7月30日に東証マザーズへの上場を予定しているイトクロ
(
6049)。「塾ナビ」を中心とした、教育関連等のクチコミ評価サイトを運営している。2006年3月設立で、創業者の2人(伊藤弘和氏と黒岩剛史氏)は、設立当初、さまざまなインターネット関連事業の可能性を模索し事業展開したが、創業メンバーの山木学氏が09年4月に代表取締役に就任すると、「選択と集中」を開始。教育関連のクチコミ評価サイトに注力してきた。
山木代表は1978年1月17日生まれの37歳。慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了後、リクルートやカカクコムを経て06年にイトクロの取締役に就任している。社名の由来は、フォークデュオ「コブクロ」(小渕健太郎氏と黒田俊介氏)のように、創業者2人の名字の一部をそれぞれ取ったもの。 ブックビルディング期間は14日〜21日、22日に公募価格が決定し、23日から申し込みを受け付ける。事業概要や今後の成長戦略について、山木学代表に聞いた。
ーーイトクロは、一言で言えば何をしている会社なのでしょうか。
教育メディアで国内ナンバーワンの会社です。教育メディアとは「塾ナビ」などのクチコミ評価サイトのことです。あくまでもアンケート調査の結果ですが、8〜9割のシェアがあります。クチコミをストックしていくビジネスモデルです。私がかつて勤務していたカカクコムの「食べログ」をイメージしていただけたらわかりやすいかもしれません。
当社は、全国の学習塾や家庭教師のクチコミ評価サイトを運営しています。かつては主婦同士の井戸端会議で学習塾の評判を知ることができました。しかし、学習塾が駅前にたくさんできたり、集団指導から個別指導が増える傾向になったりして、最近では井戸端会議で学習塾のよしあしを知ることが難しくなりました。そこで、かつての井戸端会議のような機能を補完するような形で、子どもを塾に入れる際に、ネットのクチコミ評価を見るようになっています。
ーー類似企業はあるのでしょうか。
クチコミ評価サイトの教育メディアということでは、当社のようなビジネスモデルの会社は存在しません。教育に限らなければ、旅行予約・クチコミサイトの一休(2450)、アットコスメ運営のアイスタイル
(3660)あたりでしょうか。
ユーザーが近いのはクックパッド
(2193)。会社ではなく事業ということでは、先ほど挙げた
カカクコム(2371)の「食べログ」が似ています。
ーー今後どのように事業を展開していくのでしょうか。
「家庭教師比較ネット」「幼児教育なび」「英会話ガイド」「習い事ナビ」に続いて、学童保育のクチコミ評価サイト「学童保育ナビ」を始めました。あくまでも塾選びなどのお手伝いをする地に足の着いた事業展開を目指しています。その意味では、黒子であり続けたいと思っています。
ーー今15年10月期は9%増収の売上高32億円、20%増益の営業利益8億円を見込んでいます。
教育メディアが好調で上期までに売上高17億円、営業利益5億円を達成していますので、通期計画も達成できると考えています。
ーー少子高齢化が言われている中、学習塾関連に中長期的な成長性はあるのでしょうか。
少子高齢化は言われているほど急激ではなく、徐々に減っているというのが実態です。一方で、学習塾の折り込みチラシは急激に減っていっています。そのチラシに回っていた広告をネットが吸収しています。
実際に、当社の教育関連クチコミ評価サイトの広告収入は開始以来、右肩上がりで伸びています。事業売却の影響やコンサルティングサービスの一時的な需要増などがあって見えにくいのですが、主事業の教育サイトは右肩上がりなのです。
ーー今回の上場で放出する自己株による約21億円(想定発行価格1930円で算出)の資金使途は。
ほとんどを今後の事業拡大のための広告費や人件費に充てます。大阪支社のオフィス移転や有利子負債の返済にも充てますが、それらは数千万円程度です。
ーー配当はどうしますか。
成長投資をして企業価値や株価を上げることを優先しますので、しばらくは配当をしないつもりです。
(聞き手:山田雄一郎)