてくる。50mm以上しか使わないような場面では、ずっとマクロ側にしておいてもいいかも。

 

f:id:shogaitabibito:20250105213040j:imageシリアルナンバーはここ。比較的初期の個体みたいだ。別に隠すようなレンズってわけでもないので、小生はここまで普通に全レンズともシリアルナンバーを公開してしまっている。そんなにやましいこともないし、ノクトとか大砲単焦点みたいな隠す必要性がなくもない貴重な玉も、我が家には残念ながらないんで…。

 

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f:id:shogaitabibito:20250105212914j:imageD750に装着。初見の感想としては…「いやー、ダサいっす…」。めちゃくちゃダサいってことはないけど、「下の上よりの中の下」ってとこ。24-85/2.8-4Dとか、85/1.4Dなんかと比べてしまうと、もうダメ。フードをつければ…と思うかもしれないが、参考までに調べたらラッパみたいになってしまい、尚更ダメだった。しかもIFじゃないから、ラッパの先端がグルグル回るんだぜ。もうつけない方がいいんじゃなかろうか。まあいいっすよ。撮影に使えりゃあ。

 
f:id:shogaitabibito:20250105213812j:imagef:id:shogaitabibito:20250105213816j:image小生のフィルム機、F90Xにも装着。こちらの方が本来想定されていた組合せに近いんじゃないかと思われる。しかし片手で持つには少ししんどいくらいの重量だ(F90Xが重いんだけどね…)。オールプラスチッキーズなのにね。中身はちゃんと詰まっておりますよ。ボディもレンズも両方、腐っても一応メイドインジャパンなんで。

 


【作例】(現像は全てLightroomで適当にやってます)

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ほぼ初撮りに近い1枚。なぜ209系を撮ったのかは分からないが、多分逆光耐性を見たかったんだと思う。まあ、こんなもんです。いやー、マズいですなぁ。…見なかったことにしよう(笑)。列車自体の描写は良し。

 

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買った翌日、羽田のエスカレーターを上っている途中に見上げて撮りたくなった1枚。スナップにいいぞ、とこの辺りで既に思い始めている。

 

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普段はあまり出番がない50mmでスナップしようと考えた…のだと思われる。のだが、これを見ても特にコメントできることがない(笑)。

 

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  • AI AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.3-4.5D+D750
  • 48mm 1/500秒 f/8 ISO200
  • 北海道大空町 ひがしもこと芝桜公園

ハーフマクロONにして、グッと近づいてみると世界がさらに広がる。色ノリがやりすぎず綺麗なのも推しポイント。この時代の標準ズームの醍醐味は、やはりハーフマクロだなあ。

 

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  • AI AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.3-4.5D+D750
  • 85mm 1/800秒 f/8 ISO200
  • 北海道大空町 ひがしもこと芝桜公園

綿毛の質感まで、よく捉えられているんじゃなかろうか。やっぱりハーフマクロは、小生の撮影には最早欠かせなくなってしまった。背景ボケはどうだろう。ちょっとベッタリ目かな?

 

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  • AI AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.3-4.5D+D750
  • 105mm 1/640秒 f/8 ISO1000
  • 北海道釧路市 大楽毛駅

珍しくEasti-Dが来たので。鉄道撮影でも万能に働いてくれる。105mmで距離が足りないなら、潔くAPS-Cクロップするか、自分が動けばいいのサ…

 

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団臨の撮影。シャドウを持ち上げ、あとは露光量とハイライト調整。f/11まで絞ってくると結構パリパリした感じ(?)になってくる。これはちょっと…という方もいるかも。

 

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ハーフマクロは50mm〜なので、これは範囲外。最短撮影距離0.5m目一杯で撮ったんだろうが、ISO4000まで上げているのと、それでも暗くて低速シャッターなので、拡大されるとちょっとキツイかな〜。奥ピンにして誤魔化してますね、これは(笑)。

 

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コントラスト上げ、ハイライト下げ、質感が損なわれない程度にノイズ軽減。全体的な粗さはまあ、ご愛嬌。水平線が意外に歪んでなくて驚いた。

 

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  • AI AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.3-4.5D+D750
  • 28mm 1/200秒 f/8 ISO800
  • 北海道稚内市 抜海駅

来春廃止+棒線化されるということで抜海駅へ。ワイド端で樽型収差あり。

 

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  • AI AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.3-4.5D+D750
  • 105mm 1/800秒 f/8 ISO400
  • 北海道歌志内市

テレ端でハーフマクロON、APS-Cクロップして、アキアカネを大きく捉える。こういう芸当もできる。SSもまだ余裕があるので、もっと絞りたかったですねえ。

 

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  • AI AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.3-4.5D+D750
  • 105mm 1/125秒 f/8 ISO100
  • 北海道池田町

破綻しない程度にコントラスト上げ、ハイライト下げ、シャドウ持ち上げ。太陽も正面から受ければこの程度で済むらしい。

 

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APS-Cクロップで撮って出し。ここまでやれるかと正直撮っててビックリした。

 

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見返してみると、完全に主観だが50mm〜85mmあたりで特に良好な結果が出ている気がする。これもAPS-Cクロップで。イルカはとにかく速いので、SS勝負。AFについては、日中だからだと思うが迷いや遅さを感じることはなかった。もっとも、AF駆動に関してはこのレンズが凄いというよりはD750がすごいわけで。

 

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APS-CクロップしてISO8000でこれなら、まあいいでしょう。水族館ではガラスにぴったりくっつけて撮らないと反射がひどいが、寄れなくて困るという悩みを抱える方は多いだろう。これは0.22mまでガンガン寄れるし、APS-Cクロップすればテレ端換算150mmクラスになるので、水族館撮影にはなかなかいいレンズだと感じた。もちろん、室内では感度爆上げ必須で、なおかつブラさないスキルが必要になってくるが…。

 

 
【総括】

「一般ピーポーならば」日常はこれ1本で(ほぼ)完結する。

使用前からの期待通り、割となんでもできる優秀な万能レンズである。決して明るさはないが、高感度耐性が上がっているデジタル時代だからこそ、その万能性に磨きがかかっている。絞って撮っても感度を積極的に上げられることでシャッタースピードを稼げるから、いい時代である。ノイズだって、そりゃボディに依存する部分もあるけど、後からでもある程度消せちゃうし。勿論、現代の物凄いシャープネス、バッキバキの解像を求める方には縁もゆかりもない(というか、元々そこまでのクラスのレンズではないので)。ある程度粗さも受け入れられて、大きく引き伸ばしたりしないユーザーなら、本レンズは合うのではないだろうか。ボディ次第だが。

全部ではないけどDタイプニッコールは基本的に手ブレ補正がないので、高感度耐性が上がってSSが稼げるボディで使える今、Dタイプが再評価されるのもわかる気がする。アッサリ目だが描写に変な癖はなく、素直にDタイプニッコールらしいレンズだと言っていいと思う。逆にそういう電子的な(?)制御がないから変な壊れ方もしないんじゃないかなあ。一時期のM/A切り替えリングみたいな、構造上お粗末だった部分は置いといて。あとこれはおまけだが、手持ちの玉の事情で「手ブレ補正」というものをここ4年ほど全く体感していないのだが、手ブレに関して自分の感性が上がるのはいい。最新のレンズやボディを使っていればやらなくてもいいはずの、涙ぐましい苦労や思慮を手間暇かけてやるわけである。でもこの姿勢は忘れたくないね。

話を戻そう。ハーフマクロ使用時の描写はお見事の一言だ。日中帯であれば「これ以上の写りのマクロを求めるなら本格派単焦点マイクロニッコールを買え!」としか言えない出来、と言っていいのではないだろうか。小生はこれで十分満足してしまっている。日常の撮影に加えて、花や昆虫・フィギュアなど、マクロの世界もついでに撮ってみたいというユーザーには大変ピッタリだ。

またAPS-Cクロップするとテレ端で換算150mm級と、望遠に片足突っ込んだくらいのスペックになるため、水族館や動物園での撮影でも活躍できる。水槽展示の撮影で寄れずに困っている方には救世主的存在だ。

一方で本レンズを使用するにあたり、どうしてもよぎってしまう存在がある。後年(2000年)発売になる、Ai AF Zoom Nikkor 24-85mm f2.8-4Dである。前述の通り私のメイン標準ズームだったわけだが、ここで24-85/2.8-4Dに対し、本レンズを採用するメリデメを比較してみることにしたい。先輩後輩による似たもの同士の全面戦争である(笑)。

 
【28-105/3.5-4.5Dを選ぶメリット】

軽い:重さにして約100g違う。あまり大きな違いではないが軽いに越したことはない。

フィルター径:28-105は62mm。24-85は72mmである。基本的には小さい方が安い。

ハーフマクロ:花撮影などと言った本来的なマクロの使い方をするならば、28-105の方がテレ側が長い分、(若干だが)より被写体に寄れる気がする。最短撮影距離はほぼ同じ。

描写:D750ではどちらもアッサリ目の描写で、具体的な差をうまく言葉にはできないんだが、28-105の方が個人的にはほんのちょっとだけ好みだ。花撮影するなら断然こっち。

相場が安い:24-85は今や2万越えがゴロゴロしている。28-105はその半額前後程度から、状態のいい玉が手に入る。

 
【28-105/3.5-4.5Dを選ぶデメリット】

暗い:各焦点域で24-85と比べ少し暗い。感度を積極的に上げないと室内撮影等では24-85より苦しい。割とISO4000〜、下手したら8000〜のシチュエーションも出てくる。高画素機では夜間や室内が厳しいかも…?(といっても、最近の高画素機は優秀なんでしょうけど…)

広角域:28-105の方が広角域の歪曲が気持ち大きいような気がする。頑張ってはいるけれども。とはいえ24-85もテレ端はそれなりに歪むから…誤差の範疇かもね。まあそんなにデカい歪曲ではないので、気にならない人はOK。

ズーミング:28-105はズームで前玉が回る。PLフィルターを使用しての撮影等には向いていない。

ハーフマクロ:ここが一番デメリットに感じた。50mm〜ではテーブルフォトにおいて苦しい場面が出てくる。かといって28mmや35mmでは最短撮影距離0.5mで足りない…。24-85は35mm〜でハーフマクロ使用可能で、この35mmという画角はテーブルフォトに最適。卓上で撮れないものは無い。

見た目がダサい、安っぽい:ボディにつけた状態で美しさを感じるのはやはり大口径の24-85。外装も28-105の方がDタイプあるあるのツヤツヤプラスチック感があり安っぽい。まあ元々キットレンズだから仕方ないんだけど。

中古品の状態:24-85の方はほんの数年前まで現行品で売られていただけあって、高くても状態の良い玉は多いんじゃないかな。(何故か)まだ大本営で修理できるみたいだし。

 
…ということで、上記の2本比較してみたものの、かなーーーーりの一長一短である。とはいえ役割被りまくりなので、2本どちらも持ち出すわけにはいかない。個人的には外観の質感含めて、どちらか1本だけ所有するなら…相当迷うけど、うーん……24-85/2.8-4Dを選ぶかな〜とは思う。なぜって…ハーフマクロが35mmから使えるので…。

ただ、決め手は本当にこれだけ。

28-105/3.5-4.5Dも捨てがたいくらい、性能もコスパも良い隠れ優秀ズームレンズだと思うんだよ。なんならコスパはもっと良い。105mmまでどうしても欲しい!という人は即決でいいんじゃないか。

万能なのは同じだし、なんだかんだで愛着が湧いてきてしまったこともあって、最近はずっとお供してもらっている。カメラを持ち出すとなると、こいつは毎回ついてきている。旅行中はこれ1本で殆ど済むからラクだよね。写りにも満足してるので、まあ当分手放すことにはならなさそうな気がする。

中級機以上の一眼レフボディを買った方、最初のお供の1本としていかがだろうか。きっと長きにわたって活躍してくれるはず。ちょっとダサい外観も含めて、愛してあげてほしい。レンズフードは、多分あの大きさではあまり効果を発揮できないだろうから、「ラッパ」で撮影がしたい物好きな人だけ買って付けてくれ(笑)。

臨時企画・2024年入った温泉TOP15のコーナー【温泉】【サウナ】

2024年もおつかれさまでした。ええ、タイトルの通りです。あまり時間ないんで編集等あまりなしでガンガン書いていきます。適宜写真もどうぞ。最初TOP10で書いてたんですが、あまりに決めきれなかったのでTOP15にしました…。

 

せっかくなのでついでに宣伝なのですが、僕のTwitter「独断と偏見で入った温泉レビューのコーナー」をやっております。

https://twitter.com/tm__8823/status/1741744846182953156?s=46&t=pMArq4YP1nG8FaNeRMNAqQ

道内が中心になりますので、よろしければご覧いただけると幸いです。ツリーに過年度分もぶら下げてありますので、そちらも合わせてどうぞ。あまり点数と今回の順位はリンクしてない部分もありますが、今回は「個人的に心揺さぶられた温泉」が多く選ばれていると思います。

 

第15位

ユンニの湯(北海道由仁町)

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コーヒー色をした弱アルカリ冷鉱泉が湧く。まるでモールのように肌がスベッスベになる。札幌近郊(ギリ近郊だと思ってる)ではダントツの泉質じゃないだろうか。また月替わりでハーブ湯も展開されている。もちろんサウナもあり、外にはインフィニティチェアも完備。鳥の囀りを聞きながら休めるのが素晴らしい。何が凄いって、日帰りでも朝5時半から入れること。¥800でこれ堪能してしまっていいんすか?

 

第14位

大喜湯昭和店(北海道釧路市)

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f:id:shogaitabibito:20241231163255j:imageさてここで我らが釧路が誇る最強銭湯、大喜湯の登場。元々サウナ〜が集う場所だったが、2階に別料金のルーフトップサウナが出現し、釧路屈指のサウナ〜スポットに変貌した。オートロウリュとフィンランド式の2つ設置。オートロウリュ側はまさかの120℃近くまで温度が上がる背中火傷必至の超灼熱サウナ。ととのい椅子も順次増備中。追加課金の価値は十分にある。激熱サウナ好きは急げ。

 

第13位

やよい乃湯(北海道帯広市)

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f:id:shogaitabibito:20241231163541j:image柏林台駅から歩いてすぐ。こんな市街地でモール温泉が湧くのがもう奇跡。サウナはフィンランド式と遠赤の2パターン用意しており、フィンランド式はオートロウリュもあり、両方キャパも十分。休憩用の寝っ転がるやつ(伝われ)がたくさんあるのも嬉しいところ。上がったらサ飯も充実している。しかもこれがワンコインそりゃあ平日でも混むってのも納得。帯広まで2時間かけてでも行きたい。

 

第12位

ナウマン温泉ホテルアルコ236(北海道幕別町忠類)

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f:id:shogaitabibito:20241231163649j:image南十勝では数少ない温泉のひとつ。アルカリ単純温泉はモール泉に少し飽きてしまった頃にオススメ。透明だがものすごいとろみで、下手したら生半可なモール泉より温泉力を感じられる。もちろんサウナはみんな大好きセルフロウリュである。当然のようにインフィニティチェアもあり。広尾道忠類ICからすぐとアクセスも良好。何がエグいってこれで日帰り温泉600円なんすよ。しかも朝から入れる。神なの?

 

第11位

然別湖畔温泉ホテル風水(北海道鹿追町)

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f:id:shogaitabibito:20241231164027j:image鹿追の山奥に残る温泉宿。サウナなどない。温泉力と圧倒的露天風呂の風景だけでここまで来た。源泉掛け流しの土色の温泉は湯の花が舞う。食塩泉系でアチアチなため、イヤでも芯まで温まる。参考までに写真も載せたが冬の露天風呂は圧巻。目の前は凍りついた然別湖とくちびる山、青い空。もうそれだけで1,000円払ってもおつりが来る。道中は険しいが、是非とも冬に訪れていただきたい。利用者が少なかったので、もっと知られてほしい。絶対カンドーするよ。

 

第10位

川湯観光ホテル(北海道弟子屈町)

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f:id:shogaitabibito:20241231164240j:image今年はあまり川湯に入らなかったなあ。近くには結構行ってたんですが…。川湯の超酸性温泉は老廃物も洗面台も釘も何もかもを溶かしていく。入ったものにしか分からない極上の湯。肌が弱い方のために真湯もありますよっと。川湯では数少ないサウナもちゃんとある。総合力で死角なし。川湯はどこも素晴らしい温泉を構えているけれど、日帰りで迷ったらまずはココかな!スタンプも置いてあるよ。

 

第9位

えべおつ温泉(北海道滝川市)

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f:id:shogaitabibito:20241231164415j:image道北遠征3日目の宿で泊まった、昭和の香りを残した古き良き温泉。内装もほぼ昔そのままで維持してるんじゃないかな。風呂に入るとまずヘッドを動かして使うタイプのシャワーに「ケロリン」がお出迎え。もう好き。乳白色の弱アルカリの温泉、水風呂は冷鉱泉、サウナまで構える。宿というにはあまりにも部屋がコンパクトであったが、なんとも昔の趣を感じさせてくれて、これまた最高なんだ…。思い出補正もあるんだろうけれど、忘れられない温泉のひとつ。

 

第8位

別海まきばの湯しまふくろう(北海道別海町)

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f:id:shogaitabibito:20241231164644j:image小生の大好きな温泉のうちのひとつ。毎年数回行く。ここは内湯2露天1の至ってシンプルな温泉だが、食塩泉が最高に身体を温めてくれていいんだよね。湯冷めしないし。しかも加水加温塩素濾過一切なしのガチ源泉掛け流し。泊まったらこれに朝6時から入れる。これを独占できるなんてあまりにも贅沢。レストランの「しまふくろう特製カレー」は世界一うまいカレーだとガチで思っているのでこちらも絶対に食べてほしい。とにかくゆったりとした時間が流れていていいね。

 

第7位

斜里温泉 湯元館(北海道斜里町)

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f:id:shogaitabibito:20241231214526j:image宿泊もやっているが日帰り温泉無人のスタイル。400円で入れるのは有難い。建屋は新しくなっているが、浴槽は昔のままの趣ある姿を残している。低温と高温の2箇所あり、好みに合わせて。誰もいない中、(恐らく)ガチ源泉掛け流しの極上モール温泉体験。真の温泉好きにオススメしたい。風呂上がりの斜里のおいしい水も身体に染み渡る。設備が充実している温泉はいくらでもあるだろうが、ここまで心に残る温泉はなかなかない。

 

第6位

とままえ温泉ふわっと(北海道苫前町)あとてしお温泉夕映(北海道天塩町)も

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f:id:shogaitabibito:20241231214858j:image道北遠征の時に日帰りで入った温泉。褐色の湯は泣く子も黙る超濃厚な石油系食塩泉である。ありえんくらい身体が温まるし独特の香りはクセになる。サウナももちろん完備、しかもととのいスペースまで用意している。露天風呂に向かえば雲ひとつない日本海ビュー、もう文句のつけようがない。石油系の温泉が今年大変気に入ったので、遠いがまた入りに行きたい。

 

第5位

十勝川温泉第一ホテル(北海道音更町)

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f:id:shogaitabibito:20241231215052j:imageこちらは大規模にリニューアル。2階の露天風呂やミストサウナがなくなってしまったのは惜しまれるところだが、サウナが大幅にグレードアップ。構造上熱が逃げにくいため発汗良好、また非常に暗いため集中力もアップ。もちろん源泉はモール温泉。極寒の中、寝そべって休んで十勝の空気を感じられる。立ちながら入って庭を眺められる露天風呂は大変素晴らしい。上がった後はテラスや足湯でさらにゆっくりできる。日帰りは¥2,000だが、その価値は十分にある。お試しあれ。

 

第4位

十勝エアポートスパそら(北海道中札内村)

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f:id:shogaitabibito:20241231215217j:imageフェーリエンドルフ併設のデイスパ。温泉は十勝のモール泉タンクローリーで運んで使用するスタイル。サウナが2つあり、それぞれオートロウリュとセルフロウリュになっている。どちらも広いし内部も綺麗で良い。なによりここは芝生にマットを広げて寝転がって休むことができる。これはもう…十勝の広大な大地と一体化してしまう!!タオルも備え付けてあるため、手ぶらで行けるのも大変うれしい。「リス横断注意」の看板キーホルダーが可愛いのでぜひゲットしていただきたい。

 

第3位

北こぶし知床ホテル&リゾート(北海道斜里町)

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f:id:shogaitabibito:20241231215430j:imageここに今年2回(しかも、冬と夏…)泊まることができたのは幸運だったという他ない。癖の少ない中性温泉ももちろん良いのだが、やはりここはサウナだ。オホーツク海を眺めながらじっくり汗をかくことができる。冬なら目の前は流氷。しかもオートロウリュ付き。BGMは知床の自然の音。少し前に日帰りがなくなり宿泊だけになったが、オールインクルーシブで酒飲み放題も部屋も最高だし、ご飯も大変美味だったので、マストステイ。庶民にも手が届く範疇ならば、北海道最高の宿はここだと思う。(写真は大浴場撮影タイムで撮影しました)

 

第2位

つるいむら湿原温泉ホテル(北海道鶴居村)

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f:id:shogaitabibito:20241231215716j:image小生のホームとしている温泉である。十勝以外のモールは邪道って思ってるだろ?実は鶴居や標茶、斜里のモールは下手したら十勝以上にいいぞ。何時間でも浸かっていたくなる。珍しく内湯の方が居心地がいい。ログハウスのようなフィンランド式サウナは比較的低温で、長時間入るのに向いている。当然セルフロウリュもあり、アロマはなんと日替わり。水風呂は外で湧水なので、恐らく道東エリアで一番キンキン。そしてインフィニティチェアが圧巻の5個。夜は星を眺めながらのんびり寝よう。マジで回数券買いたい。

 

第1位

KIKI知床ナチュラルリゾート(北海道斜里町)

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f:id:shogaitabibito:20241231215914j:image最果てにして最強、マジで日本最強のサウナスポットなのではないかと思う。サウナは計4種類。ウィスキングサウナは低温じっくり向きで、いわゆるヴィヒタが可能。ネウナは名前の通り、寝転がってサウナできる。セルフロウリュありで、これが物凄く汗が出る。クロウナは内部真っ暗セルフロウリュ付き。イグルーは薪で焚くタイプのサウナでこちらもセルフロウリュ。朝の貸切状態イグルーが素晴らしかった。水風呂は滝スイッチ付き。日帰りもあるものの、ご飯も美味かったし、泊まれば4種類制覇できるので、絶対に泊まってほしい。(写真は大浴場撮影タイムで撮影しました)

北海道全市町村宿泊チャレンジ 進捗のコーナー

本記事は、首都圏から北海道へ就職した小生が(一応道民の血は父親から引いております…)、「真の北海道民となるべく、そして純道民よりも道民するために開始した、「北海道全市町村宿泊チャレンジ」というあまりにもバカげた、あまりにも金のかかる、あまりにも途方もない企画の進捗を確認するためのページになります。

本記事は達成されるその日まで、ちびちび更新されていきますので、暇な人だけ見ていただけると幸いです。多分10年はかかると思います…。年間10市町村達成できればいい方なので。流石に釧路から転勤しないと特に渡島・檜山・後志方面は距離からしてなかなかコンスタントに埋めるのが厳しいですからね…。

また自治体によっては極端に選択肢が少ない場合もあるため、コメント等で情報も頂けるととても喜びます。オススメ宿情報も随時受付しております。

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以下、簡単に概要説明です。

  • 自治体を振興局別に記載しております。宿泊施設、宿泊日を下に記載しています。未達成自治体は特に何も書いてません。空欄です。
  • いわゆる北方領土にあたる色丹村、泊村(国後島)、留夜別村留別村紗那村蘂取村につきましては、諸般の事情により宿泊手段はおろか、現状では訪問すらまず叶いそうにないため、北方領土6村を抜いた【179市町村】を対象とします。
  • 「宿泊」の定義について:基本的には「宿泊施設への宿泊」を正規対象とします。✅の表記をしています。
  • 現状、車中泊・ネカフェ泊もカウントはしています(☑️の表記です)が、小生の中ではあくまで「暫定」という位置付けです。車中泊だと割となんでもアリになってしまうのと、ネカフェは宿泊施設とはいえないためです。
  • ライダーハウスとキャンプ場でのキャンプについては、広義の宿泊施設泊(だし大半は料金を払うはず…)なので、「宿泊」に含ませてください…。というのも2024年現在、これを対象にしないと一部宿泊達成困難な自治体があるためです(赤平市とか)。

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北海道全市町村宿泊チャレンジ

進捗一覧

現在:34/179市町村(19.0%)

(2024年12月17日現在)

 

石狩振興局

札幌市

 ✅アパホテル札幌すすきの駅

   2021.08.25-26

 ✅コンフォートホテル札幌すすきの

   2022.10.22-23

 ✅ダイワロイネットホテル札幌すすきの

   2023.12.15-16

 ✅ヴィアインプライム札幌大通

   2023.10.11-12

 ✅JRイン札幌北2条

   2022.04.16-17

 ✅アパホテルTKP札幌駅前

   2023.10.22-23

 ✅ホテルグレイスリー札幌

   2023.09.06-07

 ✅東横イン札幌駅西口北大前

   2022.07.13-14

 ✅定山渓ビューホテル

   2023.08.22-23

 

北広島市

 

恵庭市

 ☑️道と川の駅 花ロードえにわ(車中泊)

   2023.03.07-08

 

千歳市

 

江別市

 

石狩市

 

当別町

 

新篠津村

 

 

空知総合振興局

岩見沢

 

南幌町

 

美唄市

 

砂川市

 

滝川市

 ✅えべおつ温泉

   2024.08.20-21

 

奈井江町

 

妹背牛町

 

深川市

 ✅ラ・カンパーニュホテル深川

   2023.08.21-22

 

上砂川町

 

三笠市

 

歌志内市

 

赤平市

 

芦別市

 

栗山町

 

長沼町

 

由仁町

 ☑️由仁PA上り(車中泊)

   2022.05.19-20

 

夕張市

 ☑️道の駅夕張メロード(車中泊)

   2023.05.07-08

 

秩父別町

 

沼田町

 

雨竜町

 

北竜町

 

新十津川町

 

浦臼町

 

月形町

 

 

胆振総合振興局

苫小牧市

 ✅天然温泉樽前の湯 ドーミーイン苫小牧

   2023.05.10-11

 

白老町

 

登別市

 ✅登別グランドホテル

   2024.09.19-20

 

室蘭市

 ✅ドーミーイン東室蘭

   2021.05.08-09

 

伊達市

 

洞爺湖町

 

豊浦町

 

壮瞥町

 ✅洞爺サンパレス リゾート&スパ

   2023.07.27-28

 

安平町

 ☑️道の駅あびらD51ステーション(車中泊)

   2024.09.18-19

厚真町

 

むかわ町

 ☑️道の駅むかわ四季の館(車中泊)

   2023.07.26-27

 

 

後志総合振興局

小樽市

 

赤井川村

 

仁木町

 

余市町

 

古平町

 

積丹町

 

倶知安町

 ✅駅の宿ひらふ

   2024.05.28-29

 

ニセコ町

 

蘭越町

 

黒松内町

 

島牧村

 

寿都町

 

神恵内村

 

泊村

 

共和町

 

岩内町

 

喜茂別町

 

留寿都村

 

真狩村

 

京極町

 

 

檜山振興局

せたな町

 ☑️道の駅てっくいランド大成(車中泊)

   2023.05.08-09

 

江差町

 

上ノ国町

 

厚沢部町

 

乙部町

 

今金町

 

奥尻町

 

 

渡島総合振興局

函館市

 ✅ラビスタ函館ベイ

   2023.05.09-10

 

北斗市

 

松前

 

福島町

 

知内町

 

木古内町

 

鹿部町

 

七飯町

 

森町

 

八雲町

 

長万部

 


日高振興局

日高町

 

平取町

 

新ひだか町

 

新冠

 

浦河町

 

様似町

 

えりも町

 

 

上川総合振興局

旭川市

 ☑️道の駅あさひかわ(車中泊)

   2023.06.02-03

 ☑️快活CLUB旭川永山店(ネカフェ泊)

   2021.04.16-17

 

当麻町

 

愛別町

 

上川町

 

鷹栖町

 

東川町

 

東神楽町

 

美瑛町

 

上富良野町

 

中富良野町

 

富良野市

 

南富良野町

 ☑️道の駅南ふらの(車中泊)

   2022.04.20-21

 

占冠

 

比布町

 

和寒町

 

幌加内町

 

剣淵町

 

士別市

 

下川町

 

名寄市

 

美深町

 

音威子府村

 

中川町

 

 

留萌振興局

留萌市

 

増毛町

 

天塩町

 ✅てしお温泉 夕映

   2024.08.19-20

 

遠別町

 

初山別村

 

羽幌町

 

苫前町

 

小平町

 

 

宗谷総合振興局

稚内市

 ✅ホテルトランク稚内

   2021.04.24-25

 ☑️道の駅わっかない(車中泊)

   2022.04.19-20

 

豊富町

  

幌延

 

猿払村

 

浜頓別町

 

中頓別町

 ✅ピンネシリ温泉ホテル望岳荘

   2024.08.18-19

 

枝幸町

 

礼文町

 

利尻町

 

利尻富士町

 

 

十勝総合振興局

帯広市

 ✅森のスパリゾート 北海道ホテル

   2024.10.05-06

 

音更町

 ✅十勝川温泉第一ホテル 豊洲亭 豆陽亭

   2024.01.13-14

 ☑️道の駅おとふけ なつぞらのふる里(車中泊)

   2023.07.28-29

 

幕別町

 ✅十勝ナウマン温泉 ホテルアルコ236

   2024.06.16-17

 

池田町

 

豊頃町

 

浦幌町

 

中札内村

 

更別村

 

大樹町

 ✅晩成温泉 晩成の宿

   2024.08.11-12

 

広尾町

 

芽室町

 

清水町

 

新得町

 

士幌町

 

上士幌町

 

鹿追町

 

足寄町

 

本別町

 

陸別町

 

 

釧路総合振興局

釧路市

 ✅スーパーホテル釧路天然温泉

   2022.12.31-2023.01.01

 ✅ホテルエリアワン釧路

   2023.02.08-09

 ✅釧路ロイヤルイン

   2024.07.01-02

 ✅阿寒の森鶴雅リゾート花ゆうか

   2021.10.02-03

   2022.12.19-20

 

釧路町

 

厚岸町

 ☑️道の駅厚岸グルメパークコンキリエ(車中泊)

   2023.05.13-14

 

浜中町

 

標茶町

 

弟子屈町

 ✅屈斜路プリンスホテル

   2021.09.23-24

 

鶴居村

 ✅つるいむら湿原温泉ホテル

   2024.04.09-10

 

白糠町

 

 

オホーツク総合振興局

網走市

 ✅東横インオホーツク・網走駅前

   2021.08.28-29

 ☑️道の駅流氷街道網走(車中泊)

   2022.07.03-04

 

大空町

 

美幌町

 ✅ビジネスホテルARM美幌

   2024.10.26-27

 

北見市

 ✅ドーミーイン北見

   2023.04.22-23

 

遠軽町

 

津別町

 

訓子府町

 

置戸町

 

佐呂間町

 

滝上町

 

湧別町

 

紋別市

 ☑️道の駅オホーツク紋別(車中泊)

   2022.04.18-19

 

興部町

 

西興部村

 ✅ホテル森夢

   2024.02.12-13

 

雄武町

 

小清水町

 

清里

 

斜里町

 ✅北こぶし知床ホテル&リゾート

   2024.01.31-02.01

   2024.07.12-13

 ✅KIKI知床ナチュラルリゾート

   2024.07.28-29

 


根室振興局

根室市

 

別海町

 ✅別海 まきばの湯 しまふくろう

   2024.12.16-17

中標津町

 ✅養老牛温泉 湯宿だいいち

   2022.09.16-17

 

標津町

 

羅臼町

 

 

(最終更新:2024/12/17)

【レンズレビュー】「TOKINA AT-X 16-28 F2.8 PRO FX」[第5回]

雪がやっと溶けたと思うと、釧路の春はあっという間に終わってしまう。というか、いつからいつまでが春なのかはっきりしない。15℃を超えたかと思ったら次の日には10℃を下回ったりするからである。おまけにちっとも晴れない。1週間のうち5日は曇りか雨なんじゃないかという気がする。しかも毎朝霧。というわけで釧路の春はどんよりしており、なかなか撮影日和とはいかない。

 

そんなことは傍に置いておいて、今回登場するのは…

TOKINA AT-X 16-28 F2.8 PRO FX

 

である。純正以外のレンズは初のご紹介。超広角ズーム導入にあたり、2023年夏に中古で購入したサードパーティ製レンズになる。2010年発売のレンズで、驚くことに発売からもう14年も前(そして後継も出ている)になるのだが、小生の手持ちの中では(残念ながら?)最も新しい玉になる。某密林で35,000円で購入した。

トキナー(というのはレンズ銘だけで、今では社名が「ケンコー・トキナー」になりましたね…)は新品も安いのだが、中古相場は何故かリセールが良くなく、さらに値落ちするので、貧困フォトグラフィー勢にも導入しやすい。ヤフオクトキナーレンズを検索すると安すぎてビックリするよ。そのうち何本か叩き売りのものを買ってみようかと思う。

 

Fマウントで超広角ズームを導入するにあたっては、実は意外と色んな選択肢がある。明るさだなんだとこだわることのできるポイントは色々あるものの、一応トキナー以外になると、f/2.8通しなら以下のレンズが候補に上がると思う。

  • AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED(純正)
  • SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM
  • TAMRON A041(か、1世代前のA012

この辺りになるだろうか。また、f/2.8通しに拘らなければ、

価格.comで漁った限りではこれくらいかね。f/2.8通しは軒並み出目金なので、フィルター装着を前提にするなら明るさを犠牲にするしかない。これ以外に旧製品もあるので、一応純正の古いのも上げておくと、

  • Ai AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-ED

なんてのもある。

f/2.8通しで検討すると、純正とSIGMAはワイド端14mmから、TAMRONは15mmから使えるものの、やはり大三元(相当)だけあって中古品でもお値段がそこそこ張ってしまうところである。中古最安値ラインで17-35/2.8Dが4万弱、タムロンA012で4.5万というところか(5月上旬現在、価格.comにて)。この2つは型落ちだし、あとはもう中古でも軒並み5桁後半〜6桁ですわ。

特に純正の大三元(14-24/2.8G)は、新品で買うと25万〜だそうだ。勿論超広角域における1mmの差が大きいのは百も承知ではあるものの、とてもではないが小生に手が届くシロモノではない。現行SIGMA14-24/2.8の新品も13万〜だそうだ。もし血迷って買ってしまったら、生活が立ちいかなくなってしまいそうである。

そこで本レンズ、TOKINA AT-X 16-28/2.8である。一応旧モデルではあるが、他の超広角大三元相当レンズに比べると、違法労働を疑ってしまうほどお安く求めることができる。2010年代以降の同クラス製品ではこれが一番相場が安かった。状態が良いものでも3万後半くらいから探せそうである。ちなみに新品でも6.8万からまだ在庫があった。

勿論ワイド端は他メーカーには敵わず16mmからではあるが、多分アマチュアの域を出ないのであればこれで十分すぎるほど事足りる。使用してみて、ワイド端16mmであれば日常使いでもギリギリ使える範疇、テレ端が28mmまであることも相まって結果的に出番が増えるのではないかと感じた。超広角f2.8通しズームを手軽に手に入れるとするならば、良い選択肢になりうる。

なお、繰り返しになるがAT-X16-28/2.8は旧製品になるので、もし公式から新品で購入検討する場合は後継のopera 16-28mm F2.8 FFを選ぶこととなる。一応性能はアップしているとどこかで見た。リセール?そんなものは知らない。

 

外観

トキナーのフラッグシップモデルらしく金銘板。さらに金帯が入る。なんだかGタイプ以降のニッコールっぽい。ズーム回転方向がニコンと同じなので、ニコンユーザーにとっては扱いやすい。逆回転でも慣れるんだろうけど、なんとなく他メーカーを敬遠してしまうのはその辺りの事情もある。無論、一番は財力の問題なのだが。全体的に高級感のあるマット仕上げになっている。

シリアルナンバーは裏面。ズームリングは固め。ちなみになんだが、トキナーレンズのシリアルナンバーから製造時期を割り出す手段やサイトを知っている方がもしいたらコッソリ小生までおしえてください。


トキナーお得意のフォーカスクラッチ機構というやつ。これはワンタッチなのでピントリングを後玉側にグッとやるとMFに切り替えられる。ボディ側の操作は不要。操作感も結構しっかりしていて個人的に好感度は高め。そもそもが安価なので、フルタイムMFまで求めるのは酷だよねぇ。少なくともDタイプニッコールによく付いている脆いM/A切替リングより100倍マシだ。ピントリングのトルクもAF全盛期のレンズにしてはしっかりしている方だな。MFでも使える範疇。

後玉側から。9枚羽。流石にトキナーのフラッグシップモデル相当なので、しっかり金属マウントである。あ、言い忘れていたが絞りリングはない。

見ての通りの出目金レンズである。念の為述べておくが、フィルター装着は不可である。フードが一体になっているので比較的安全ではあるが、取扱いには注意。ズームしても全長は変わらないので、フードからははみ出さないが、前玉はワイド端16mmで最も繰り出してくるので、持ち運ぶ時はテレ端28mmにセットすると安心できる。ちなみにインナーフォーカスになっている。



D750に装着。本レンズはほぼ1kgなので、合わせて2kg近くになる。デカい、長い、重い。カメラに詳しくない人が見たらビックリしそうである。迫力は抜群だが、片手で支えていると腕がプルプルしてくる。もう少しデカいボディの方が似合うかもなあ。となるとD850か一桁機になってしまうな。

これだけ前玉がデカいので、キャップもデカい。嵌めやすくて取れにくいのでいいキャップだと思う。撮る時にどこにしまおうか迷うくらいの大きさだが、安全性重視のため、致し方なしである。

 

作例

約10ヶ月ほど北海道各地で撮影した作例をご紹介。

買ったばかりの頃の1枚。初の超広角は、縦横奥行き共に言葉にできないほどの今までにない広がりがあって最高だ(書いておいてなんだが、当たり前のことを言ってるな)。トキナー持ち味のブルーの美しさは勿論の事ながら、その他のカラーも犠牲になる事なくバランスよく表現している。

列車待ち中にテストしたもの。空のブルーが美しい。あまりデカく拡大してしまうとちょっと厳しいが、開放からまあまあ頑張っている。(現代のレンズとしては)解像度はそれなりで、コントラスト重視なのかな。そんな感じがする。暗部まで描写できている。

H100のテールライトと天井の蛍光灯でこれなので、ハイビームが来たらどうなるかは想像に難くない。

  • TOKINA AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX + D750
  • 24mm 1/30秒 f/5.6 ISO200
  • 北海道深川市 ラ・カンパーニュホテル深川

最短撮影距離0.28mが効いて、テーブルフォトまでこなせる。もう少し絞れば良かったな。

室内をダイナミックに、明るく広く写せるのはいい。パースの狂いも気にならない。

さて、トキナーレンズ恒例の問題となる、逆光シチュエーションである。f/5.6まで絞ったがご覧の通り盛大なフレア&ゴーストである。フレアな部分はコントラスト低下。そしてゴーストはきたない。基本的に太陽に向かって撮るのはやめた方が吉である。少なくとも小生にはこれを逆手に取るようなスキルはない。

花咲線減速運転の車内から無理やりテレ端開放で撮ったので、色々無理があるのは勘弁してほしい。やや周辺光量落ちあり。なんとなくフワフワしてるというか、ピント面がピンボケしてるわけではないがイマイチよくわからない…それがトキナーらしいと言えばそうなのかもしれないが、かなり好みは分かれる気がする。

  • TOKINA AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX + D750
  • 16mm 1/800秒 f/2.8 ISO100
  • 北海道豊頃町 はるにれの木

縦構図も。これは後から編集で地上のシャドウを持ち上げたのだが、「どうして全部開放で撮ってしまったんだろう…」と後悔している撮影だ(笑)。かなり拡大すると枝の細部がなんだかモヤモヤしているのがわかると思う。ただ、空の色のグラデーションの鮮やかさは見事だと思う。空と雲の表現は手持ちの中で一番好きだな。はるにれの木はもう一度リベンジしに行きたい。冬でも3時には起きないと間に合わないな(笑)。

  • TOKINA AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX + D750
  • 16mm 1/800秒 f/2.8 ISO100
  • 北海道豊頃町 豊頃駅 2541D

無謀にも真正面に太陽を入れた一枚。太陽はもはや原型をとどめていないが、個人的に使ってみての印象としては、斜めから光を入射させるよりかは思い切って真正面から受けた方が断然マシな気がする。…ということで、日の出日の入り時は案外イケるんじゃねと思っている(←…そうか?)。

f/8まで絞っているが画面右側、横からの太陽光で盛大なゴーストが出た例。こんなゴースト、どうしようもない。構図も天気もよかっただけに、後から気づいてめちゃくちゃガッカリした。フードもあまり頼りにならないので、手で光線を遮るとか、何かしらの工夫はしたほうがいいんだろうが、超広角だから画角に入らないように光を遮るのは至難の業だし、そもそも片手でボディ+レンズを持てるような重さでもないしなあ…。とりあえずゴーストは無視して、トキナーブルーと描写力を見て行ってくれ。

それなりに絞ってやれば、PC画面上で見るくらいなら画質は問題なさそう。

花撮り。開放はやっぱりピント面がちょっとソフトだ。バリバリシャープ!バキバキ解像!を求める人には向いてないのかもね。

家の近くで。桜だってお手のもの。隅がちょっと気になるといえば気になる人もいるかも。

前ボケテスト。桜ついでで+1.0EVのままだったので後から±0近辺まで露光量を下げた。開放はちょっとやりすぎ感。前ボケさせるなら前景はシンプルな方が好きかも。

f/8まで絞るとこんな感じ。

  • TOKINA AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX + D750
  • 24mm 1/500秒 f/8 ISO100 
  • 北海道大空町 ひがしもこと芝桜公園

 手前の被写体にグッと寄ってあげるとダイナミックさが出る。

  • TOKINA AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX + D750
  • 16mm 1/800秒 f/8 ISO100 
  • 北海道大空町 ひがしもこと芝桜公園

ワイドに写せるスナップ的な使い方もできる。けど、もったいないよねえ。こんなデカいレンズでやることじゃないっすね。ええ。

  • TOKINA AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX + D750
  • 24mm 1/800秒 f/8 ISO100 
  • 北海道大空町 ひがしもこと芝桜公園

ただ見たままに撮るだけでは、特に単調な風景はこのように「普通の画角の広いだけの写真」になってしまうので、工夫が必要。まあこれは24mmだけど、超広角域は経験と腕がモノを言う気がする。

 

順光だと本当に素晴らしい写りをする。これはなかなか個人的には会心といったところ。鉄道写真にも使えるレンズだと思う。

 

総括

作例をご覧いただければなんとなくお分かりになるかと思うのだが、改めてまとめると、このレンズの弱点は以下の通りになる。

  • 逆光耐性の弱さ→強い光源を特定の方向から入れてしまうと、ほぼ確定でフレア+逆手にも取れそうにないほどのとても汚いゴーストが出る。太陽は基本的に画面内に入れてはいけない。正直真横に太陽のある構図も危険。作例にあげた通りH100のテールランプであの有様なので、何なら満月でさえちょっと厳しい。
  • 手ブレ補正がない→とはいえ同クラスレンズで手ブレ補正付きはタムロンだけ。広角域では(三脚使用も多いだろうし)あまり必要ない気がする。その分安いし壊れにくいと思えば良い。純正14-24/2.8Gにもないんだし。手ブレ補正に頼った撮影をするのもいかがなものかと小生は思っておる。
  • デカくて重い→レンズだけで約1kg。分かりきっていることではあるが気軽に持ち出せるレンズではない。スナップもできる実力はあるが、持ち出すかというと…。ただ同クラスのレンズは大体こんなもんだし、何よりこれで重いと音を上げているようでは大砲は永久に持てないだろう。

…と、明確な弱点はあるとはいえ、分かって撮っていれば何も問題はない。テレ端が28mmまであるのが個人的に嬉しく、撮影対象がこれだけで少し広がるので、ある程度付けっぱなしでウロウロしても心に余裕があった。この+4mmが効いていた。超広角にしては歪みも少ないと思う。D750との組み合わせではAFも速く、合焦で迷うこともなかったので、これよりハイクラスのボディならまず大丈夫。

めちゃくちゃに解像するというわけではないが、一応プロ向けということもあってコントラストが高く、色乗りも良好。また暗部までしっかり描写してくれる。ものすごく引き伸ばしたりしない限りは十分な性能だと感じた。特に晴れの日の順光では無類の強さである。あと結構寄れるので、テーブルフォトやスナップにも使えないこともない。なお上述の通り、実際やるかどうかは別。

 

中古品も程度のいいものが(比較的)安価に手に入るので、超広角域の入り口としてはこれを選んで良かったと思っている。コストパフォーマンスは最高クラスだ。特に晴天下の空のブルーの発色は本当に素晴らしいので、それだけでも十分に購入の動機になりうると感じた。

ただ、他の超広角大三元クラスにも言えることだが、購入にあたっては明確に「○○が撮りたいからこのレンズを買う」という目的意識が必要だと思う。ただ闇雲にスペック(…といってもこれは15年前の設計だけど)に惹かれて購入してしまっては、そのデカさと重さと汎用性の低さゆえ、防湿庫の肥やし行きになってしまうこと間違いなし。なお、自分の場合は摩周湖をこれでワイドに撮ってブルーを表現したいと思って買ったが、まだ行ってないね…。

活躍の場は風景写真がメインになると思うが、風景の主戦場の一つである「ガチ登山」に持っていくには重量、そして足場が悪いところで出目金を取り出す恐怖心…がめちゃくちゃネックになりそうだ。これと標準をもう1本…というのも(重量からして)むずかしいし。

作例に挙げたとおり鉄道写真での使用も可能だが、場面や構図は限られる。ホーム上で停車中に近づいて撮るか、もしくは風景中心にして列車がアクセントになるような構図なら活路を見出せそうだ。個人的には大駅の跨線橋の上からホーム全体を広く写してみたい。あぁ、言わずもがな、夜間はハイビーム一発でアウトである。というわけで、日中に限られそうであるが、こちらはこちらで太陽光にシビアなのでキツい。いずれにしても順光はマストだ。あと気のせいかもしれないが、曇りだと若干コントラストが落ちる気がする。

 

写真を撮るにあたって風景画をメインにしている方でなければ、超広角域自体が決して出番の多いレンジというわけではないので、自分に必要かどうかはしっかり吟味してから選びたいものである。クルマ移動がメインで、広大な自然の多い場所に住んでいる/よく遠征する方には、比較的出番が増えそうなのでオススメだ。平地から十勝の平原+日高山脈とか、国道横の駐車スペースから空と湖の広がりを撮るとか、砂浜+海+空をワイドに捉えるとか。エサヌカ線やオロロンラインのような、果てしなく続く直線道路を撮るのも良さそうだね。つまるところ超広角というものは、北海道が一番出番がありそうだ、という結論にしておこう。

(それはそうと、他の方のレビューも読みつつ、現行のopera 16-28mm F2.8 FFの作例を見ていたんだけれど、さらに写りが良くなって逆光にもかなり強くなった印象を受けたので、いつかこれを下取りに出して買い換えようかなあ…(などと供述しており))

 

最終更新:2024/09/01

【レンズレビュー】「AI AF NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S」(第4回)

近々帰省するので、東京でもハードオフ巡礼(もちろん、ジャンクレンズ探しのためである…)をしようかと思って調べてはみたものの、案外23区内ってハードオフないんだなぁ…と思う今日この頃である。

 

前置きはさておき、今回のレンズは…

AI AF NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S

である。写真を見てわかる通り、当記事は申し訳ないがベッドに転がって(気が向いた時に下書きを追加…を繰り返して)打ち込まれている、もはややる気以前の記事になっている。

ニコンAFレンズ黎明期のキットレンズのひとつ。例によってハードオフ1,100円で転がっていた個体になる。元々は新品が3万5千円前後で売られていたらしい。F-501のキットレンズだったとか。

ジャンクレンズにも色々な時代・マウントのものがあるが、手に取り放題のカゴのなかに放り込まれているのは大体タムロンSIGMAトキナーのプラスチッキーさ満載でふっるいズームレンズだったりする(そして大抵ミノルタ用かペンタ用、たまにキヤノン用)。ニコンFマウント用が転がっていることは少ない気がする。それだけユーザーが多くて需要があり、回転が早いということなんだろうが。うちの親からのお下がりであるトキナーAF75-300もいい加減限界(Lightroomでかすみ除去→露光量上げをしないと、とてもじゃないがコントラストが低すぎて実用に耐えない状態なのである…)なので、何か手頃な玉があれば買ってみたいものだが、いかんせんニコン用がなかなかなくてね。

純正NIKKORレンズとなると、単焦点であれば大体鍵付きショーケースの中である。Gタイプ以降のズームレンズ(たとえDX18-55であっても…)でさえショーケースの中にある。DX18-55なんかキットレンズなもんだから、巷に溢れ過ぎていて、キタムラでもまず売値5桁にはならないと思うが、ハードオフでも結構な値がついていてびっくりすることがある。

しかしこのAI AF~Sは大変不遇な扱いを受けていることが多い。ズームレンズならなおさら、である。大抵状態にかかわらず1,100円でカゴの中に投げ売りされてしまっている。今回もしかりである。それでも(小生のように)買う人がいるので、数自体は決して多いわけではないのだが、なんだか可哀想な扱いをされているので救出したくなってしまう。

 

外観

極めてプラスチッキーである。高級感は全くないが、廉価な2倍ズームレンズなので一向にかまわない。何本かレビューも読んだが、後期型(いわゆる"New"とついてるやつ)は窓がなくなって、ピントリングがもう少し太くなってゴムラバー化しているらしい。長さは50/1.8Dとほぼ同じくらい、一番太いところの直径は50/1.8Dより一回り大きいくらい。コンパクトでよい。絞りリング最大値固定のピンが心許ない強度のため、弄るたびに壊れそうでヒヤヒヤする。

見ての通りのピントリングの細さ。50/1.8Dの半分くらいの太さしかない。マジで5mmもない気がする。おまけにゴムラバーですらなくプラスチック。この辺りは後期型で改良されたとはいえ、例によってトルクはスカスカもいいところなので、まずMFは無理だと思った方がいい。M/A切り替えの機構も一切ないし、ハナからMFで使うことを想定していないレンズな気がする。もし万が一MFで使うなら、ボディ側で切り替えることになる。マゾの方は是非。多分上達はすると思うよ。しらんけど。


AI AFズームレンズ恒例のマクロ機構がついている。マクロ機構使用時の最短撮影距離は0.35m(通常時は0.5m)…とのこと。…なんだけれども、全域で(しかもAFで)使えたし、何かマクロモードに切り替えるようなスイッチも見当たらなかったんで、特に気にすることなく全域で最短撮影距離0.35mと考えていいと思う。ちなみに見ての通りインナーフォーカスではないので、ピント合わせと共に前玉はグルグル回るよ。PLフィルター等を付ける際は注意。

信頼と安心のメイドインジャパンある。しかしピントリングの謎の切り欠きが気になって仕方ない。なんなんですかねえこれ。

シリアルナンバーは300万代。(New)の方は400〜500万代らしいので、一応気にしてもいいかもしれない。ちなみに(New)の方が短くて軽い。あれ?これ前期を今選ぶ意味って…それ以上いけない。

前・後から。7枚羽。変な角の出た7角形(しかも歪な)よねこれ。絞り羽根不良かしら。まあ気にせずガンガン使いますけど。

ちなみにフィルター径は泣く子も黙る52mmである。Nikon半端ねえって。余程大口径や大砲にでもならない限りフィルター径全部52mmで出してくるもん。



D750に装着。多少のくびれがあるので割とサマになっている。まるで標準域の単焦点をつけたかのような外観だが、ズームレンズである。フルサイズ+ズームにしてはかなりの軽量装備。


同居人のD5300を拝借して装着。フルサイズより似合ってる気がするのは小生だけだろうか。まあ(あのスカスカピントリングで)MFオンリーで×1.5換算して52.5-105mmのズームを使う人がいるのか?と言われると、返答には困ってしまうが。それはちょっと…という方はD50なんかでどうですかね。流石にもうつらいか。

 

作例

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 35mm 1/500秒 f/3.3 ISO100 北海道釧路市 西港第4埠頭

釧路に入港したクルーズ船ウェステルダムをワイド端開放で1枚。ピント面は開放から頑張ってる印象だがどうだろう。開放だし周辺はこんなもんかな。少し周辺光量落ち、フリンジも出る。価格を考えたらかなり健闘してると思うんだけどなぁ。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 35mm 1/80秒 f/8 ISO100 北海道釧路市 西港第4埠頭

ほぼ同じ位置からf/8で。周辺光量落ちはほぼなくなった。周辺の描写も及第点かしらね。逆光で白飛びしかけるくらい空が明るくなってしまったので、編集で露光量を下げた。しかしいい絵を吐き出しますねえこれ。階調表現って言えばいいんでしょうかね。手持ちのものだとAi24/2.8Sに近いような気がするな。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/320秒 f/4.5 ISO100 北海道钏路市 西港第4埠頭

テレ端開放。テレ端開放甘いという意見が多かったけど、確かにちょっと眠いが小生的には全然セーフな部類ですわ。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 50mm 1/160秒 f/10 ISO200 北海道釧路市 西港第3埠頭

遠景はコントラストが低下する傾向にありそう…と思ったが、多分雨だからだなこれ。この日50mmで合わせたと思ってた写真だが、Exifに軒並み42mmで記録されていた。気持ち50mmの目盛を過ぎたあたりに50mmがいるのか?と思ったが、後日弄ってみたら50mm近辺〜70mm付近まで全部42mm記録だったので、しょーもない不具合ということだった。どうせ35/50/70mmでしか撮らないし、撮影に影響はないのでオーケー。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/160秒 f/5.6 ISO200 北海道釧路市 西港第3埠頭

マクロ機構によって0.35mまで寄れる喜びが大きい。後ボケもズームにしては素直でうるさくないほうだと思う。それにしても気を抜くとすぐにテレ端で撮ってしまう悪い癖が出ている。いかんいかん。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/320秒 f/10 ISO200 北海道釧路市 西港第3埠頭

f/8〜10あたりまで絞れば全域で大体オッケーである。支柱(?)の質感までしっかり表現してくれている。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/80秒 f/22 ISO640 北海道釧路町 自宅近所にて

釧路の桜の開花はいつもGW後だというのに、今年は暖かすぎて4月末に少し咲いてしまった。桜くらいの大きさなら構図にもよるが(あんまり花弁までググッとやれる訳ではないけど)花の撮影もできる。7枚羽根なので七角形の玉ボケになる。これも背景が明るすぎたので後から露光量調整している。曇りというか小雨だったので原因がはっきりとはしてないが、同じ逆光ポジションでも背景が白飛びしかけることもあれば、それで露出アンダー目に調整して再撮影すると暗すぎたり…と。なかなかこの日は振り回されていた。曇りの日の撮影が一番むずかしい。未だに苦手である。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 35mm 1/4000秒 f/3.3 ISO100 北海道釧路町 別保公園

晴れてる日を選んでまた別日に。逆光耐性テスト。ちょっと意地悪な構図ではある。流石に古のレンズで開放モロ逆光だと盛大なフレア&ゴーストではあるが、これはこれで生かせそうな気もする。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/500秒 f/3.3 ISO100 北海道釧路町 別保公園

テレ端開放でも逆光テスト。ふわーっと広がるフレアは何か表現に活かすヒントになりそうだ。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/250秒 f/8 ISO100 北海道釧路町 別保公園

取り込んですぐ見返して、ピント面の解像度にびっくりしてしまった。質感もよく表現できている。40年近く前の古の廉価ズームがここまでやれるか。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/250秒 f/8 ISO100 北海道釧路町 別保公園

AFは被写体が小さいと迷いがち。かと言ってMFで合わせようとはならないんだよな(笑)。

 

続けて2枚いきます。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/4000秒 f/4.5 ISO100 北海道釧路町 別保公園
  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/1250秒 f/8 ISO100 北海道釧路町 別保公園

 

逆光耐性は絞るとある程度改善されるっぽい。開放だとどうしても全体的に画面が暗くなってしまうので、どちらにせよ絞ってあげたほうが吉。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 35mm 1/320秒 f/4.5 ISO64 +1.0EV 北海道釧路町 別保公園

開放で撮るなら+1.0EVくらいで(日中は)全体がちょうどいい明るさになった。しかしすごいコントラスト。空の描写が好きだ。

 

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 50mm 1/125秒 f/8 ISO64 北海道釧路町 別保公園

Aiニッコールらしい写り。発色良好。晴れてる日の方が本領を発揮してくれる。やっぱり寄れるっていいね。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 70mm 1/60秒 f/8 ISO64 北海道釧路町 別保公園

少しずつレンズ特性がわかってくると撮影も楽しくなってくる。大きめの花の撮影に向いてる気がするなあ。質感の表現すごいよ、これ。ほんとに1,100円で叩き売りされてたとは思えない。

  • AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f3.3-4.5S + D750
  • 50mm 1/4000秒 f/3.5 ISO100 北海道釧路町 別保公園

桜が咲いてから再度別保公園を訪れて、レンズ特性を活かして撮影してみた。しかし…これはゴーストじゃなくてコーティング剥がれとかバル切れとか、そっち方面のもっと深刻な経年劣化の症状な気がするな。まあ使えるのでいいんだけど。絞れば見えなくなるし。

 

最後に3枚続けて開放で歪曲収差テスト。f:id:shogaitabibito:20240502181123j:image35mm(f/3.3)
f:id:shogaitabibito:20240502181128j:image50mm(f/3.5)

f:id:shogaitabibito:20240502181132j:image70mm(f/4.5)

ワイド端で樽型だが、テレ側に向かうにつれて目立たなくなる。

 

総括

楽しくてついつい書きすぎてしまった。結論から言うと、「思ってたよりかなりよかった」である。35-105/3.5-4.5Sで痛い目に遭っていたということもあり、例に漏れず同期(?)の此奴もどうしようもなく使い道がないのかなと勝手に思っていたが、案外こいつはやれるかもしれないズームで撮っていてワクワクしたのは久しぶりだわ。というか初めてかも。めっちゃいいよ、これ。個人的には結構好みだったので、しばらくは普段使いにしたいレベル。

2倍ズームでそれほど明るくもなく…という(多分)無理のない設計がいいのかもしれない。設計に関しては文系のオタクなのでよく分からないけど。「これなら大三元でよくね」という大三元原理主義者も現れそうだが、スペックも価格も重さも登場シーンも違いすぎるので、そもそも同列に語るべきではないよな。

標準ズームの中でも(使用頻度の少ない)広角側24〜35mmの間のレンジを思い切って削ぎ落としてでも軽量な装備にしたい人には合うと思われる。基本的にはスナップ用として、晴天下の日中を中心にf/8〜10あたりまで絞って運用するといいかな。35/50/70のどれかをベースにして、おまけで残りの焦点距離がついてくると思ってもらえれば。遠くのものを無理に写そうとしなければ、これ一本で街撮りは(テーブルフォトも含めて)大体いける。

キットレンズ出身ということで、基本的には初心者向けのレンズなんだろうが、現代ではもはや「初心者が」「このレンズのAF駆動に対応してるデジイチ機(D7000番台以上…)」を扱うシーンがまず思い浮かばない。ボディ内モーターのあるD二桁機は現代じゃさすがにもうつらいし。ということで、現実的に初心者が運用するなら、AF対応のFマウントフィルム機がいいのかもしれない。それこそ元々セットだったF-501とか、F-601とか。

ただ、当時カメラを始めるとともにこのレンズでデビューした人が、単焦点50/1.8Dや35/2D、あるいは大三元なんかにステップアップしてしまったら、出番が少しずつ少なくなってしまったレンズなんだろうな…とも感じた。その成れの果てが、ジャンクコーナー1,100円投げ売りとは、あまりにも悲しい。

しかし、である。このレンズを使っていて、D5500でDX18-55を付けて奮闘していた頃を思い出した。 初心に帰らせてくれるレンズ、と言ってもいいかもしれない。大金を積めば当レンズ発売時には信じられないほどの高性能なボディもレンズも買えてしまう現代だけれども、レンズの特性を理解して、時には足で稼ぎ、狙いを持って撮ることこそ、そこそここなれてきた今ならできるんじゃないのかなあ。素性は価格の割にいいので、あとはあなたのウデマエ次第。防湿庫に眠らせている方はたまに思い出してあげてほしい。今のあなたのウデマエなら、もっとこのレンズも輝いてくれるかもよ。

 

最終更新:2024/07/25

【レンズレビュー】「Ai AF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S」[第3回]

ということで、素人によるレンズレビュー、3回目。

今回のレンズは…

 

f:id:shogaitabibito:20240420140437j:image

Ai AF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S(New)

 

である。AiAFレンズ初代(←これ、なんて呼べばいいんだろうな→AF-Nか、AF~Sが多い気がする)と、次世代のDタイプで大量にラインナップされた、エントリー標準ズームレンズ軍団の一員である。たぶん、何かしらのキットレンズにはなってたんじゃないかなあ。ちょっと調べたくらいでは分からなかったけど。

で、なんでこんなレンズを持っているのかというと、1年半ほど前にハードオフのジャンクコーナーに転がっていたからである。お値段なんと1,100円である。ホコリをかぶっていたとはいえ、掃除するだけで使えそうだったので、買ってしまった。が、多少使ってはみたものの、結局24-85/2.8-4Dには太刀打ちできずという判断になった。その結果、通電しなくて置き物になってしまった(これまたジャンクの)F-301に付けられて一緒に置き物になっていた。

 

ただ、24-85/2.8-4Dが最近故障してしまい、30mmあたりからワイド側に回らなくなってしまった。いっそのこと「ハーフマクロ専用35-85/3.2-4D」として生かしてもいいのだけれど、改めてこっちの35-105/3.5-4.5Sも評価してみよう…ということで、今に至る。見た感じこのレンズのレビューはほとんどなかったしね。もちろん何度も言うようだが、素人みたいなアマチュアフォトグラファ〜のつぶやきなので、話半分に聞いてくれよな。

 

35-105/3.5-4.5Sは、86年に発売された前期型と、91年に発売された後期型(New)があるみたいだ。

後述するが、マクロ機構を使って撮影してみたところ明らかに0.38m以上寄れたので、多分後期型の方なんじゃないかな…と思う。(追記:後日シリアルナンバーを確認したらやっぱり後期型だった。しかもDタイプに切り替わる直前の末期ロット個体だった模様。)

Wiki先生によると、前期型はマクロ機構使用時に最短撮影距離0.38mのところ、後期型だとこれが0.28mまで縮まっている。万能標準ズームの永遠の課題だと思っている最短撮影距離問題。この10cmの差は大きいよな。ちなみに通常時の最短撮影距離は1.4mである。うーん、きびしい。

 

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最後に使ったのが1年半前なのですっかり忘れていたけど、なんと直進ズームだった。必死で回そうとして回らなくて焦ったのはここだけの話。105mmクラスで直進にしなくても…とは思うけど、被写体に合わせて直感的にスムーズに操作できるのは嬉しい。直進機構には適度に硬さもあるので、首から下げているうちに伸びてくることもない。もっとも、使い込むうちにヘタレてくるのかもしれないが。35-105クラスに直進導入しなくていいので、超望遠ズームに導入してください。よろしくお願いします。

 

f:id:shogaitabibito:20240420143051j:image

重量は500gちょっと。重いということはない。標準ズームならこんなもん。105mmまでカバーしてるんだから文句は言えない。ちなみに前期型の方が50g軽いらしい。もしかして後期型を買う理由って何もないのでは…??おっと、それ以上いけない。

 

寸胴、という感じ。実家で眠っていた28-80よりはマシかな…という外観。外観のうち手を触れる部分については、ラバーのような素材になっている。ゴムとプラスチックの中間のような感じ。滑らないという意味では実用的だが、お世辞にも高級感は1ミリも感じられない。まあ、エントリー用レンズみたいなとこもあるので、こんなもんでしょう。腐ってもメイドインジャパン。買った時は格安だったけど、ほぼ使われてなかったのかな?と思うほど状態は良好。

 

このレンズ最大の特徴である簡易マクロ機構。ワイド端35mmでしか使えないのが痛いところ。テレ端105mmでもこれが使えたらな…と思えてならない。他の方の数少ない貴重なレビューでは「105mm側にマクロが…」と言及されている記事もあったので、そちらは前期型なのかなあ。当該記事では距離窓つきだったので恐らくそう。しかしなぜワイド端側にマクロを持ってきたんだ…。

使い方は銀色のボタンを押したまま、ボディ側のピントリング(写真では指で回してる部分)を回すことでピントを合わせる。なお、マクロ機構使用時はAF不可(すなわち、MF)となる。(無駄に)マクロガチ勢仕様である。ちなみにマクロ機構部分のピントリングは結構トルクがあって、微調整もしやすい。もはやこれが一番価値がある部分なのではと思う。でも35mmで最短撮影距離0.28mじゃなぁ…

AF初期のレンズではあるが、MF時代との橋渡しのような特色を持ったレンズだと感じた。なお、通常使うピントリング(前玉側のやつ)はトルクスカスカもいいところなので、マクロ機構を使う時以外はMFは無理だと思った方がいい。

 

それぞれ前・後ろから。前から見た時に何の印字もないのは、少し寂しい感じがする。シリアルナンバーは絞りリングの裏側にひっそり書いてあった。初見でこんなんわかるか。

フィルター径は52mmなので、エントリークラスのレンズとは大体共用できるのがうれしい。ただ前から見るとちょっと…うん。

 

D750に装着。めちゃくちゃダサい…というわけでもない。普通of普通。いや中の下くらいか。85/1.4Dなんかとはカッコよさの面でも絶対に比較してはいけない。フードでもあればマシになるかなあ(ちなみに前期(HB-2)と後期(HB-5)で対応フードが違うようなので注意)。重量バランスはいい。決して悪いことではないがあまり太さはないので、D一桁機あたりにつけたらカッコ悪そうだ(まあ、誰もつけないだろうけど)。

 

 

【作例】

ということで、釧路市北大通付近をうろうろして30分くらい(というか、30分で撮るものがなくなってしまったのと、寒すぎて帰りたくなった)粘り、作例を撮ってきた。なお、全て撮って出しになる。釧路の春らしく、あいにくの曇りだった。

 

  • Ai AF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S + D750
  • 35mm 1/1600秒 f/3.5 ISO100
  • 北海道釧路市 港文館付近

まずはワイド端開放で1枚。まーーー見ての通りという感じである。流石に周辺光量落ちが目立つのと、中心周辺うんぬん以前に全体的に厳しいなあ…といったところか。まあよく言えば古さに味があるということでもあるけど。絶対に引き伸ばして使ったりはできないけど画面上で見るくらいなら、うん。

 

続いては4枚まとめて行きますよ。(すべて開放)

ワイド端(35mm)

50mm付近

70mm付近

テレ端(105mm)

歪曲収差がどれだけ出てるかな、と思って港文館の外壁でテストしてみたんですが、まあーーーーすごいことになってますな。流石にこれは「味」という魔法の言葉では片付けられないなあ。これを理解・許容して使えるかどうかということになる。

 

お次は6枚まとめて。D750ですべてAモード、ワイド端35mm、ISO100、EV±0。

開放(f/3.5)

f/5.6

f/7.1

f/10

f/16

f/22

f/7.1〜10あたりが良好な気がする。周辺光量落ちもf/7.1らへんからなくなる。f/5.6も個人的には(あんまり引き伸ばしたりもしないし)まあ実用。f/16〜まで行くと気持ち眠くなってくるかなあ。正直よく分からない。

 

  • Ai AF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S + D750
  • 105mm 1/125秒 f/4.5 ISO400
  • 北海道釧路市 EGG

後ボケは綺麗とは言わないけど、そこまでうるさくもない気がする。とはいえ最短撮影距離は1.4m。メインの被写体とはある程度距離を取れることが必要になってくる。その制約に耐えられるかどうか…

 

  • Ai AF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S + D750
  • 35mm 1/50秒 f/4.5 ISO400
  • 北海道釧路市 EGG

マクロ機構を使って撮影。正直これでも最短撮影距離の許すマックスまで近づいたのだが、ツツジくらいの大きさの花でもこれが限界だった。35mmという画角もあり、後ボケにはあまり期待しない方がいいかも。花や苔のためにマクロを使うというよりは、テーブルフォトで使う方が生きそうである。マクロ機構の方のトルクはなかなかにあり、ピント面の追い込みはかなりやりやすかった(手持ちなのでいうほどガチピンじゃないのは許して)。

 

  • Ai AF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S + D750
  • 35mm 1/320秒 f/4.5 ISO400
  • 北海道釧路市 港文館付近

撮るものなさすぎて小生のGP7のヘッドライトを撮っている(笑)。まあ、このレンズで(テーブル上以外の場所で)マクロ機構を使うなら、デカいものを撮った方がいいんだろうなという結論に至った。花とか苔とか昆虫とか、ガチのマクロレンズが活躍するような被写体には向いてないなと感じる。焦点距離35mmで0.28mだと寄れない。もっと色々撮りたいならレンズもステップアップしていけよ、というNikonからのメッセージか。お布施させていただきます。

 

  • Ai AF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S + D750
  • 105mm 1/320秒 f/8 ISO100
  • 北海道釧路市 港文館付近

f/8で。なんだかんだで日常使い用と割り切ればいいのではという気持ちになってきた。ボディ依存になるだろうがD750でも日中のAFは問題ないスピードだったし、コントラストも悪くないと思う。ところで、105mmという焦点距離を普段使わないので、思ったより足りなくて焦るシーンが多かった。これは素直に小生の力不足である。

 

f/8〜10くらいに絞って使えば(日常使いなら)大抵の人は問題ないんじゃないかなあ。だってこれをジャンクコーナーで手に取る人は何も分かってない人か、分かってて敢えて使う物好きな人しかいないと思うから。日中なら気軽にスナップに持ち出せるくらいの重量とスペックではある。まあ、レンガみたいなのは撮らない方が吉だし、普通にフリンジも出るけど。それにしても北大通もこの3年間でどんどん変わっていくなあ。

 

道端につくしが生えてた。比較的あっさりした淡い色味は小生の好みである。D750との組み合わせだと少し暗いことが多いので、必要に応じて調整するといいかも。

 

【総括】

1年半ぶりにこのレンズを引っ張り出してきたわけだが、腐ってもメイドインジャパンだけあって悪くない、悪くないレンズではあるんだよな。ただ、改めて「今」この35-105/3.5-4.5Sを買う理由があるかというと…正直「叩き売り価格」以外に見つからないかな…という気がする。

というかこれ買うなら28-105/3.5-4.5Dとか、なんかもっといい選択肢があるというのは揺るぎない事実。Dタイプだってズームレンズなら今そんなに高いわけじゃないし。なんならGタイプでもサードパーティ製でもいいわけで。

そもそも標準ズームは激戦区だし、テレ端105mmはありがたいけれど、ワイド端35mmではキュークツなシーンも多いだろう。90年代初頭ならこれでいいかもしれないが、現代のスペックインフレ状態の中では厳しいか。まずもってZ機への移行が進んできている中、FTZも相変わらずの現状維持+D3000,5000番台も本レンズはAF不可なので、AFが作動するボディが限られてしまっている。かと言ってD7000番台やフルサイズFマウント機APS-Cクロップで使うにはワイド側が足りないか。運用を考えるのは結構難しく、使い続けるには愛が必要だと感じる。割と鉄道撮影用…くらいしか思いつかない。

 

小生の中で「やっぱりこれは出番ないな…」と思えてしまったのは、改めて使ってみてもやはり24-85/2.8-4Dの使い勝手に勝てないな…というのがデカい。重さも大して変わらんし、明るさがそこまで変わるわけではないんだけど若干は明るくなるし、マクロ機構が35-85mmで使用可能、加えて0.21mまで寄れるとなれば、大抵のものは撮影できてしまう。それこそスナップから料理、ポートレート、風景から天体までなんでも。あと個人的にテレ側の「105mm」という焦点距離が、意外に85mmと差別化できなかった。24-85/2.8-4Dもそのうちレビューしようかな。

 

やっぱりマクロ機構が35mmでしか使えないのが惜しすぎたな〜と思う。ほんとにテーブルフォトで使うことを想定していたんだろうなあ。これがテレ端とは言わないからせめて70mmくらいまで使えれば…もっと日の目を見たレンズだったかもしれない。間違いなく高価にはなっただろうけど。2回目だけどなんでマイチェンで仕様を変えたんだ。

まあガチガチのガチに使うんでなければ、何か特徴があるわけではないけど逆に変なクセもないし、スナップ+テーブルフォトくらいなら全然こなしてくれるんで、物好きな方は買ってみてもいいかもしれない。バーゲンセール通り越して二束三文状態だし。小生のようにDタイプのズームがメインの人は、壊れた時のバックアップくらいはしてくれる。見つけた時は気にかけてあげてくださいな。

 

最終更新:2024/12/24

【レンズレビュー】「AI AF NIKKOR 85mm F1.4D」を1年間使って[第2回]

ということで、またまた素人レビューです。

カメラいじりするようになって実はもう5年も経つんですが、未だに感覚頼り、多少の基礎知識だけ持って、ほんと理論も何もあったもんじゃない人間なので(勿論、少しは自力でもウンウン身につけてはいるんですが、アマチュアの域は間違いなく出ないですな )ミョーチクリンなことを口走っている可能性が大いにありますから、その点はご留意くださいな。

 

なんでこのレンズを買ったんだっけ…と思い返してみたら、時は昨年3月まで遡る。相方が成人式をやったばかりで、4月には21歳になるというタイミングで。21になる前に、後撮りやらないとね〜なんて話をしていたような。

オジサン^_^‼️の頃はそんなに後撮りにこだわりもなかったし、そもそも20歳当時は両親とめちゃくちゃケンカしていたから(笑)、後撮りも何もあったもんじゃないというか、そういう話はないこともなかったんだけれども、いつの間にかどこかに立ち消えてしまったよね。まあいいんですけど。

一生に一度だし、やっぱり女の子は着付けして、ヘアメして、バリバリの晴れ着で撮りたいよね〜なんて呑気に考えていたんですが、そしたら衝撃の一言が飛んできてしまったんだよね。

 

「後撮り、撮って。」

 

正直、「えぇ…どうするべ…(´・ω・`)」という感じだったわけ。いや、全然構わないんだけど、それこそ相手の親族にも渡したりするような写真なわけだし、まずもって一生に一回の後撮りをこんな適当な「あまちゅあふぉとぐらふぁ〜」に任せていいのか…?と。というかここまでしたら流石にもうゴールインするしかないよな…というのはまた別な話なのですが。

しかし任されてしまったからにはやるしかないよな…と言い聞かせ、とりあえずやると決めた。決めたはいいものの、一つ問題が発生。

 

(´-`).。oO「ポートレート用の機材なんか何一つとしてねえよ……

(´;ω;`)」

 

いや、それもそうなんだよ。本体はいいですよ。D750で不足はない。レンズが、まったくもって、ないんだよ。ポートレート向きの。

確かに、D750を買ってからはずっと単独行動ばかりしていたこともあり、風景ばっかり撮ってたので、当時手元にあったレンズといえば

  • 純正24-85mm/2.8-4D
  • 純正50mm/1.8D
  • 純正35-105mm/3.5-4.5S

   (※↑ハードオフで1,000円くらいで買った。)

これだけしかなかったわけだ(一応フィルム時代のEシリーズ36-72というのもあるけど全く使ってないし、用途的に戦力にならないのでもうカウントしてない)しかも引越し前後くらいのタイミングで、金ないんだよなあ…でも後世まで(たぶん)残すものだしなあ…。めちゃくちゃ悩んだ挙句、「財政は未来の小生がなんとかしてくれるだろう理論(ガバガバ)」を発動し、購入に至るのである↓それこそ、

AI AF NIKKOR 85mm F1.4D(IF)

である。

正直f1.8Dの方にしようかなあ〜などという妥協案もあったのだが、

「いや!!今しかねえ!!銘玉!!買え!!」という鉄の意志で1.4Dの方を買うことにした。某密林で結構状態いいもの(フード付き)が5万円くらいだったはず。

 

この85/1.4Dは世間ではよく「銘玉」と言われているが、それは本当にそうで、20年くらい売られてたらしい。2015年まで発売(←!?)ですって。すごいよね。小生が高3の頃まで現役だったわけですから。まあNIKKORレンズでこういうことを言い出すとキリがなくて、Ai50/1.2Sなんかはもっとすごいということになってしまうのだが。何はともあれNikonって色々とすごいメーカーなんだよね。

85/1.4Gなんかも出ていたのに、デジタル全盛期2010年代中盤くらいまで売られてたってことだもんね。ニコンイメージングの千夜一夜物語にも第41夜で登場します。一応下にリンク貼っておきます。

ニッコール千夜一夜物語 - 第四十一夜 | Enjoyニコン | ニコンイメージング

今思えば、めちゃくちゃお買い得なレンズというか、中古品しかないとはいえ、相場にしてもむしろこんなに安くていいのか?と感じます。5万くらい出したらこれだけのレンズが買えちゃうわけですから。

これを書くにあたってもう一回価格.comとかで中古相場を漁ってみましたが、今でも5万〜くらいで手に入る感じだなあ。美品でも8〜9万円前後。こんなんもう日割りしたら1年しか使わないとしても200円ちょっとなので、毎日モンスター飲むのとそう変わらない出費というわけだ。。ね?安いでしょ??(←は?)

ただ小生には決して安くない買い物だったので、ヒヨって買う前にめっちゃレビュー漁りましたよ。元々Dタイプレンズが(相対的に安いからというのもあるけど)好きなので、GタイプとかSIGMAとかそっちはあんまり見てなかったね(そもそも小生には高くて買えないし…)。購入ボタンを押すときは指が震えたな。おい自分!!これガソリン7回分くらいあるんだぞ!!という。もう勢いでポチっちゃったんだけどね。

 

外観

長さはそこまであるわけじゃあないんだけど、ひんやり&ズッシリしてる。暑い時期ほど触りたくなる。冷えピタみたいなもんだ(←そうか…??)。

メイドインジャパン、しっかり中身が詰まってるという感じ。レンズ名を印字してある部分の素材は「梨地」というらしいが、ザラザラしたスチールな触感は高級感を感じさせてくれる。所有感を満たしてくれるレンズってこういうことだね。

メタルフード「HN-31」も質感が高くて素晴らしいよ。付ける時の金属のひんやり感がクセになる。しっかり金属だから、置くたびにカンカンカンカン鳴る。ちなみにねじ込み式なので携帯性はよろしくない。このレンズの数少ないわずらわしい点かも。でもそんなことすらどうでもよくなるくらい、使ったら惚れますので安心してくださいな。

 

フード付きで600gくらい。フードなしだと550gちょいだった。ガラスがぎっしり詰まっててこの重さなら問答無用で許せる。

 

9枚羽根。ちなみに最短撮影距離は0.85m。使ってて思うけど案外寄れる。

 

開放で後玉側から。ギリギリまで詰まってる感じ。もう既にたまらんわ。こんな妙なことを口走っていては通報されそうだからこの辺にしとこう。

 
D750に装着。思わず「うひょ〜〜かっこええ〜〜🤭」って声出ちゃったわ。

D750はフルサイズ一眼レフの中でもかなり軽い方だけど、これくらいの重さのレンズが一番バランス取れていいかも。アタッチメントは77mmなので、プロテクターを買うだけでも結構お高くなってしまうけれど、もうどうでもよくなってきますね。小生はプロテクターを中古で買いましたよ。

眺めているだけで、ちょっと上級者になった気分(※本当に気分だけ)になれる。小生だけかもしれないが。Df以外のデジイチは合わなくない?という意見もあるみたいだが、全然似合ってると思うけどね。Dレンズはどんなボディに付けても溶け込むよ。

 

 

作例

この1年で撮ってきた写真の中から何枚かピックアップ。すべて北海道での撮影になる。

 

レンズが届いた初日に試し撮りした時のやつ。果敢にも夜間の開放に挑戦。まあ流石にフィルム時代の古いレンズなので、フリンジは出るけれども、個人的にはフリンジは好物なので問題ないんだな。逆光耐性も(昨今のレンズとは流石に比べられないだろうけど)そこまで悪くはないかな。初のf/1.4レンズということで、被写界深度が浅すぎて、開放だとピント面がカミソリすぎるので、OVFだと特に夜間は結構つらいものがある。だがそれがいい。それでいいのである。

 

  • AI AF NIKKOR 85mm f/1.4 + D750
  • 1/200秒 f/10 ISO200 北海道釧路市 幣舞橋付近

相方の後撮りをした時のもの(オフショットのような)。f/8〜10くらいまで絞ると、画面全体で解像度も高く緻密に表現してくれる。このレンズはポートレートが主戦場なので、本来ならポートレートを上げるのが筋というところだが、とてもじゃないが許可が下りなさそうなので勘弁してください…。Nikon特性として肌色を撮影すると何故か黄色がかりがちなので、そこは撮り手の腕の見せ所ということで。ポートレートならふんわり撮りたいので、f/1.4〜2.8あたりが好みかな。

 

  • AI AF NIKKOR 85mm f/1.4 + D750
  • 1/160秒 f/8 ISO1000 北海道帯広市 帯広駅 34D

f/8安牌になり始めた頃に撮った1枚。鉄道写真はもう少し望遠寄りと言えばいいのかな、フルサイズでいうと200mm以上の大砲がメイン武器なイメージがあるんだけど、ある程度近くで撮れるシチュなら85mmも十分戦力になる。LEDヘッドもバッチリである。勿論走行シーンを駅間スポットで撮るなら、それなりに構図は練っていった方がいいかもね。

 

鉄道写真その2。駅のホームから撮る分には全く問題ないということがわかる。しかし開放でもジャスピン決まるとめちゃくちゃ気持ちいい。訓練あるのみである。曇り空の日の描写は単調になりがちというか、のっぺりしてしまう気がするけど、このレンズだと全然そんなことないな。

 

洞爺湖町の桜を撮影した時の1枚。あまりカリカリにはせず、f/2.8まで開けてふわっとさせたいな〜という狙いがバッチリ決まった。それはそうと、桜を撮るのってむずかしいよね。小生はいまだに何が最適解なのかよくわからない。露出ややオーバーにすると打率高い気はする。でも巷に溢れる、桜をギトギトのピンクに編集してしまうアレは好きじゃないお。

 

珍しくf/2で撮ってたので掲載。何を狙いたかったのか正直あんまり覚えてない(というか、今見返しても狙いがわからない)のだが、前ボケも後ボケもエラいことになってるな。開けば気持ちいいくらいボケるし、後ボケもうるさくないし。ズームレンズばかり使っていたビギナーに立ちはだかる壁として、「何か狙いを持って、頭と足を使えば相応のものを示してくれる」という意味で、写真を撮る者に更なる成長を促してくれるレンズな気がする。

 

開放で向日葵を撮影。奥の向日葵に焦点を当てて前ボケを意識していたが、見事に背景の丘もフワフワしてしまった。言うまでもなく手前側の向日葵はふわっと溶けている。開放ですから。それはそうと、f/1.4だと、SS1/8000秒はないと日中はまともに使えない気がしてる。D750は最高1/4000秒なので、日差しが強い日だと、限界まで減感しても厳しい場面もある。開放でガンガン撮るなら、NDフィルターなんか付けるのもアリかも。なお、繰り返すがアタッチメントは77mmなので、お値段は…

 

風鈴を切り取った1枚。流石にISO4000まで上げてしまったので、拡大するとノイズが目立つものの、あんまり引き伸ばさなければそこまで気にならない。レンズ関係ない話は置いといて、f/1.8〜2あたりまで絞ると綺麗な丸い玉ボケが出てくれる。開放だとラグビーボールのような、少し歪な形の玉ボケになる。

 

  • AI AF NIKKOR 85mm f/1.4 + D750
  • 1/800秒 f/8 ISO100 北海道湧別町 愛ランド湧別

せっかくなので縦の写真も。空のブルーの美しさが際立つ一枚。観覧車でわかるけど、全体的に色乗りはいいと思う。コントラストが程よく、色彩も鮮やかだけど主張し過ぎないのがいい。そのおかげでカラーに関しては編集要らずな写真ばかり撮れてしまう。それにしても融雪期っていやですね。ありとあらゆるものがグチョグチョになる。

 

最後にモノクロも。色彩のナチュラルさと美しさがこのレンズの魅力のひとつではあるけれど、その高い描写力ゆえ、モノクロで撮ってもものすごく楽しいレンズだ。開けば溶けるようなボケ、絞れば綺麗に解像する。その両方の落とし所として、このレンズにおいて最適解はきっとf/2.8で使うことなんだろうなと思う。これを載せるにあたって、羊の顔の毛並みを見てびっくりしたもんな。撮れば撮るほど、ますますこのレンズの虜になっていく。モノクロでこれだと明るすぎるよという方は、編集でシャドウと黒レベルを下げれば大体収まりがつく。

 

 

総括

…ということで、小生の拙い作例をいくつか挙げさせていただいたが、少しは85/1.4Dの良さが伝わっているといいなと思う。実際に使えば使うほど、本当に虜になってしまう銘玉だと感じている。

もちろん最新のレンズを弄ったわけではないので比較はできないし、性能面では劣るんでしょうけど(昨今じゃ85/1.2なんかもあるもんね)、外観や重量、描写力、色彩表現、価格、全てひっくるめて85mm単焦点レンズの歴史に燦々と輝く1本であることは間違いないんじゃないかなあ。

今回は全部デジタルで撮ったけれど、幸いなことにフィルム機もありまして、しかもちょうどよくDタイプと相性抜群のF90Xなんで、フィルムでも何枚か撮ってみたいところだね。いつも撮るだけ撮って、現像がめんどくさくなっちゃうんだよね。うーん。

あ、そうだ、Z機で使ってみるのも面白いかもしれない。DタイプなのでFTZかませてもAFはできないけど、EVFの力をもってすれば、あのカミソリみたいに薄っぺらい開放のピント面であっても、なんとかなってしまうのでは…?と思ったりしている。特にポートレートならなおさらZ機で使いたいよなあ。買っちゃおうかなあ(←え)

ポートレートレンズと巷では言われるレンズであるものの、風景やスナップにも遺憾なく威力を発揮すると実感しているので、ポトレ撮影の被写体がいないぼっちの皆でも手を出して大丈夫だ。85mm単焦点スナップなんかあまりやらないだろうが、これが意外に結構面白いのでおすすめだ。

 

それでは今回はこの辺で。

 

最終更新:2024/05/16