もう5分早く家に帰っていたら…
翌日、彼が会社に出たであろう時間に電話があり、心配してくれたが、どんな言葉もそれまでのように素直には喜べず、素直に受け止められなかった。警察からも連絡があり、翌日防犯カメラの映像を見せられた。3人の大人の男がキャリーバックや紙袋に他のバックやPCなどを詰めていくつも抱えて盗み出しているのが映っていた。その時間は家に侵入してから30分ほど。そして、その5分もたたずに私が帰って来たのがうつっていた。警察の方からはこう言われた。
「不幸中の幸い。鉢合わせして怪我を負ったり、逆上して殺されなくてよかったですよ」
この近所で流行っている窃盗集団の可能性があるとのこと。盗品が質屋に流れることもあるかもしれない、購入履歴や保証書、シリアル番号などを分かれば教えてほしいと言われた。
私は、性格上そういったものを全てきっちりと取っていたし、離婚して一人で暮らすと決めた際に、火災保険と同時に家財保険に入っていた。家財保険は、家のなかに置いてあったもの全てにかけていた。つまり盗まれたものも保険の範囲内になる。また、クレジットカードで購入したものはカードの付帯保険も下りるとのことだった。彼が購入してくれたものも含まれるのだ。慌てて家に戻り、保証書などまとめて入れていた箱を開けると、盗まれてはいなかった。時計などのケースもちゃんとあり、箱の中に保証書があったので証明できた。それらを持って、保険会社と管理会社に連絡し会うことになった。